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編集者:ウィーゼル
編集内容:「概要」「表記ゆれ」「余談」内の表記を一部編集。

該当シーンの本編映像(公開版)

概要

2024年にA24Films制作のもと公開された英米のスリラー映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』に登場したセリフである。

連邦政府から19もの州が離脱し、テキサス州カリフォルニア州の同盟からなる「西部勢力」と大統領率いる政府軍の間で内戦が勃発した近未来のアメリカ合衆国を描く本作。戦場と化し、恐怖と狂気に呑まれたアメリカ国内を主人公のジャーナリスト一行が転々としていく旅路のなかで、軍人たちが民間人の死体を集団埋葬している現場に遭遇する。

見られたくないであろう現場を目撃されたことで、主人公らの仲間を人質にして銃口を突きつけたり、その一人を射殺する様子を見せつけながら脅すように話す軍人たち。事を穏便に済ませるべく、ジャーナリストは自分たちが同じ国の人間であり、殺し合いをするべきではないと主張するが……

「私たちはアメリカ人だ、いいな?」(We're American, okay?)

「なるほど、お前はどの種類のアメリカ人だ?」(Okay, what kind of American are you?)

赤サングラスをかけた軍人はさも当然のようにそう言い返すと、一同に出身地を尋ね始める。だが、軍人は一行の出身地から「アメリカ的」か否かを判断し始め、一同の一人をアメリカ的でないとして射殺してしまった。本作が描く「分断されたアメリカ」の狂気を強調するセリフとして、予告編公開時点からこのセリフは話題となった。

表記ゆれ

本記事タイトルでは「どの種類のアメリカ人だ?」と表記したが、翻訳の違いによって、

  • お前はどの種類のアメリカ人だ?
  • どんなアメリカ人だ?
  • お前はどのアメリカ人なんだ?
  • どういうアメリカ人?

といった具合に表記ゆれが起きる。劇場公開時の字幕では「どういう米国人だ?」と表記されている。

余談

劇中では、軍人たちが西部勢力なのか政府軍なのかは語られていないが(その直前に政府軍が付近にいないとの言及はある)、メイキング映像では「地元の民兵ではなく軍人」だと明言されており、それまで登場してきた民兵などとは異なる正規兵だと分かる。正規兵がとても言えないような行為をしたことからも、本作の世界観の狂気が滲(にじ)み出ていると言えよう。

当該シーンのメイキング映像

このセリフを発したジェシー・プレモンス氏が演じる赤サングラスの軍人だが、彼の手首をよく見ると、なぜか左右両方の手首に腕時計をつけているのが確認できる。しかも、軍隊で使うには向かなそうな腕時計で、軍人がそのような腕時計を2つも持つ意味とは……

つまり民間人から追い剥ぎをしたという暗示なのだろう。

また、赤サングラスの軍人はこのシーン中、ほぼ常時銃の引き金に指をかけており、いつでも撃てる状態にしている。序盤のガソリンスタンドに登場した民兵が逆にまったく引き金に指をかけていなかったことと対照的で、民兵は撃つ気がなく、逆に軍人は撃つ気満々だったと解釈することができる。

軍人たちの迷彩服につけられていたパッチ(部隊章)から、彼らの所属(または原隊)は、第20CBRNEコマンドではないかと考察されている。CBRNEとは化学兵器:Chemical、生物兵器:Biological、放射性物質:Radiological、核:Nuclear、爆発物:Explosiveを指す頭字語で、それらを用いたテロなどに対処するのが本部隊である。そのため化学兵器生物兵器に汚染された死体の埋葬方法などもおそらく修得しており、作中で軍人たちが集団埋葬を実演していたのも、それが理由だからなのかもしれない。

関連イラスト

その汎用性の高さから、SNS上では映画の公開後まもなく「お前はどの種類の〇〇だ?」といった具合に構文として用いられているほか、Pixivでも多数のパロディ作品が投稿されている。

編集者:ウィーゼル
編集内容:「概要」「表記ゆれ」「余談」内の表記を一部編集。