あいつの 悲劇を 想像してみろ!!
魔王JUVENILEREMIX、Waltzと続く、大須賀めぐみのデビュー後の三つ目に当たる作品。
過去二作品が濃い内容だったので、今作は実にわかり易い内容となっている。(大須賀節は未だ加速したままではあるが……)
あらすじ
バッドエンドしか書けない売れっ子で妬み屋の小説家、佐藤 忍。自身の小説の映画化インタビューの帰り道、ファンを名乗る青年へサインを書いたため、バスに乗り遅れ、徒歩で帰るハメになった。その帰り道、不幸にも殺し合いの現場に居合わせてしまう。そして、彼の理想は現実によって剃り削られていく…………。
登場人物
主人公側
- 佐藤 忍
本編の主人公。31歳。
バッドエンドしか書けない小説家で、現在人気上昇中の売れっ子小説家。絶頂期にも関わらず、悲観的な妬み屋を自称する彼は、ハッピーエンドは永久に書けない、すぐ飽きられてしまうなど、自らの気分を「最悪だ」と表現している。しかも幸せそうな人を見かける度に、持ち前の文で、その人を主人公とした「バッドエンド」の物語を妄想することを日常的に行っている、所謂「リア充爆ぜろ」な性格。
後記の太宰 治と牧野 エリと関わり、命懸けの双六ゲームに関わることとなる。最初こそやる気無しではあったが、事が勝手に進行するのでさっさと終わらせる事にした、しかし双六ゲームの敵側の策略に阻まれ、牧野 エリを奪われてしまう。この時彼には牧野 エリに対する「同情」や「友情」や「恋愛感情」以上に重くのしかかる「情」を抱いていて、牧野 エリを守る事を決意していて、奪われた事を気に病んでいた。
太宰 治と協力し、牧野 エリの奪還をすることになった時、彼は牧野 エリを助けたいが、全てを捧げる事はできない、小説家の道を捨てられないと言い、あくまでも自分優先な道を一度は選んだが、とある事件で全てを捨てて牧野 エリを助け出す事を決意した。
武器は持ち前の文才で相手を、自分が作り出した「バッドエンドの物語」に誘導し、撃退する。
バッドエンドしか書けない作家といえばあの人物が思い浮かぶが、関係はないと思われる。
- 太宰 治
趣味と特技はセックス遊びの青年。実は1歳。
正体は人外で双六ゲームの進行役。ナイフでメッタ刺しされようが、銃で蜂の巣にされようが、四肢をばらされようが数日で完治する程の人間離れした治癒能力、今から約30分以内に死ぬ人物が分かるなど、双六ゲームに必要な能力が備わっている。
この双六ゲームにも、人間にも興味がなく、凄まじくやる気がなかった。佐藤 忍の小説も「いつもバッドエンドなので、結末がわかる」と嫌っていた。
しかし、双六ゲームが終われば自分は不要になる、つまり死ぬことになるそうで、便所紙みたいに捨てられる人生に絶望していて、今までやる気がなかった。佐藤 忍の小説を嫌っていた真の理由は、小説の内容を自分の人生と当てはまるからであった。しかし、とあるきっかけで絶望することをやめ、佐藤 忍を守りきり、仲良くなる事を望んだ。
武器は格闘。死なないので、攻10 守0のノーガード戦法を得意とする。
名前の由来は、他人に無関心な所を佐藤 忍に「人間失格だ」と言われたことから。
作品中一番裸を晒すことが多い人物。ここにも大須賀節が……
- 牧野 エリ
本編のヒロインで、双六ゲームのキーマン。8~9歳くらい。
双六ゲームが開始される以前は、よく笑いよく泣く子だったが、双六ゲームを経て心を閉ざしてしまった。しかし佐藤 忍が彼女に優しく接したことで、彼にだけは心を開き、乏しかった表情も改善され始めた。
佐藤 忍に優しくされたことで彼を守ると決意し、敵側に捕まっても従わず、佐藤 忍を探し続けている。
2巻カバー裏にて、彼女がロリ巨乳だったら、なんて4コマが存在し、右乳と左乳をこすり合わせてコオロギみたいに音を出す、という芸当をしていたが、あくまで作者の妄想です。念のため。
敵側
- 鞠山 冬彦
現職の警察の巡査部長。29歳。
人生に一番必要なのはケンカを信仰し、その為に非合法な事もいとわない悪徳警察で、佐藤 忍との双六ゲームも、権力や非合法な連中を使い、完膚なきまでに叩きのめすつもりでいる。
元々勝ちにこだわる性格だったが、後記の彼の息子、駑螺滋恵(ドラジェ)を一人ぼっちにさせないため、より一層勝ちにこだわっている。
- 鞠山 駑螺滋恵(ドラジェ)
鞠山 冬彦の息子。息子。どう見ても息子。おにゃのこに見えるけど息子。男の子。つまり男の娘。
父の鞠山 冬彦は「フユヒコ」と呼んでいる。離婚した鞠山 冬彦の元妻が再婚し、駑螺滋恵を追い出したので、鞠山 冬彦が引き取ることにした。
最初はぎこちない父子生活であったが、互いに父子と認め合い、今では仲良し親子となった。
言葉遣いは荒いが、子どもみたいな純粋な心がある。
- ペッツのおっさん(仮名)
鞠山 冬彦側の双六ゲームの進行役で無精ひげな人外。太宰 治の能力もちゃんと備えている。
人生を充実させるためには、生きる目標と目標達成への熱意と説き、どうせ死ぬなら燃え尽きて死にたいと願っていて、働きがいのある仕事をするため、鞠山 冬彦に度々合っている。
よくペッツのラムネを食っている。