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プロフィール

生年月日2019年2月25日
英字表記Geoglyph
香港表記地標圖形
性別
毛色栗毛
ドレフォン
アロマティコ
母の父キングカメハメハ
生産ノーザンファーム(北海道安平町)
馬主サンデーレーシング
調教師木村哲也美浦
主戦騎手クリストフ・ルメール福永祐一岩田望来

ドレフォンアメリカ合衆国の競走馬で、2016年のブリーダーズカップ・スプリントなどダート短距離戦線でG1を3勝。

引退後、日本の社台グループが種牡馬として購入。ドレフォン自身は突出したダッシュ力を買われ、ダートの短距離戦線という日本では未整備なカテゴリで走っていたが、ドレフォンの父ジオポンティは芝の2000m前後で活躍、母父ゴーストザッパーも2004年のブリーダーズカップ・クラシック(ダート2000m)に勝利しており、2000m前後の距離と芝レースが中心の日本の環境にも十分対応した産駒が見込めるとの判断での導入だった。


キングカメハメハ産駒の母・アロマティコ(2009年生)も、重賞には届かなかったものの2012年秋華賞3着・2013年エリザベス女王杯3着など、27戦6勝の戦績で1億8000万円強を稼いだ。そして、アロマティコの母・ナスカも社台グループの歴史を凝縮した良血馬(父・サンデーサイレンス、母父・ノーザンテースト、そして、半兄にはサンバレンティン・インティライミがいた)であった。


その後、母親と同じくサンデーレーシング所有馬となり、一口80万、募集総口40口、募集総額3,200万円で募集され、母・アロマティコと祖母・ナスカの名前からの連想により、地上絵ナスカの地上絵)を意味する英単語・「ジオグリフ(geogryph)」の名前が与えられることになった。


ちなみにデビュー前の時点でノド鳴りを患っているものの、レース本番ではそれ程影響は出ていない模様。


戦績

2歳(2021年)

2021年6月26日、美浦・木村哲也厩舎からデビュー。新馬戦(東京芝1800m)をクリストフ・ルメールの騎乗で勝利。その後、木村調教師が調教停止処分を科せられたことを受け、同年10月末までは岩戸孝樹厩舎所属扱いとなる。


2戦目は9月4日の札幌2歳ステークス(GⅢ・芝1800m)を選択。前半は最後尾待機から、最終直線では楽々と抜け出し、2着に4馬身差の圧勝。ドレフォン産駒の初重賞制覇を挙げた。


2連勝の勢いのままに12月19日の朝日杯フューチュリティステークスに出走。単勝3.2倍の2番人気に推され、前走と同様に後方待機からの追い込みに懸けたが、大外を回る形となったことと1ハロン(200m)の距離短縮も響いたか追い込みきれず、ドウデュースの5着に留まった。


3歳(2022年)

3歳となった2022年の始動戦は共同通信杯を選択。

ジオグリフが2連勝した1800mのレースでもあり、単勝3.4倍の1番人気。このレースでは序盤から番手につけてレースを展開したが、ダノンベルーガの差し脚に屈し2着。

皐月賞

4月17日、第82回皐月賞

この年は出走18頭中6頭が単勝オッズ10倍を切る混戦の様相を呈していた。

札幌2歳Sの時点では世代のエース候補と評価されていたジオグリフは、2連敗によってやや評価を下げていた。1番人気は2歳王者ドウデュース(3.9倍)。これに続くのは共同通信杯でジオグリフを破ったダノンベルーガ(5.0倍)、東スポ杯2歳S快勝から5ヶ月振りで、同じ木村哲也厩舎のイクイノックス(5.7倍)、ホープフルS勝ち馬のキラーアビリティ(7.6倍)。ジオグリフは単勝9.1倍の5番人気だった。

また、これまで主戦を務めたルメールがイクイノックスに乗り替わりのため、福永祐一が鞍上を務めた。


レースでは、イクイノックスの背後をダノンベルーガと共にマークする5・6番手で展開。

最終直線では、4角でインを突いたダノンベルーガ、逃げ粘りを図るアスクビクターモア、好位先行からの抜け出しを図るイクイノックス、そして外へ持ち出したジオグリフと、4頭並んでの叩き合いとなった。この中から一旦はイクイノックスが抜け出したが、ジオグリフはそこからギアをもう一段階上げたかのような加速を見せて外から差し切り、この年のクラシック3冠の一冠目に輝いた。

ドレフォン産駒としてはGⅠ初制覇、かつ初年度産駒から早くもクラシック勝ち馬を輩出することとなった。そして、鞍上の福永が同年度の調教師免許に合格したため、これが最後の牡馬クラシック、ひいてはG1での勝利となった(G1級だとカフェファラオのマイルCS南部杯が最後)。


なお、メイン画像のように掛けられた皐月賞のレイを落としていった

ジオグリフは何を思っていたのか…?


日本ダービー

続く日本ダービーでは二冠を狙う立場ながら、これまでの走歴と血統面から2400mは長いのではないかと懸念され、ダノンベルーガ(3.5倍)、イクイノックス(3.8倍)、ドウデュース(4.2倍)に次ぐ4番人気(5.9倍)に留まる。


レースはデシエルトの逃げによって前半1000mが58秒9の緩みない流れ。ジオグリフはダノンベルーガ・オニャンコポンと中団グループを形成。勝負は府中の長い直線での末脚比べに持ち込まれたが、ジオグリフは伸びきれずドウデュースのレコード勝利の中で7着に敗れた。


レース後、右前脚第1指骨の骨折が判明し全治3ヶ月と診断された。幸い、手術を要さない程度のもので、夏場を治療休養に充てた。


ちなみに同レースは鞍上の福永にとっても、史上初の三連覇がかかっていたりもした。


2022年下半期

骨折が祟ったのか秋以降は苦しい戦いが続いた。

復帰戦は事前のアナウンス通りに天皇賞(秋)となり、鞍上は短期免許で来日予定だったクリストフ・スミヨン騎手となっていたが、騎乗停止により来日自体なくなってしまったため福永騎手が続投となった。

しかしパンサラッサの大逃げとイクイノックスの末脚がレースを魅せる中で9着と凡走。

12月にはウィリアム・ビュイック騎手を鞍上に香港カップへ出走して6着。中団後方に位置取りながらジリジリとあがる走りを見せたが、最終直線で伸びきれずに掲示板を逃す結果となっている。


下半期のクラシック組では秋天・有馬記念で覚醒して一気に年度代表馬へと駆け上がったイクイノックスを筆頭に、菊花賞でレコード勝ちしたアスクビクターモア、それにハナ差で食らいつき有馬でも2着となったボルドグフーシュ、と上半期に勝ち切れなかった馬の覚醒が目立った。一方でトップ争いに乗り切れない状態が続いているジオグリフは、古馬戦線での逆襲に臨む事になる。


4歳 (2023年)

2023年上半期

そんなジオグリフの古馬入り初戦はサウジカップ、なんとダート戦線へ踏み込む事となった。

同レースには秋戦線でジオグリフと同じレースを走り続けたパンサラッサが出走を表明しており、その少し後の発表となった。

父ドレフォンはアメリカのダート馬のため血統の視点で見れば適性は十分見込める。とはいえサウジはウッドチップ交じりのオールウェザー風ダートという、日本の砂ともアメリカの赤土とも異なる条件のため、初戦でいきなり世界最高賞金のGⅠというのはかなり大胆な挑戦だった。


本番では同レースに出走した日本馬6頭「Japanise Six」の一角として、久々にルメールを鞍上に出走。

好位に陣取り、例によって200m11秒台のハイペースなラップを刻んで先頭を逃げるパンサラッサを追走する。最終直線ではハイペースで消耗したのか差を縮めることができず、追って来たカントリーグラマーカフェファラオにも差し切られたものの、懸命に食い下がってカフェファラオからアタマ差で4着に粘り込んだ。

しかし前半1000mラップが57秒台という芝の如きハイペースのパンサラッサに最終直線までピッタリついていき、アメリカ現役最強馬の一角であるテイバが最内を取れなかったとはいえ撃沈したのに対して、ジオグリフは逆噴射せずにこの結果である。

勝ち鞍にこそならなかったが初ダートかつ初の海外遠征としては大健闘と言って良く、4着とはいえ賞金150万ドルで皐月賞の優勝賞金より高い。己の新たな適性の開拓や獲得賞金の観点では十分な実績を出した。(むしろイクイノックスドウデュースに勝った皐月賞の結果がイレギュラーだったという疑惑が強まった)

また5着にもクラウンプライドが入ったため、勝ったパンサラッサを筆頭に日本馬4頭が掲示板入りするという快挙を達成した。


通常の馬なら撃沈しかねないパンサラッサのペースにピッタリついた上で粘りに粘ったサウジカップでの4着から、ダート2000mでも適性は十分と見込まれたため、次走をドバイワールドカップに定めて、日本に帰国せずそのままドバイへ転戦。レースではルメールとのコンビを継続となった。


勝てばサウジカップに次ぐ高額賞金およそ700万ドルを獲得できること、レース当日はクラシックで覇を争ったイクイノックスがドバイシーマクラシック、ドウデュースがドバイターフにそれぞれ参戦することとなっていた。前年春戦線を沸かせた三頭による海の向こうでの挑戦に多くの競馬ファンがロマンを感じ胸を踊らせた。

しかし、こうした期待も空しく、ジオグリフは11着と大惨敗を喫した(イクイノックスはドバイシーマクラシックをレコード勝利したが、ドウデュースは現地の医師にドクターストップがかかり出走そのものを取り消した)。


サウジカップでの結果を受けて陣営はダート転向を視野を入れ、帝王賞宝塚記念との両睨みが長く続き、6月までは次走が未定となっていた。

最終的には出走メンバーを考慮して宝塚記念への出走が決まり、イクイノックス、アスクビクターモア、ジャスティンパレスなどクラシック時代のライバルとの再戦が実現。

イクイノックスの先約があったルメール、そして騎手を引退した福永に替わる新たな鞍上として岩田望来が抜擢された。しかしながら、皐月賞以降は未勝利が続いていたこともあり、人気の面では上記3頭よりも遥か下回る11番人気に甘んじた。

本番は出遅れることなく中団からレースを進めたものの、外目に位置を付けてしまったことが災いして第4コーナー辺りで失速、そのまま最終直線でイクイノックスやジャスティンパレスに差し切られて9着と惨敗した。


2023年下半期

その後、陣営はマイルチャンピオンシップ南部杯を次走に定め、本格的なダート転向に舵を切ることとなった。レース本番は岩田騎手とのコンビ継続で迎えたものの、結果はレモンポップが異例の大差勝ちを納める中の9着だった。

敗戦を受け、岩田騎手は「やはりダートよりも芝を走らせたほうがいいかもしれない」とコメントした。


次走はチャンピオンズカップ

前走でダート適性に疑問符が出ていたはずだが続けてダート戦線へと挑むこととなった。

岩田騎手がハギノアレグリアスの先約があった関係もあり、昨年の香港カップ以来となるビュイック騎手とのコンビ再結成で、テーオーケインズセラフィックコール、レモンポップ等のダート有力馬を相手取るも、途中まで好位につけたにもかかわらず直線でほとんど伸びず、結果は15頭中15着のシンガリ負け……。

ビュイック騎手からもダート適正について疑われるコメントを投げられる有様であった。


皐月賞の後は大きな活躍の場を見せられず、前年から惜敗と惨敗が続いていたが、サウジカップの好走と血統から試したダート戦線もイマイチ嚙み合わない一年となった。


5歳 (2024年)

さすがにダート路線の惨敗ぶりを危惧してか、本年より芝路線に戻り中山記念から再始動。

ルメール騎手が遠征中で、岩田騎手も先約があったことから、戸崎圭太を新たなパートナーに迎えることとなる。

宝塚以来の芝であったが、前日の雨の影響で馬場が荒れていたことも好要素となったためか、ひとつ下の皐月賞馬ソールオリエンスに先着し3着と好走(1着は同期のマテンロウスカイ、2着のドーブネも合わせて22世代で馬券内を独占した)。地力の高い22世代として復活の芽が出てきた。


次走は大阪杯に出走。実質4歳馬VS5歳馬の様相となった本レースでは先行策で進め5着。


同じ厩舎の同級生のイクイノックスが現役を退いた今、果たして皐月賞馬としての意地を見せられる復活の日は来るのだろうか……。


余談

世界最強を抑えた豪脚

骨折や適性探しの迷走から苦戦に頭を悩ませるジオグリフだが、そんな彼の戦績で特筆すべき箇所が一つある。

それはイクイノックスに対し差し切り勝ちを納めたのは本馬が唯一である事。イクイノックスは現役においてたった2度しか敗戦を喫しておらず、もう一つの黒星を与えたドウデュースはいち早く豪脚で抜け出してからの粘り勝ち(しかもこちらは『クビ差』と、ジオグリフが付けた『1バ身差』より僅差での勝利)である。皐月賞ではあちらが本格化しなかったことや大外不利等の条件があったとはいえ、ジオグリフが早熟であったことは種牡馬となった際の注目点となるかもしれない。福永騎手本人も、後にこれを振り返って「よくイクイノックスに勝てたな」と語っている。

ちなみに宝塚記念2023ではスルーセブンシーズもイクイノックスを差し切らんばかりに迫ったが直線での不利もありギリギリのクビ差2着。実に惜しい。


真意や如何に

皐月賞を制した際、実況は「まずは一冠、ジオグリフ」という言葉を口にしていた。

このフレーズはこれまでもシンボリルドルフディープインパクトのようなライバルに圧倒的な実力差を見せつけて皐月を制した優駿に対して送られる一方で、アグネスタキオンのように三冠間違いなしと言われながら怪我で引退に追い込まれた者(?)に送られた言葉だっただけに、どのような真意を込めて呟かれたのか密かにネットで話題を呼んでいた。


まぁ、後のイクイノックスの活躍を思えば「彼に圧倒的実力差を見せつけて勝つ=三冠間違いなし」と思われても不思議ではないだろうが、実況はタイムリーパーではないので…


令和唯一の黒星持ちの皐月賞馬

2019年4月、サートゥルナーリアディープインパクト以来14年ぶりとなる無敗での皐月賞制覇を成し遂げて以降、翌年も翌々年もコントレイルエフフォーリアと無敗馬が皐月賞馬に輝いていたが。

ジオグリフが、当時の無敗馬だったイクイノックスを差し切ったことで無敗馬の流れは3年で止まることになった…かと思いきや、その翌年には再び無敗馬だったソールオリエンスが優勝し、その次の年も2歳王者に土を付けた無敗馬のジャスティンミラノが制したため、令和入ってからの皐月賞馬のうち、優勝当時のキャリアが無敗じゃなかった競走馬はジオグリフのみとなっている(厳密には、サートゥルナーリアの制した皐月賞は改元直前の平成31年開催のものだったが)。


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