鍵姫物語永久アリス輪舞曲
かぎひめものがたりえいきゅうありすろんど
概要
介錯により制作された漫画作品。
『月刊コミック電撃大王』にて2004年2月から2006年7月まで連載されていた。単行本は全4巻。
童話『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を元としている。
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』に続く、幻の『第三のアリスの物語』を求める少女『アリス能力者』達の戦いを描く。
2006年にアニメ化されているが、原作とアニメ版では登場人物の設定・言動や物語の結末が異なる。
アリス能力者
『第三のアリスの物語』を手に入れる為、特殊な戦闘能力を得た少女達の総称。
同種同士で戦闘を行い、負けた相手の過去や秘密を具現化した『物語』を吸収することで野望を果たそうとする。
物語を吸収された能力者は個人情報を丸裸にされる為、激しい精神的苦痛や屈辱を味わうこととなる。
第三のアリスの物語を手に入れると何でも願いが叶うとされている。
戦闘時には独特な衣装や武器をまとうが、普段は普通の少女と変わらない容姿であり、戦闘も『幻想空間(メルヴェイユスペース)』なる空間で行われる為、その存在は一般人には認知されていない。
純粋な少女ばかりではなく、犯罪者や孤児など特殊な事情を抱えたアリス能力者も存在する。
ちなみに能力者達の能力や衣装は、『不思議の国のアリス』も封入されている童話集『グリム童話』の物語に由来する。
主な登場人物
登場人物の名前は多くが韻を踏んだ言葉遊びになっている。これは元ネタであるアリスの物語が作中にて言葉遊びを多用していることに由来する。
桐原有人(きりはら・あると)
主人公。中学二年生。
アリスの物語をこよなく愛しており、二次創作作品を描くことを趣味としている。
ある時、物語の主人公であるアリスに似た少女『ありす』を目撃したことをきっかけに、アリス能力者達の戦いの世界に巻き込まれていくことになる。
人当りのよく心優しい性格をしている。
有栖川ありす(ありすがわ・ありす)
有人が作中で初めて出会ったアリス能力者。彼と同じくアリスの物語を愛している。
相手の能力者の力をコピーし自分のものとする『鏡の鍵(ミラーワールド)』を持つ。
当初は何の目的もなく戦う日々を送っていたが、有人と出会ってからは「願いを叶える」という目標を得た模様。
過去の記憶を失っており、記憶を取り戻した末の行動が原作とアニメ版で異なる。
桐原きらは(きりはら・きらは)
有人の妹。有人がありすと出会った後にアリス能力者であることが判明した。
ブラコンであり、兄に極端なまでの愛情を持っているが、それ故に兄に近づく異性を許せない独占欲も抱えている。
相手の能力者の攻撃を跳ね返す力『鏡の鍵(ミラーワールド)』を持つ。能力名がありすと同じ。
血縁関係に関する事情が原作とアニメ版で異なる。
篝木キリカ(かがりぎ・きりか)
有人達の通う学校の先輩。幻想空間の秘密を解き明かす研究をしている。
風を自由自在に操る力『風雅の鍵(ティンカーベル)』を持つアリス能力者。
何故か幻想空間では身体が幼女化してしまう。
モチーフはグリム童話の物語『ピーターパン』。
須羽アスカ(すわ・あすか)
小説家の女性。他人のトラウマを想起させて精神攻撃を行う『白羽の鍵(ラヴ・アグリー)』を持つアリス能力者。
小説家として才能が衰退しているが、それを受け入れられず願いを叶えて名声を手に入れるべく戦いを行っている。
作中ではありす達の味方となるが、内面では彼女達を裏切り『物語』を奪う機会を狙っている。
モチーフはグリム童話の物語『みにくいアヒルの子』。
暁アカネ(あかつき・あかね)
炎を生み出す力『紅蓮の鍵(リトル・マッチ)』を悪用し放火殺人を繰り返している少女。物静かだが破綻した人格を持つ。
警察に捕まり牢獄送りとなったが、アスカに利用価値を見出され脱獄させてもらった。
モチーフは童話『マッチ売りの少女』。
マッチ売りの少女はグリム童話の物語ではないが、これは彼女の秘密に関する重要な鍵となっている。
オルタナイト・L・タキオン
『アリスマスター』を名乗る大人の男性。幻想空間に身を置いている。
アリスの物語の作者である人物『タキオン』と容姿が酷似しているが、本人はその理由を『子孫だから』としている。
少女達をアリス能力者にし、第三のアリスの物語を巡る戦いを仕組んだ張本人。
ちなみに、現実におけるアリスの物語の作者名は『ルイス・キャロル』。
リデル
タキオンに付き従う謎の女性。『黄金の鍵(ザ・ワールド)』を持つアリス能力者。
有人達の行く図書館の司書を務めている人物でもある。
全アリス能力者の中で最強の力を持っており、普段は優しいが戦闘時は即座に相手の能力者を圧倒する。
常にタキオンのことを気に掛けているが、原作とアニメ版では後の言動に大きく違いが生じることとなる。