「アルバス・ダンブルドアはホグワーツ始まって以来、最高の校長先生です。『例のあの人』の力が最高潮の時にも、ダンブルドアならば対抗できると聞き及びます」
「暴君たる者が、自ら虐げている民をどんなに恐れているか、分かるかね?暴君は、多くの虐げられた者たちの中から、ある日必ず誰か立ち上がり、反撃することを認識しておるのじゃ」
「死者を哀れむでない、ハリー。生きている者を哀れむのだ。特に愛無くして生きている者たちを。君が帰ることで、傷つけられる人間や引き裂かれる家族の数を少なくすることができるかもしれぬ。それが君にとって価値のある目標と思えるのならば、我々はひとまず別れを告げるとしよう」
概要
『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』に登場する人物。魔法使いの男性。
『ハリー・ポッターシリーズ』及び『ファンタスティック・ビーストシリーズ』に登場する。
闇の帝王ヴォルデモートが唯一恐れる魔法使い。また、ヴォルデモート台頭以前に強大だった闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドを伝説的な決闘の結果打ち倒している。
ホグワーツ魔法魔術学校の史上最も偉大な校長(Headmaster)であり、「20世紀で最も偉大な魔法使い」と呼ばれる。人々に対して「愛」を説くことで「権力」や「差別」と闘った。
プロフィール
Name | Albus Percival Wulfric Brian Dumbledore
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誕生 | 1881年 8月下旬 |
死没 | 1996年 享年115歳
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血統 | 混血(半純血)
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家族 | |
ペット | 🔥フォークス(不死鳥 |
出身 | ホグワーツ魔法魔術学校 🔴グリフィンドール寮 |
在学中の地位・功績 | |
卒業後の賞与・功績 |
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最初の杖 | 不明 |
1945年以降の杖 | 死の秘宝のひとつニワトコの杖(Elder Wand) |
他の所有・管理物 | |
守護霊 | 🔥不死鳥 |
ボガート | 妹アリアナの屍 |
映画版演者 | |
映画版吹替 | |
ゲーム版CV |
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人物
自他共に認める天才であり、強力な魔法使い。
マーリン勲章勲一等を獲得しているほか、国際魔法使い連盟「上級大魔法使い」を務める。ウィゼンガモットの「首席魔法戦士」の肩書きを持つ。
魔法界の偉人として蛙チョコレートのカードになっており、1945年に闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドを破ったこと、ドラゴンの血液の12種類の利用法の発見、ニコラス・フラメルとの錬金術の共同研究(ただしアルバスは賢者の石の創造には特に関与していない)の功績が載っている。
しかし、イギリス魔法大臣の座を望むことはなかった。
アルバスは常にホグワーツ魔法魔術学校の教授の座にとどまり、教育を行う傍ら間接的に闇の勢力と戦うことを選んだ。
最強の闇の帝王ヴォルデモートが恐れる唯一の人物である。
守護霊は不死鳥。魔法生物の形態の守護霊はとても珍しく、これはアルバスの突出した魔法力を表していると考えられる。
賢者と評されるが、自身の愚かさも理解しており、その辺りが同じように強大な力を持つヴォルデモートとの決定的な違いである。
しかし、学生の頃から魔法界の有名人たちから絶賛されていた天才であったアルバスがそれに気付くには、想像を絶するほどの挫折と絶望を経験する必要があったようだ。
鷹揚で物分かりが良く、海のような慈悲深さを持つ人物であるが、それは彼の本質のひとつでしかない。稀代の策士でもあり、世界全体のため、「より大きな善のために」時に非情な決断を下す。清濁併せ持った人物と言える。
作者はアルバスは「善そのもの」であるとも、「マキャベリ的な策謀家」であるとも言っている。
「I loved writing Dumbledore and Dumbledore is the epitome of goodness.」
趣味は室内楽とボウリング。お菓子好きで、校長室の合言葉はお菓子の名前。
容姿
長身で痩身。
瞳の色は青(ブルー)。高い鼻はある一件以降から曲がっている。
青年期は赤褐色の長髪。
中年期は映画版では短髪に髭。帽子を愛用しマグル的なファッショナブルなスタイル。
老年期は長い白髪と長い白髭であり、まさに大魔法使いといった出で立ち。またこの頃には半月型の眼鏡をかけるようになっている。
来歴
生い立ち
アルバスは1881年夏、モールド-オン-ザ-ウォルドに住むダンブルドア家に父パーシバルと母ケンドラの長男として生まれた。
1884年頃に弟アバーフォース、1885年頃に妹アリアナが生まれた。
ダンブルドア兄弟が就寝前に母親に読んでもらう本としてヤギ好きの弟アバーフォースは「汚れたヤギのブツブツくん」を挙げたのに対して、アルバスは「吟遊詩人ビードルの物語」の「三人兄弟の物語」を挙げていたという。
また後にアバーフォースからは、「母親の膝の上で秘密主義を覚えた、そして秘密と嘘に関して天性の才能があった」と言われている。おそらくアルバスは早熟で器用なタイプだったのだろう。
妹アリアナと父パーシバルの悲劇
アルバスのホグワーツ入学前、妹アリアナが非魔法族(マグル)の少年3人に暴行を受けたのを機に精神が不安定になり、魔力が制御できなくなってしまう。
父パーシバルは加害者の少年たちに復讐した結果逮捕され、アズカバンで獄中死。母ケンドラは一家でゴドリックの谷に引っ越し、娘の面倒をつきっきりで見るようになる。
学生時代
1892年、ホグワーツ魔法魔術学校に入学、グリフィンドール生となる。
当初は「マグルを襲った犯罪者の息子」として白眼視されたが、入学後1年と経たずして「ホグワーツ始まって以来の秀才」との評判を得る。
在学中は首席と監督生に選ばれた他、学校の賞という賞をはじめとし、「秀でた呪文術へのバーナバス・フィンクリー賞」や「カイロにおける国際錬金術会議での革新的な論文における金賞」などの様々な賞の受賞、ウィゼンガモット最高裁への英国青年代表、『実践魔法薬』『変身現代』『呪文の挑戦』などへの論文掲載など、様々な栄誉に輝く。
また、錬金術師ニコラス・フラメル、魔法史家バチルダ・バグショット、魔法理論家アドルバード・ワフリングなど、当時の著名な魔法使いと交流をしていた。
入学初日に龍痘の後遺症の痘痕(あばた)に苦しみ他の子供たちから避けられていたエルファイアス・ドージと友達になった。ドージは「ダンブルドアの腰巾着」と言われた。
また、他の級友はアルバスを模範として見習い、アルバスも級友達を喜んで助けたり、激励していたとされる。
グリンデルバルドとの邂逅
1899年にホグワーツを卒業。ドージと共に卒業世界旅行(当時の伝統)を計画していたが、母ケンドラが妹アリアナの発作による魔力の暴発により亡くなったため断念。
「自分のほうが妹の世話が出来るから、学校を辞める」と主張する弟アバーフォースとどちらが妹の面倒を見るかで言い争うも、最終的にはアルバスが家長となって面倒を見ることになり、アバーフォースはホグワーツに残った。
しかし、アルバスは妹の介護生活では自分の才能を生かすことができず、内心では不満を抱いていた。
数週間後、ダームストラングを中退しゴドリックの谷を訪れた青年ゲラート・グリンデルバルドにアルバスは「自分と唯一対等となれる人物」として強く惹かれ、二人は意気投合する。
アルバスはゲラートと共に自らの才能を生かし栄光を得ることを求めた。死の秘宝を探し出してその力でマグルを支配し世界を征服する計画に夢中になった。二人は様々な議論を重ねた。それはアルバス曰く「二か月の愚かしくも残酷な夢」だった。
加えてこの時に、決して互いを攻撃しないという魔法契約「血の誓い」を交わしている。
しかし二人が夢や野望を語り合う間、アルバスが妹アリアナの世話をおろそかにしてしまう。
長期休暇で帰郷したアバーフォースは、アルバスが妹の介護を蔑ろにした事に激怒。更に二人の野望にアリアナが巻き込まれることを恐れ、世界征服計画の荒唐無稽さを説いて反対した。するとゲラートはアバーフォースに怒り、クルーシオ(磔の呪い)により攻撃する。
このことが切っ掛けで三つ巴の乱闘になると、アリアナはアバーフォースを守ろうとして亡くなってしまった。
これによりアルバスは「自分の放った呪いが妹を殺したのではないか」という恐れに取り憑かれるようになった。作者も「アルバスの前でボガートは妹の死体に変身する」と発言している。
その後ゲラートと率先して戦おうとしなかった一因も、万が一彼の口から妹の死の真相を聞いて、それが自らの手によるものだったら、という恐怖である。なお、ここまで思い詰めたのはあくまでアリアナの死後であり、リタ・レストレンジから「生きていた頃のアリアナを愛していたか?」を問われた際には「十分に愛してはいなかった」と悲しそうに語っている。
この事件で、アルバスは己の慢心と愚かさを思い知る事となり、ゲラートはゴドリックの谷を去った。
妹アリアナの葬式では、弟アバーフォースがアルバスを責め、(肉体的だけでなく精神的にも)鼻をへし折った。この時折られた鼻は、魔法を使用した治療はしていない。
以降アルバスは名誉と権力、支配を求める自分の性質を理解し、自戒するようになった。魔法大臣への推薦をすべて辞退したり、対ヴォルデモート結社不死鳥の騎士団を地下組織として留め表立って率いなかったりしたのはこのためである。
彼は自分と同じ過ちを辿ろうとする若者たちを少しでも減らしたいがために、終生教師としての人生を貫いた。
ホグワーツ教授時代/『ファンタスティック・ビーストシリーズ』
1900年代頃、アルバスはホグワーツ魔法魔術学校の教師となっており、「闇の魔術に対する防衛術」を担当している。
1927年以降、校長になるまでは「変身術」を担当。
シリーズの外伝である映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』では、主人公のニュート・スキャマンダーの師であり、魔法動物の研究中における事故で彼が退学になりかけた際、彼への処置に一人抗議し助けたという話が明かされる。
第2作である『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』においては、45歳のアルバスが主要人物として登場。ニュートに依頼して、共にゲラート・グリンデルバルドが糸を引く事件の調査に関わっていくこととなる。
第3作である『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』では初めて上級大魔法使いについての詳細が描かれた。国際魔法使い連盟のトップであり、全ての魔法界を主導する表向きには頂点に君臨する役職である。1930年代にゲラート・グリンデルバルドがこの役職に就こうと暗躍したが、アルバスの妨害により失敗。
国際指名手配の除外など相当に強大な権限を行使できる役職で、権力を望まず英国魔法大臣すら固辞し続けたアルバスらしからぬ役職とも思えるが、罷免権が連盟に帰属しており独裁政治は不可能な統治機構になっているため、アルバスとしても着任を拒否しない範囲であったと考えられる。(なお、実際に1995年度においてヴォルデモートとの対立を恐れた国際魔法使い連盟によりダンブルドアは上級大魔法使いを罷免された。)
1938年頃、トム・リドルにホグワーツへの入学の手紙を届ける。アルバスは他の教師とは異なってリドルの邪悪さを見抜いており、秘密の部屋事件ではルビウス・ハグリッドの無罪を確信。以後、リドルを監視する事に全力を注いだ。
1945年、闇の魔法使いとして勢力を広げていたゲラートと再会し、勝利した。この時ゲラートからニワトコの杖の忠誠心を得ている。なお、これはアルバスがリドルの監視に全力を注いでいたと表明している時期と重なっており、リドルを監視下に置きつつ、当時最強の闇の魔法使いだったゲラート・グリンデルバルドを倒すという離れ業をやってのけた事になる。また、1945年はリドル卒業時期でもあり、当時の校長アーマンド・ディペットに進言してリドルが教職につくことを断らせている。
また、この功績を理由に同年勲一等のマーリン勲章を授与されている。
1965年から1971年の間に校長に就任した際も、リドルが教職につくことを断った。
また後の死喰い人フェンリール・グレイバックによって後天的に狼人間にされてしまった幼少期のリーマス・ルーピンを支え、彼がホグワーツに通えるように取り計らった。
ホグワーツ校長時代
『ハリー・ポッターシリーズ』本編開始前
1970年代、台頭した闇の帝王ヴォルデモートに対抗するために不死鳥の騎士団を結成する。
また、ヴォルデモートの弱点を探るために彼の過去を調べており、彼が分霊箱を作成したことを推測した。
1980年頃、シビル・トレローニーがヴォルデモートを打ち破る可能性を持った子供の誕生を予言、セブルス・スネイプがヴォルデモートに密告したことで、ポッター家が狙われるようになる。
リリー・ポッターの危機を感じてヴォルデモートを裏切りアルバスに助けを求めにきたスネイプを二重スパイとして働かせるようになる。
ポッター夫妻の死の前、死の秘宝を見てみたいという思いを捨てきれず、ジェームズ・ポッターから透明マントを借りる。
1981年10月31日、ポッター夫妻がヴォルデモートに殺され、ハリー・ポッターを殺し損ねたヴォルデモートが失踪すると、ハリーをペチュニア・ダーズリーへと預ける。
『ハリー・ポッターシリーズ』
作中 | |
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一年目 |
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二年目 |
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三年目 | |
四年目 |
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五年目 | |
六年目 |
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死後
死後は、校長室の肖像画より、校長となったスネイプにアドバイスをしていた。
ホグワーツの戦いで死の呪いを受けて生死の狭間に来たハリーの前に現れ、ハリーが生き残った理由、ハリーが分霊箱であったこと、自身の過去と自責の念を語った。
ハリーがヴォルデモートに勝利すると、死の秘宝の今後の扱いをどうするか聞いた校長室のアルバスの肖像画は、ハリーの選択を支持した。
後年、ハリーは次男にアルバス・セブルス・ポッターと名付けている。
能力
魔法史上最強格の魔法使い。
無言呪文、杖なし呪文は当たり前、本来不可能なホグワーツでも姿現わし/姿くらましが可能。
歴代の強さで言えば1000位にも漏れる強さだそうだが、世界中に並み居る魔法使いの強さの中でその例えを出されるというのは、アルバスの実力の裏付けともなるだろう。
戦闘においては姿くらましを防いで捕縛したりニワトコの杖により強力な呪文を放射したりと、比較的地味な技を用いる。しかし、それはダンブルドアの強さの証でもある。
というのも、剣豪が無闇に抜刀しないのと同じで、本作における魔法使いは強ければ強いほど派手な魔法を使う必要がなくなるとされており、実際にハリーはアルバスから「派手な音や煙は経験の豊かさを示すものではなく、むしろ無能の証であり、ハッタリや虚仮威しに過ぎない」と学んでいる。(ハリー・ポッターと謎のプリンス下巻26章より)
ペットであり相棒の不死鳥フォークスと共に戦うこともあり、フォークスの力で空間移動したり、死の呪いを食べさせて防いだりしていた。
ゲラート・グリンデルバルドは史上最強の杖であるニワトコの杖の所有者であったが、アルバスには及ばないと理解しており、イギリスでは一切事件を起こさなかったほどであった。さらにアルバス本人もゲラートに関して「戦う前からわずかに自分が勝ると分かっていた。」と断言している。
ヴォルデモートとも対等以上であり、ヴォルデモートはアルバスと敵対する事こそいとわなかったが、アルバス本人とは決して戦おうとはしなかった。
二人の戦いは1995年度、魔法省神秘部で実現する。炎の大蛇や銀の盾を操るヴォルデモートを相手に優位に立ち、互いに無傷のままとはいえヴォルデモートを撤退に追い込んだ。
ただし、魔法の知識の広範さや魔力自体はヴォルデモートの方が上回っていると認めており、神秘部の決闘後、アルバスは「どれほど複雑な呪文を扱ったとしても、ヴォルデモートには破られるとわかっている」と発言している。
また、スネイプが「闇の帝王との決闘はダンブルドアを動揺させた」と発言しており、神秘部での決闘は目に見えるよりも極限下の戦い(アルバスにとってギリギリの戦い)であったことが分かる。
ここまでまとめると
- ヴォルデモート(通常の杖)(復活後)≧アルバス・ダンブルドア(ニワトコの杖)(老年期)
- アルバス・ダンブルドア(通常の杖)(中年期)>ゲラート・グリンデルバルド(ニワトコの杖)(中年期)
という序列が分かる。
名前
アルバス/Albus
ラテン語で「白」を意味し、しばしば「善」の象徴として用いられる。
歴代校長、恐らくアルバスがホグワーツ在学時代の校長であったフィニアス・ナイジェラス・ブラックのナイジェラスはラテン語で「黒」を意味し、対比となっている。
もしくは女性名アルバを男性化した名前としても知られる。アルバはゲール、スコットランド、イタリア語起源で「夜明け、日の出」を意味し、何度沈んでも必ず昇る太陽の光は「再生」の象徴であり、不死鳥と縁の深いダンブルドア家らしい名前となっている。
パーシバル/Percival
アルバスの父親、パーシバルのファーストネームを取って名付けられた。
アーサー王物語の円卓の騎士の一人にパーシヴァルがおり、その語源はperce (貫く)とval (谷)で「谷を駆け抜ける者」とされている。
パーシヴァルは聖杯探索の任務に就き、一度失敗するものの、最後にはガラハッド卿、ボールス卿と共に聖杯探索を成功させた三人の騎士のうちの一人となる。
ちなみに聖杯に至るためには純潔、貞節である必要があるとされ、ダンブルドアは生涯結婚せず、血族を残さなかった。
ウルフリック/Wulfric
アングロサクソン系の名前で、wolf-power「狼の力」を意味するとされ、古代イギリスの伝説の英雄ベオウルフ(Beowulf )を連想させる。
ベオウルフは「力強い狼・熊」を意味し、伝説においてベオウルフは巨人グレンデルを退治している。
このグレンデルはゲラート・グリンデルバルドのファミリーネームを連想させる名前となっている。
ブライアン/Brian
「強い」、「気高い」などの意味がある名前で、恐らく最初のアイルランド王であるブライアン・ボルに因む。
ブライアン・ボルはアイルランドの戦士族の多くからなる大規模な軍隊を統一し、襲撃してきたバイキングに大きな敗北をもたらした。これは不死鳥の騎士団を組織し、死喰い人と戦い続けたダンブルドアを連想させる。
ダンブルドア/Dumbledore
古いデヴォンの言葉で「マルハナバチ」を意味する。
現在でもカナダのニューファンドランド島ではマルハナバチを指し示す言葉として使用されている。
作者は、音楽好きで鼻歌を歌いながら歩き回っているイメージで「ダンブルドア」と名付けたという。
その他
- 作者の通っていた聖ミカエル小学校に「アルフレッド・ダン(Alfred Cecil Dunn)」という校長がおり、ダンブルドアのフルネームは彼に由来するものと思われる。
- また作中に登場するホグワーツ魔法魔術学校の校長を務めた魔法使いたちの内、フィニアス・ナイジェラス・ブラックはペスケンニウス・ニゲル、ダンブルドアはクロディウス・アルビヌス、そしてセブルス・スネイプはセプティミウス・セウェルスとローマ帝国の皇帝(僭称を含む)に由来している。|
深層
セクシュアリティ
若かりし頃、ゲラート・グリンデルバルドに恋愛感情を抱いていた事が作者より明かされた。つまりアルバスは男性の同性愛者(ゲイ)である。
出会いから何十年を経た45歳の時点でも、望みのものを見せる鏡「みぞの鏡」で若き日のゲラートとの日々を見ていたり、血の誓いを破ることを躊躇っていることから、彼への想いは途切れることはなかった模様。
アルバスはそれ以降も誰を好きになることもなく、生涯独身を通して教育と学問、社会改革に身を捧げた。
対してゲラートがアルバスに対してどういう感情を抱いていたのか、彼がアルバスの気持ちに気付いていたか、ということは明かされていなかったが、原作者によると、二人は情熱的で愛に満ちた関係だったという。
老賢者の葛藤
作中でのアルバスの行動を見返してみると、よくよく見ると「もっといい手段があったにもかかわらず迂遠なやり方をしたり何もしなかったり」と、意外と自分から突っ込んだ行動はしておらず、結果後手に回ることもしばしばあった。(例えば一年目の事件でもクィレルを早くに問い詰めて排除するなり、より確実な方策はいくつかあった。)
無論これには、ヴォルデモートのシンパがどこにいるかわからない状況であること(作中で描かれただけでもクィリナス・クィレル、ルシウス・マルフォイ、アラスター・ムーディに化けたバーテミウス・クラウチ・ジュニアなどの要職にある人物たちが密かにヴォルデモートに協力していた)、またハリーを最終局面まで鍛え上げるという目的があったことも影響しているが、それにしてもアルバス自身の行動だけ追ってみると消極的な態度が目立つ。
背後からセブルス・スネイプや不死鳥の騎士団などを動かし、ハリーへの支援、分霊箱の破壊などやることはしっかりやっているが、例えば正面きって闇の魔法使いたちと戦うとした場面に関しては非常に少ない。
まだ若い時代からそれは変わっておらず、ゲラートと血の誓いを交わしていたことで交戦不能状態ではあったのだが、愛弟子ニュートにグリンデルバルドが持つ二人の誓いのペンダントの回収を依頼したことで結果要らぬ犠牲者を出している。
これはかつて幾度となく取り返しのつかない過ちを繰り返し過ぎたがために、自らの選択で再び過ちを犯すことに対して恐怖し臆病になっているのが原因なのかもしれない。過去に自らが引き起こしてしまった「妹の死」という出来事があったためである。
彼の生い立ちは決して恵まれていたものではなく、学生時代は多くの生徒や同僚に囲まれ慕われてこそいたものの、自らと対等の能力を持った理解者に出会うことができなかった。才能故にいつも心のどこかで強い孤独を感じていたと考えられる。
皆、彼に対して「偉大な魔法使いアルバス・ダンブルドア」という過大な期待によって作り上げられたありもしない理想の姿しか見なかった。そしてアルバスは周囲が望むままにそれを演じ続けた。本音を見せず秘密主義を徹底し、陰に隠された家族の存在やアルバス個人という存在をついぞ明かすことはなかったのだ。彼の苦悩を知る人物はほとんどいなかった。
自分と同じく才能をもったゲラートと出会い、惹かれ、「より大きな善のために」というマグル支配の思想にアルバスが一時期同調してしまったのは事実である。妹の死さえなければそのまま彼と出奔しヴォルデモートのように世界を支配していた可能性も否定できない。
しかし兄アルバスの本質を見抜いていたアバーフォースは、彼の慢心、自分たち家族を心のどこかで疎んでいることに気づいていた。弟が計画を全力で止め、妹はそのときの巻き添えで犠牲となり、アルバスは自らの過ちに気づくことができたのである。更にアバーフォースは特にアリアナの死後、兄への隔意を強め、彼を世間で言われる偉大な魔法使いではなく「大嫌いな兄」として捉えるようになった。これ以後唯一の家族である弟とは疎遠となってしまったが、闇の勢力について自分で得た情報をダンブルドアに逐次報告などしていたため、兄弟の交流は続いていた。またアバーフォースは不死鳥の騎士団にも所属しており、複雑な感情を抱きながらも兄に協力していた様である。
このように不幸な生い立ち、溢れる才能、危険な思想に走るなどヴォルデモートとの共通点も多いことがわかる。違うのは傲慢さや権力欲がもたらした悲劇により、己の間違いに気付き、戒め続けた点であろう。
合理的手段を取りながらも、感情の泥沼に嵌り込んでしまっていた可能性もある。
物語の終盤、意図せずハリーに自らの過去と苦悩や後悔を吐露した後、スネイプの手によって命を落とした。
死後何もヴォルデモートへの対応策を具体的に指示していなかったこと、生前のスキャンダルもありハリーたち一行に不信感を抱かれてしまう。
説明不足であったことは否めないが実は亡くなった後のことを見越してスネイプには指示をし、スネイプの記憶から全てを理解したハリーはダンブルドアの裏の面も受け入れ、最終局面を乗り越えることが出来たのだ。
ヴォルデモートとの戦いが終わり、生まれたポッター家の次男には「アルバス」という名前をつけていることから、ダンブルドアが完璧な人格者ではないとわかったのちもハリーの中では変わらず偉大な魔法使いの恩師として生き続けている。
訃報
第二作までダンブルドアを演じたリチャード・ハリス氏は2002年にホジキンリンパ腫によって逝去。奇しくも『秘密の部屋』が彼の遺作となった。
『アズカバンの囚人』以降より後任を務めたマイケル・ガンボン氏も、完結から数年の月日が流れた2023年9月28日に肺炎のため、この世を去った。
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(主な関係者)
(歴代校長)
(似たキャラクター)
ガンダルフ:どちらも「炎や光の魔法を使う」「神聖な鳥との関連性がある」など比較されることも多いが、ダンブルドアが「長年の経験と技術から最高レベルの魔法使いになった人間」なのに対して、ガンダルフは「初めから老人の肉体を持ち、力と記憶と知識などのほとんどを封印されて大規模な魔法を使うことも許されない下級神」という明確な違いがある。また、ダンブルドアが常に飄々とした掴み所のない物腰を崩さず、ほとんど心中を明かさないのに対し、ガンダルフは喜怒哀楽の感情を周りの者に隠さず、思い通りに物事が運ばなければ苛立ちや不満も口にするが、その分ダンブルドアには無い親しみ易さを持っている。言うならばダンブルドアは先に行って後から来る人の道標となるタイプ、ガンダルフは人の隣に立って共に目的に向かって歩むタイプである。尚、イアン・マッケランにダンブルドア役のオファーもあったとされる。リチャード・ハリスの死後にも後任のオファーがあったものの、過去にリチャードから演技に対して否定的な意見をされた事から、自分には引き継げないと考え断ったと語っている。
校長(魔法つかいプリキュア!)・ウォールバーグ・バイガン:魔法学校の校長繋がり。カップやきそば現象というよりも、明らかに意識している部分があると思われる。