概要
アンサー・トーカーとは、漫画「金色のガッシュ!!」第27巻から登場した能力。
ちなみに記事名は「アンサートーカー」だが、正式名称は「アンサー・トーカー」なので注意。
詳細
その力を一言で表すならば、「どんな『謎』や『疑問』に対しても瞬時に『答え』を出せる能力」だといえるだろう。
作中においては、
- 動きを予測、予知するのではなく、「どうすればよけられるか?」「どうすれば攻撃を当てられるか?」その答えを瞬時に出せる者
- この力は、あらゆる問題に対して、即座に答えが出るというものである
と説明されている。
そして作中で挙げられている具体例や、具体的な描写としては、
- 数学ならば数十桁の計算はもちろん、超難問の公式や未解明の定理等も答えがすぐに「頭に浮かぶ」(実際、デュフォーは幼少期の頃でさえも学会の権威が数日を要する程の難問に対して数十秒、調子が良い時は一瞬で答えを出している)。
- 医学ならば病を治す術を見つけ出せる。
- 初めて見る機械やコンピューターも完璧に使いこなせる。
- 天気図を見れば天気予報も可能。作中でのガッシュの台詞から、テレビでやっている天気予報よりも精度が高い可能性すらある。
- 全く解明されていない古代文字でもスラスラと読むことが可能。
- 行った事がない目的地の場所も把握することができる。
- 対象の人間や魔物、術を強くするための具体的かつ的確な指導法を考案することができる。
- 戦闘中ならば、上述のように攻撃の当て方や回避方法等が瞬時にわかるため、たとえ肉眼では追い切れないような速度を持つ相手に対しても攻防を成立させることができる。
- 更に、背後からの不意打ちにも対処できるだけでなく、視認できないほど遥か遠い場所から狙撃されたとしても、狙撃前に相手の位置や狙っている箇所が正確にわかるため、完璧な回避行動をとれる。
- また、相手の術に対しても「弱所を突く」ことで威力差を埋めて致命傷を避ける、あるいは等級の差を越えて打ち破ることができる。尚、これに関しては作者ブログでも「弱所突き」という名称が用いられている(参考資料:作者ブログ「雷句誠の今日このごろ」137P、2008年6月23日更新分)。
等があり、総じて本の持ち主が扱う能力として最高峰である。
また、アンサー・トーカーの能力には優劣があり、アンサー・トーカーの能力を持つ者同士が戦った場合は、相手より優れた「答え」を出せる方が戦いを有利に進めていくことができる。
清麿の力は後天的なものだが、デュフォーは生まれた時から持っている(=先天的)ため、ゼオン戦ではデュフォーが本格的に参戦した途端、ガッシュペアが徐々に劣勢に立たされていった。
デュフォーは生まれつきこの能力を使い続けてきたため、経験値が違うのである。
それこそクリア編では清麿にアンサー・トーカーに関する催眠療法等を施しており、ある意味では師匠とも呼べる存在になっている。
弱点、短所等
上述のように、まさしく完全無欠にも見える能力だが、根本的には思考の延長にある能力であり、天啓を得るようなものではないため、それなりに穴はある。
まずそもそも、この能力は人知を超越した魔法の類ではない。比較的近いニュアンスの能力としてアポロの直感が作中でも言及されている他、上項で挙げられた具体運用である弱所付きは、アンサートーカーではないバリーも血みどろの研鑽の果てに習得してみせた。その眼力は術自体の動きをコントロールし相手に投げ返してみせるほどで、(間接的な指示か本人が見極めているかの差があるとは言え)デュフォー/清麿の指示を受けたゼオン/ガッシュですら成し得ていない芸当である。
更には、明確な能力の描写がない能力が無いブラゴ&シェリーペアも、最終決戦では驚異的な気合いと根性でアンサートーカーに食い下がってみせた。
さらに能力自体の前提として考える材料が完全にない問に答えを出すことはできない。未知のコンピューターを使える、未知の古代文字が読めるといった一見魔法のような能力も、実際には魔法や天啓ではなく、それらの記号や装置の集合体の文法や法則性の解読を瞬間的に行っている。
例えば、古代文字を1文字だけ見せられた場合、いつ頃、どこの地域のいかなる文明の物かや、表意か表音かといった、文字その物から得やすい情報の答えを得ることは可能だろうが、その文字が含まれる未知のテキストの全文を推定する…といったことは不可能である。
これはデュフォーの施設時代のエピソードに顕著に表れている。研究者もその性質を完全に把握していたため、デュフォーをコントロール下に置き実験を行うことができていたし、デュフォーはなぜ自分が売られたのか、(想像はできても)答えを得ることは出来なかった。
また、最低限の思考材料が存在していても、答えを出しうるほどの情報がない場合は、解答の質が低下する。作中の例としては、デュフォーがクリアの「回復具合」、「完全体の詳細」、「バードレルゴの存在及び詳細」について検討した際には、あまりにも検討材料が薄く、漠然とした解答しか得られなかった。
また清麿が強化バオウを使用する際も、何かが起こることは推定しながらも、具体的に何が起こるかは全く予想できなかった。
さらに言えば、使用者の精神・思考状態次第では"簡単な"問にすら答えられないケースもあり、具体的にはガッシュ戦時のゼオンの心情変化に対しデュフォーは「過程がわからない」と述べている。
第二の弱点として、考えられなければ答えを出すことはできない。
これも失神など、さまざまなケースが考えられる。作中ではゼオンのテオザケルを微かに食らった清麿が一瞬意識を飛ばし、その後のゼオンの追撃をモロにくらってしまうシーンがあった。
作中、デュフォーが清麿に「(回答を出すのが)ちょっと遅い」と感想を持つシーンがあることから、思考する速度そのものが速くなるわけでもなく、考える時間が足りなければ答えを出すことはできない(若しくは答えを出しても対応が間に合わない)
さらに上記2点をクリアしても、あくまでアンサー・トーカーは「あらゆる問題に対して、即座に答えを出せる」能力であり、決して「不可能を可能にする」「奇跡を起こす」といった類の能力ではない、という根本的な制限がある。これに伴い、問の立て方が下手な場合は能力自体の価値が激減する。
現にクリア完全体が目覚めてしまった際には、その時点のガッシュペアとブラゴペアがどれだけ全力を尽くしても絶対に敵わない状況に陥ってしまったため、清麿は「ヤツを倒すための答えが無い」「ヤツを倒すための答えが出ない」という、"正確な"答えを出した。
この際清麿が、即座に次善策として「今できることで何が最も有効か」という問いを立て直したため「クリアの抜け殻を叩く」という新たな解答を得られたが、例えば(強い防御呪文を持たないブラゴ&ガッシュで)「シンクリアの攻撃を防ぐ方法は?」など、質の低い問いを立て直したところで、有効な答えを得ることはできない。
そもそも、元来超人的な知能を持つ清麿だからぶっつけ本番でもそれなりに形になっているだけで、「適切な問いを立てる」という行為は高度な知識と才能、さらに訓練を要する特殊な技能である。デュフォーの言うところの「解答の質の差」の一因と考えて良いであろう。
例えば、「どういう問いを立てるべきか」という問いを立てれば、その時点に立てるべき問いそのものは得られるだろうが、結局思考は一手遅れ、次以降に導出可能な答えの範囲も狭まっていく。
さらにさらに、能力を使用すること自体のリスクとして、デュフォーは原作30巻時点の清麿に対し、「この能力を常に使い続けると脳がもたない。だから普段の生活では本能的に力を閉ざしている」と語っており、脳への負担も非常に大きい事が示唆されている。
それを証明するかのように、(最終的には修行によってある程度安定させられたものの)戦闘中に何の前触れも無くアンサー・トーカーが復活したと思いきや、またすぐ消えてしまうという事態が起きたこともある。
この弱点に伴い、ガッシュ2の時点で清麿のアンサートーカーがどうなっているかは特に言及がなく、不明瞭。元々清麿自身が規格外の天才であり、さらに人間的にも経験を積んで成長した現在、さらに磨きがかかった彼の知力・判断力が人間的な素のスペックなのか、アンサートーカーによるものなのかは判然としない。
余談
渦巻状の目
アンサー・トーカーを発動させている時は、清麿もデュフォーも必ず目が渦巻状に変わる。
一方、アンサー・トーカーの能力者でないにもかかわらず、ナゾナゾ博士やエリーの目が同じ渦巻状に変化している描写もあるが、おそらくは「他人よりも何かを知っている人物」を描くための演出(漫画的表現の一種)だと思われる。
誤情報、デマ等
アンサー・トーカーに関して、一部の外部サイトやブログ等では、明らかに作中では述べられていないような設定(及び、いち読者としての解釈や推測に過ぎない情報)が真実であるかのように記載されている場合がある。
ここでは当記事にも長らく書き込まれてしまっていた誤情報も含め、一部の読者やファンの間に広まってしまった可能性のある間違いを列挙しておく。
万が一、下記のような情報に公式としての引用元があるのだとしたら、随時追記していただきたい。
※ただし、アンサー・トーカーの能力の説明はあくまで作中のキャラがそう自称、紹介しているだけで、作者から直々に全ての疑問に答えを出せると公式情報として保証されたわけではなく、作中事実として答えを出せなかったケース(クリアの回復度合いなど)は存在しているので、厳しく定義してしまうと上記までの説明も一読者の説の一つに過ぎない事を注意してもらいたい。
- アンサー・トーカーが出せる答えはあくまで「能力者の性能と知識、経験によるもの」である為、知識が無かったり引用が可能である経験等が一切無い場合は答えが出ない。
→これに関しても、そのような定義や説明は作中、及び作者ブログ、作者Twitterでも一切述べられていない。
そもそもこれが仮に本当だとしたら、幼少期のデュフォー(=1万ドルというはした金で売られた身であり、ほぼ間違いなく中学~高校生レベル以上の計算や方程式を習っていない)が学会の権威でも苦戦する程の難問に対して答えを出している描写との矛盾が生じてしまうため、誤解釈である可能性が高い。
- アンサー・トーカーには1つだけ大きな弱点がある。それは、「能力者当人にも何故その答えが出たか解らない『答え』が出てしまう」場合もある事である。
→これに関しても、やはりそのような定義や説明は作中、及び作者ブログ、作者Twitterでも一切述べられていない。
また、この説の根拠としてクリアにバオウを撃つ前の「な、何だ、コレは!!?今の奴の『シン・クリア』の術に対するこの『答え』は?」という清麿の台詞を挙げる読者もいるが、そもそもこの台詞の直後に「あいつを… 倒してはダメだ… 倒したら… 取返しのつかない事態になる…」と明らかに答えの詳細や結末を察している。
そもそもこのシーンで問題になっているのは、「アンサー・トーカーによって『シン・クリア・セウノウスを倒したらクリア完全体が目覚めてしまう』という『答え』は出ているが、倒さなければ自分達がやられてしまうので迎撃せざるを得ない」という状況の方であり、「何故その答えが出たか解らない『答え』が出てしまう」事自体が問題になっているわけではない。
なので、この説に関しては完全な誤りだと断言できるだろう。