概要
高性能なプロフェッショナル向け製品。サイズはS(A6)M(A5)L(A4)XL(A3)の4種類。
BAMBOOやFAVOとの違いとして、検出荷重や読み取り精度、読み取り速度、分解能、読み取り可能高さ、筆圧レベルなどの基本スペックが高いこと、サイズのラインナップが多いこと、デバイスIDに対応すること、エアブラシなど特殊ペンが選べること、ペン先の替芯が選べること、傾き検出可能、回転軸検出可能(ペンの回転検出はintuos3以降、専用ペンのみ)、ドライバによるカスタマイズ項目が多いことなどが挙げられる。
その代償として大きく重くなっている。
公式オンラインショップではIntuosとソフト(ComicStudioやPainter)とのセットパッケージも販売されている。
歴代Intuos
- intuos(i-x00シリーズ)
1998年発売。せいぜい256段階がやっとだった筆圧レベルを1024段階で認識、傾きに対応するとして一世を風靡した。描画面上部にファンクションパッドを備える。
デバイスID認識機能により、複数のペンに別々の機能を割り当てて使える(この機能は以降のintuos全機種が装備する)。
もともとイラスト描画ではなく3D操作を想定して設計された。そのため標準装備のマウスはホイールがサイドについており、ボタンも5つ装備した「4Dマウス」と呼ばれる特殊なものだった。なおマウスは回転角検出機能が付いているが、ペンでの回転角検出はできない。
- intuos2(i-x20シリーズ)
2001年発売。初代のマイナーチェンジであり、本体はカラーバリエーションが追加されただけでデザインも機能も全く同じものであるが、付属のペンにラバーグリップがつき、マウスが一般的デザインの新型になった。ペンのサイドスイッチが着脱式になり、グリップ交換によりサイドスイッチなしのペンに変更できるようになった。なお、初代intuosもintuos2用新型ペンをそのまま使える。
- intuos3(PTZ-x30シリーズ、PTZ-x31Wシリーズ)
2004年発売。intuos2までのファンクションパッドは廃止され、4つのボタンと1つのタッチパッドを統合したエクスプレスパッドを描画面左右上部に2つ(A6サイズは左側に1つのみ)装備する。このため描画面に対して本体サイズがかなり大きい。
ワイドディスプレイの普及に合わせ、16:9の描画面を持つワイド仕様がラインナップに加わった。接続方法はUSBのみになった。
新しくなったペンは芯が多数用意され、自由に選択できるようになった。またマウスだけでなくペンでも回転角を認識できるようになった(ただし標準のペンには回転角センサーは搭載されておらず、別売の平ペン先のついたマーカーペンを購入しなければ使えない)。このため2以前のペンとは標準グリップペンも含めて互換性がない。
描画面は摩耗したら交換できるように粘着シート取り付けとなり、摩擦係数の異なる2種類が用意された。
しかし諸事情(ペンの仕様が古くなってきたことと、構造上生産コストが高かったことが理由と言われる)からデザイン的にも内部的にも後継機に引き継がれず、intuosシリーズの中では異端機種となってしまった(初代と2、4と5ではペンの互換性があるが、3だけはどちらとも互換性がない)。
- intuos4(PTK-x40シリーズ)
2009年発売。ペンの仕様が新しくなり、最低荷重1g、筆圧2048段階に進化した。このためペンは3とは互換性がない。回転軸対応ペンは平ペン先のマーカーペンから普通のペン先のついたアートペンに変更された。
また、デザインが左右非対称になり、代わりにコードを上下左右どこからでも出せるようにして、利き手によって本体を回転させて使うようになった(その際の動作変更はドライバで切り替える)。
タッチパッドは二つ搭載しても利き手側のパッドが使われない傾向があったため、ドーナツ型のものを片側に1つだけ搭載した。ファンクションキーはタッチパッドの上下に4つずつ装備され、横に装備された小型EL表示板にどのような機能を割り当てたかが表示できる。スクエアサイズモデルは廃止され、ワイドサイズのみのラインナップになった。
Bluetoothによるワイヤレス接続機能付きのモデルが併売されたが、これはA6とA5の中間的なサイズで、ワイヤレスモデルにしか存在しない特殊サイズであった。
なお、筆圧2048段階入力は対応ソフトウェアのみで利用でき、非対応ソフトウェアでは従来機と同等の1024段階として動作する。
- intuos5(PTK-x50シリーズ、PTH-x50シリーズ)
2012年発売。intuos4のマイナーチェンジモデルで、本体側センサーは同一であり、ペンも同じ物を使う。デザインも同系統であるが、全体的にラバー塗装になり、ファンクションボタンもゴムスイッチ化された。またELディスプレイは「いちいち見なければならない」と不評だったため廃止され、代わりにPC側の画面に機能が表示されるようになった。
新たに、BAMBOOでは既に採用されていたタッチ入力機能が追加された。ただしオプションであり、タッチ機能なしのモデルと併売となっている。タッチ機能付きのモデルは描画面のシートを自分で交換できない仕様となっている。大きなサイズのものではタッチ無しモデルが存在しないことから、描画面が交換できないことを嫌って慌てて前モデルのintuos4を購入した人もいた。
このモデルから、BAMBOOと共通のワイヤレスキットを取り付けることで無線で使用できるようになった(専用システムでありBluetoothではない)。
なおXLサイズはなく、代わりにintuos4のXLサイズが引き続き販売されている。
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