概要
アルダーナリシュヴァラは右半身がシヴァ、左半身が妃であるシャクティまたはパールヴァティという男性と女性が結合した姿で表現される。この存在は両者を象徴する事物を一身に備え、シヴァの側は三叉戟(トリシューラ)と虎革の衣とナンディ、パールヴァティの側が蓮華と黄金の装飾品と獅子を持つ図像で描かれる。
本来、シヴァが現世に顕現しない場合は肉体を持たない為に性も持たず、顕現に際して男女両性に分離し、再び統一されることで世界や万象の創造をもたらすとされる。
性的な力を重要視するタントリズムではこの神を男性原理と女性原理が精神・肉体的に結合した完璧状態『完全なる神』として、梵我一如を意味する重要な存在とみなしている。また、ヨニ(女陰)の中に収まるリンガ(男根)でも象徴される。また頭頂部に位置し、悟りへの扉であるサハスラーラ・チャクラにおける男女の完璧な結合を意味する存在とも言われる。
アルダーナリシュヴァラの起源に関する神話には、シヴァとパールヴァティが喧嘩した後に互いを強く抱きしめ合って愛の力で両者が結合したというものがある。
デジタルデビルサーガのアルダー
頭頂部から突き出した角、肩から生じて背中を覆う二つの三角形の羽根、黄色の複眼を持ち、超然的な雰囲気を備える。
戦闘では、両手の前腕部が横に割れて敵を喰らう為の口と、敵を屠るのに用いる両刃の剣の射出口を兼ねる。また魔法スキルや人間時の攻撃ではムドラー(祭儀、舞踊で表す手印)を用い、回避モーションでは瞬間移動するなど他の悪魔が“喰らう”ことに特化した力強さに満ちているのに対して、穏やかな一種異様な佇まいを見せる。
一方で、リンケージ攻撃の際に前身であるヴァルナ、ヴァルナーニの動きに似たモーションを用いるなど、サーフとセラの意識がいまだ混在している様子を見せる。
神話や信仰における“完全神”としての描写を反映して弱点に当たる属性はないが、得意とする属性も存在しない。またパラメータの割り振りはプレイヤーが任意に能力値を割り振れる。
五代ゆう著の「クォンタムデビルサーガ」では、水無瀬眞が移植された人工の『上位アートマ』とされ、量子場攪乱フィールドを展開することでアートマや“ASURA”のエネルギー供給を減退・抑制する能力を持つ。
基本素体はヴァルナだが攻撃方法はウシャスの発展型であり、上記以外にも浮遊能力やプラズマの操作が可能で、両腕からプラズマの刃を生み出し、高熱と電磁波を伴うプラズマの弾幕をばら撒き近寄る者すべてを消滅させる、理論上全アートマの頂点に立つ存在である。