声 - 木内秀信
黒の契約者
本作の主人公。メシエコードはBK201。強力な戦闘力を有する契約者で、“組織”のエージェントの一人。
「黒の死神」といった異名を持つ。彼が関わったと見られる案件は多いものの、警察ですら実態を掴めないでいる謎の多い存在。
ちなみに「黒の死神」という異名がついたのは、彼が契約者の能力を持つようになる前である。
契約能力は「電流を自在に操る」。手から電流を放ち触れた対象者を感電死または気絶させるなどの殺傷に専ら用いるが、電気系統に干渉して機器を動作させたりショートさせることも可能。
任務の際には黒いコート(黒が着用した場合のみ防弾効果を持つ、そのため能力で変質させているものと思われる)と白い仮面を身に纏い、ベルトに仕込まれたワイヤーとそれに結ばれたナイフを投げて戦う。高い身体能力を持ち戦闘の際にはワイヤーを活用して縦横無尽に駆け回り、それを介して電流を流す攻撃方法を得意とする。
また契約者でありながら「心」を失っていない稀有な存在とされる。 五年前の南米での天国門消失にて行方不明となった妹・白を探している。
天国門消失事件で彼は契約者となったが、実際には契約者ではなく、契約者の能力を持った人間であることが第25話にて明らかとなった。
そのため、対価が存在しない。彼の契約能力とメシエコードは、天国門消失の際に白と同化したことに由来するもの。
電撃は本来の能力の一部の現われで、真の能力として妹と同じ「物質変換」能力を有している。
人と契約者を併せた存在であり、それ故に両者の争いの局面を担う者となる。
しかし、人と契約者の共存を望んだ彼はサターンリング内部の反ゲート粒子を変質させ、銀と共に姿を消した。
李舜生(リ・シェンシュン)
黒の表向き、普段の顔。中国からの留学生を名乗る「海月荘」の201号室の住人。
任務以外の平常時、黒はこの身分であり、穏やかで気弱な青年として日常を過ごす。ただし潜入工作の際には、この顔を利用して任務に就く。
李舜生としての黒は、たいてい白いシャツにジーパン姿であり、その上から緑のパーカーを着る。
黒でもある彼の趣味は天体観測。極度の大食漢であり、外食すれば何皿も積み上げるほど平らげて人を驚かす。
そのためアパートの自室に業務用の炊飯器を持っているほど。また中華料理の調理の腕前は大したもの。
その後、霧原未咲と顔見知りとなり、その正体が黒(BK201)ではないかと疑われることになる。
流星の双子
黒の契約者から二年後であり不精ひげに伸びた髪の風体で登場し、度々酒を摂るようになっている。
CIAから受けた任務に従い、紫苑と流星核を求めロシアへと渡る。
以前と同じく黒いコートと白い仮面を身に纏い、強力な戦闘能力を見せたが、三号機関の対契約者兵器によって契約者としての能力を失い、偽りの星「BK201」も消失する。
紫苑の行き先と思された池袋を目指し、蘇芳とジュライを連れウラジオストクから北海道・札幌へ。
クライアントのマダム・オレイユの依頼により蘇芳をエージェントとして訓練し、イザナミ破壊任務を請ける。
イザナミの正体が銀であったことからそれを追い、東京までの道中、三号機関、FSBの追っ手から蘇芳を守り戦う。 当初、蘇芳とは不仲であり黒は彼女に対してしばしば暴力を振るった。
しかし共に旅するうちに互いに心を開くようになり、彼女の要求を受けてからは飲酒を断つ。だが埼玉にてターニャが射殺されたことを巡り蘇芳は彼の元を離れ、上京は別行動となった。
東京では潜入工作のため身なりを整え、かつて同様の容姿に戻り単身イザナミの行方を追う。 再び蘇芳の前に現れた彼は、連れ立っていた未咲を倒しその命をも奪おうとしたが、蘇芳によりそれは止められた。
自身が「本来の蘇芳」でなかったことを知った彼女に黒は「自分が知っているのは今の蘇芳だ」と言葉を掛ける。
全ての決着を付けるべく旧第18研究棟へと黒は赴き、彼を仇と相手取る葉月と激しい戦闘を繰り広げた。倒される寸前まで追い詰められるも、小林により疑いが解かれ難を逃れ、冷凍保存装置の中の銀の元に辿り着く。だが、すでに彼女には本質がなくイザナミは覚醒していた。
蘇芳がイザナミと対峙して流星核を砕かれた際にはその場、ゲート中心核にて記憶と命を失い眠りにつく蘇芳を腕の中で看取った。そして紆余曲折の末、イザナミ――銀と邂逅。
銀の自らの命を絶つ求めに微笑を返し、「BK201」の星が復活する。
その後、銀と何らかの交渉を行い、生死不明となるが最終話のエンドロールシーンにて銀を抱えた黒が何処とも無く姿を消す様子が描かれている。