作品解説
『あの……亜人って……人間じゃないんですか?』
『「亜人」と呼ばれるその生物は「死なない」。高校生・永井圭はある日、交通事故で死ぬが、その直後に生き返った。それは、彼が亜人であり、人間ではないことを意味する。圭をとりまく環境は一変した。彼は人間たちから逃げ惑うことになる。友人のカイは、怯える圭を助けるために駆けつけ、ふたりで人里を離れて山の中に逃げ込んだ。そんな彼に人間と敵対する亜人たちが接触してきた。――彼は何と戦い、誰と生きればいいんだろう?―――』(公式サイトより引用)
決して「死なない」未知の新生物「亜人」、亜人を研究するために何としてでも捕獲しようとする国家、多額の報奨金を得るために亜人を捕えようとする人々、そしてそれを利用しようとする者―――様々な思惑に晒されながら、主人公・永井圭とその幼馴染・カイは必死の逃避行を繰り広げる。
逃げた先に待つのは「人間としての」生活か、それとも―――。
登場人物
永井圭(ケイ)
本作の主人公。高校に通う17歳の少年であり、国立医学部模試で1ケタの順位を取る秀才。常に単語帳を持ち歩き勉強に余念がない優等生であったが、ある日友人との帰り道にトラックに撥ねられてしまう。即死と一目で分かるほどの悲惨な状況に周囲が騒めく中、奇妙な蒸発音のような音と共に血溜まりの中から立ち上がる。「死なない」未知の生物、亜人だと発覚し、それまでの友人たちや人々から研究や賞金目的のために追い回されるはめになる。たった一人、幼馴染のカイを除いて。
非情に頭の回転が速く、数時間観察しただけである程度のバイクの運転法を覚えたりするなど何処か人間離れした冷静さを持つ。幼少の頃に母親に「立派な人間になりたいのであれば友達になる人間を選べ」と言われて以来、幼馴染のカイとの交流は途絶え、態度も素っ気ないものになるが、逃避行することになった今では彼を危険にさらさないために行動するようになる。
海(カイ)
圭の幼馴染であり唯一の協力者。金髪を逆立て、右耳にニコちゃんマークのピアスをしていたり、真夏だと言うのにブレザーを着ていたりと周囲とは浮いている模様。
状況を把握する能力が異常に長けており、それまで何年も交流が途絶えていた圭が自分に助けを求めてくることを想定してその日のうちに逃走手段を完璧に用意するなど行動力が抜群過ぎるほどである。共に虫取りなどで遊んだ頃とも、圭に素っ気なくされた頃とも、亜人と発覚した後になっても圭に対する態度を一切変えることなく彼の逃走に協力する。
戦闘能力も高いらしく、金属バッドで殴られても、猛スピードで走り抜けるバイクから振り落とされても平然としていたりなど体は頑丈。
関連語句
決して死なない未知の生物。現在世界中で46体が確認されており、日本では2体が確認されている。不死であり、たとえ心臓を貫かれようがプレス機で圧死させようが「生き返る」。死に至れば、直接的な死因でなくてもそれまでに受けた傷は全て完治するが、骨折などの致死にならない怪我などは一度死ななければ治らない模様。ただ死なないだけで人間に対する危険性はないとされるが…。
主人公。通称「ケイ」。亜人であり、国立医学部模試で1ケタの順位を取る秀才。様々な追手の手から逃れながら、幼馴染のカイと共に人々に捕まらず生活していける先を探す。
圭の友人。変人と称されることが多いが、その実友情に堅く、圭が亜人と発覚した後も一切態度を変えることなく圭を助けようとする。
■ 一般人
圭の妹。幼少の頃は圭とも仲が良かったが、現在の仲は険悪であり、圭が亜人であると発覚した後は更にその嫌悪を露わにした。
■ 厚生労働省
厚生労働省の、亜人関連の実質的トップ。名字は「トザキ」ではなく「トサキ」。MINTIAを一度に多量に食す癖がある。
戸崎の部下。黒髪スーツの女性であり、右目の下に泣きぼくろがある。亜人に対し、時折他の人間とは異なる態度を見せる。
■ 亜人と思われる集団
ハンチング帽子を被り、ほほえみを絶やさない男性。厚生労働省からは「帽子」と呼ばれる。「教えてやらなければならない。人間たちに」と発言しており、亜人と発覚した圭と接触を図ろうとする。
佐藤と共に行動をする亜人。研究機関に捉えられ様々な方法で殺害され続けていたところを佐藤に助けられる。
詳細不明。過去に起きた中村慎也事件と関わりがある模様。