誕生
カノン砲は16世紀から17世紀に用いられた前装式の大口径砲の呼び名であった。
その後、榴弾が誕生すると砲身をある程度短い榴弾砲が作られ、これまでのように砲丸や散弾、榴散弾による直射を主に行う火砲が『カノン砲』と区別して運用されるようになった。
しかし、駐退復座機が開発され火砲が飛躍的な進化を遂げた19世紀末以降になるとカノン砲でも榴弾砲のような間接射撃を行えるようになった。そして、火砲の全盛期であった第二次世界大戦頃までは砲身長が30口径前後までが榴弾砲となり、それ以上の砲身長を持った火砲がカノン砲として大まかに区別するようになった。以下、その特徴と要約をここに記す。
特徴
カノン砲は榴弾砲と比較して、砲弾に緩焼性の比較的高い多量の装薬を用い長砲身のため射程や低伸性に優れるが、射撃時の高い腔圧や大きな反動に耐えるために砲自体の重量は重く仕上がり、サイズも大きく機構も複雑となり生産性や運用性に劣る。
また、運用する砲弾もあくまで榴弾・破甲榴弾・尖鋭弾(遠距離射撃用の榴弾)などがある、しかし、近現代においては使用砲弾の差異によって榴弾砲とカノン砲はあまり区別されていない。
つまり
榴弾砲と異なり高初速で弾道が低伸性に優れるため45度以下の低仰角でも遠距離射撃が可能である。
また、近中距離の目標を直接照準・零距離射撃で砲撃することもできるので、射撃位置が敵に察知されにくい。そのため対戦車砲の様に運用することも可能であり、ゲリラ的な戦術を得意とする。
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別名・表記ゆれ
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