2010年12月29日にコミックマーケット79にて配布された。
ストーリー
序
嵐 の 夜 に 死 ん だ 少 年
手 紙 を 読 ま な い 彼 の 兄
幽 霊 棟 の 友 達 と
何 も 知 ら な い 新 し い 先 生
あらすじ
両親の離婚以来、顔を合わせることのなかった弟の死。
週刊雑誌の記者、津久居賢太郎は、疑問の多く残るその事故について、
一通の手紙を受け取る。
弟の学校に深夜招かれた彼は殴られて気を失い、目覚めた時には
五人の学生に監禁されていた。
一方、突然の指名を受け、
教員の補欠補助に学院へとやってきた槇原渉。
「何があっても生徒を信じる」
過去の事件からそう心に決め新しい生活へと向かうが、
彼の入居した教員寮、通称「幽霊棟」には五人の先客が居た。
不穏のつきまとう「幽霊棟の学生たち」。
呪われた少年「御影清史郎」の死。
不気味な古書―――「ネヴァジスタ」。
次々と現れるなぞめいた事象の果てに聞いた、
少年たちの本当の声とは――。
貴方は望んで、大人になりましたか
登場人物
- 津久居 賢太郎
「俺をどうする気だ!?目的を言え!」
週刊北斗という週刊雑誌の記者。
離婚した以来、疎遠だった弟の死に疑問を感じ、
学校に訪れた所を監禁されてしまう。
冷静さと智謀で監禁から脱出しようと試みる。
公私共に敵が多い。
- 槇原 渉
「これは僕の物語だ……」
新任英語教師。
元塾講師で逆上した生徒に刺傷された経歴を持つ。
「子供を信じること」を心情に教師生活に取り組むが、
様々な迫害を受けることとなる。
- 辻村 煉慈
「ようこそ、津久居賢太郎の墓場へ」
現役小説家。幽霊棟新館101号室に住んでいる。
弁論家のインテリだが、反論できなくなると手がでてしまう。
幽霊棟の学生に対しても支配的に振る舞い、イニチアシブを得ようとする。
寮では料理担当で味は可もなく不可もなく。
- 茅 晃弘
「殺してやる、貴方がいると全てが狂うんだ!」
生徒会長。幽霊棟新館301号室に住んでいる。
礼儀正しく、優秀な人物だが、情緒が不安定で危うい部分がある。
協調性に欠けた行動も著しく、次第に幽霊棟内で孤立していく。
白峰にのみ心を開いている。朝晩走るのが唯一の楽しみらしい。
- 和泉 咲
「先生、僕が清史郎を殺した」
自殺未遂事故を繰り返すという噂が絶えない少年。
幽霊棟新館102号室に住んでいる。無口で無表情だが、気分屋で感情的。
辛辣でユーモアを含んだ言動をするが、他人には理解されない。
携帯電話が大好き。
- 白峰 春人
「安心して、賢太郎。貴方を死なせはしない」
生誕劇の聖母役。幽霊棟新館302号室に住んでいる。
他人の気分を良くする言動が巧みで、疑心や敵意を操作することに長けている。
幽霊棟の中では比較的常識人で、賢太郎にも同情的な態度を取る。
が、騙される。低血圧で朝に弱く、睡魔に従順。
- 久保谷 瞠
「仲良くしようよ。腹のさぐり合いなんかやめてさ」
棄児。幽霊棟新館202号室に住んでいる。
学院と同系列の児童養護施設で育つ。面倒見がよく、おしゃべりなお調子者。
担任や保護者をノイローゼにするという噂がある。
手先が器用で、記憶力がいい。
- 御影 清史郎
「嵐の河の写真を撮りにいくんだ」
津久居賢太郎の実弟。幽霊棟新館201号室に住んでいた。
両親が離婚しているため、賢太郎と苗字が違う。
共働きの両親よりも兄の賢太郎に懐いていた。
嵐の夜に川に転落し、死亡。
しかし、その死には数多くの疑問が残り、遺体も発見されていない。