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概要

首都メキシコシティ
面積196万4375平方キロメートル
人口1憶2601万4024人(2020年3月)
建国1821年9月27日(スペインより独立)
通貨ペソ
公用語スペイン語
国家元首(職)大統領
政体大統領制 連邦共和国

メキシコ合衆国(メキシコがっしゅうこく、スペイン語:Estados Unidos Mexicanos、読み:エスタドス・ウニドス・メヒカーノス、英語:United Mexican States、通称:メキシコ)は、北アメリカ南部に位置する連邦共和国。現在のアメリカ合衆国の本土にある南西部の地域は元々この国の一部だったが、1848年2月に米墨戦争に敗北して領土を失った。アメリカ南西部にスペイン語の地名が多く見られるのは、かつてメキシコの一部であった名残である。1521年8月にスペインの統治に服する以前は、アステカ帝国やマヤ文明と言った先住民の国が栄えていた場所である。


自然

北部は乾燥帯で砂漠が見られる。南部や平野部では熱帯雨林が卓越する。全体的に山がちな国であり、内陸部にメキシコ高原が広がる。首都のメキシコシティや第2位の都市であるグアダラハラを始め、主要な都市の多くはこの高原上に位置している。トウモロコシ綿の原産地と言われる。


社会

人種

伝統的なカトリックの国で、1憶2601万4024人(2020年3月)の総人口はスペイン語を公用語とする国の中で最多となる。構成する民族はメスティーソが全体の約6割、原住民のインディオが約25パーセント、白人が約14パーセントとなっているという。


経済

メキシコ人の給与が安い事からアメリカを市場とする外資系の製造業が多く立地しており、日本企業が多く進出している。主要産業は自動車とその部品、情報機器とその部品などである。石油は輸出国であるが、石油精製品は輸入に依存し、その他に電子機器や産業用機械などを輸入して産業構造を支えている。


1982年8月と1994年12月の2度の通貨危機を受けて国有企業の外資系への売却と海外資本の導入が進められ、1994年1月に北米自由貿易協定(NAFTA)が発効された。多数の億万長者が産まれる一方で、大半の国民は物価高騰で生活苦に喘ぐという結果をもたらした。


文化

ポインセチアの花言葉

スポーツはラテンアメリカらしくサッカーの強豪であり、また野球もさかんで多くのMLB選手を輩出している。独自の伝統スポーツとしてはルチャ・リブレという格闘技が盛んである。メキシコ料理では竜舌蘭から作られた蒸留酒のテキーラ・軽食のタコス・香辛料のタバスコなどが有名である。の品種として知られるチワワは元々はメキシコ北部の都市の名称である。


伝統的な民族衣装ではソンブレロ(つばの大きな帽子)が最も有名である。男性用で最も有名なのは、このソンブレロと合わせて用いるチャロ。元は軍人が用いた流麗な乗馬服で、現在はマリアッチというメキシコ音楽の衣装として知られる。主に女性用の衣装として最も知名度が高いのは貫頭衣のウィピル。メキシコ各地に伝わり、普段着から華やかな刺繍が施された晴れ着までバリエーションも豊富。


政治

三権分立を標榜するが、大統領の権限が強い。大統領は全閣僚の任免権や法案の拒否権に加えて州知事の罷免権も有している。ただし、ディアス独裁の教訓から大統領の任期は6年で再任は一切認められない。国会は上院と下院の二院制、司法権は最高裁判所を頂点とする連邦裁判所が有している。


国際関係

国境を接するアメリカの勢力圏下に置かれつつも、中南米諸国との関係も重視した多元外交を実施している。政権によって米国との距離感はかなり変わるが、米国の影響力を認めつつもキューバとの友好も維持し中南米のリーダー的な立ち位置を志向する傾向にある。


治安

NAFTAが発効された後は多くの農民が失業し、貧しいメキシコ人のアメリカ合衆国への流入(密入国)は深刻な問題となっている。格差社会による貧困層の絶望は治安の悪化・社会の荒廃をもたらしており、2006年12月から麻薬カルテルの抗争で治安が極度に悪化した。地域によっては行政組織が崩壊しており、毎年数万人の死者・行方不明者を出している。しかし、リアル北斗の拳状態というほど酷いのはメキシコでも一部の地域である。


アメリカへの密入国・麻薬などの密輸の問題が多発しており、アメリカの国境警備隊の大半がメキシコとの国境での警備に配属されている。


歴史

古代メキシコはベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸に渡来したモンゴロイド定住地の一つである。紀元前1200年前後からこの地にはオルメカ文明が栄え、紀元前後から7世紀ごろまでメキシコ盆地を中心にテオティワカンが繁栄した。テオティワカン遺跡は巨大な都市で「太陽のピラミッド」と呼ばれる大陸最大級の建造物等を残している。10世紀頃にはユカタン半島マヤ文明の拠点も現れた。周辺国との抗争を経てアステカ帝国が成立したのは1428年であり、それから1世紀ほどでスペインの侵入を迎えることになる。


スペインのコンキスタドール(征服者)であるエルナン・コルテスは、1521年8月にアステカ帝国の首都テノチティトランを陥落させて最後の王を捕虜にし、帝国を滅ぼした。帝都の跡地には現在の首都であるメキシコシティが建設された。以後、メキシコはスペイン領となり、先住民を支配して大規模農園を経営する。また北部の砂金やサカテカス銀山などの金銀鉱山を発見してここでも先住民を酷使し、足りなければアメリカから黒人奴隷を密輸した。スペイン本国人、メキシコ生まれのスペイン人クリオーリョ、先住民との混血メスティーソ、さらに先住民インディオや黒人奴隷といった人種差別と支配の仕組みが生まれた。そして次第に被支配層に不満が蓄積していく。


転機となったのはナポレオン戦争である。スペイン本国がナポレオンに占領されると、メキシコではフランスに支配された本国からの独立運動が起こる。先住民保護運動を行っていた神父イダルゴがドロレスという村で"Grito de Dolores(ドロレスの叫び)"というメキシコ独立を求める演説を行い、独立運動が決起する。メキシコはこの決起の日を独立記念日としている。イダルゴや巧みにゲリラ戦を行ったメスティーソの司祭ホセ・マリア・モレロスらの指導者は敗れて殺されるが、植民地軍のイトゥルビデ将軍の寝返りにより1821年についに独立する。


独立後もメキシコには苦難が続いた。イトゥルビデは「メキシコ皇帝」と称して資産を増やすことに耽り、ついに部下に殺される。以後は共和制となるが大統領の多くは利権漁りに熱心で、土地や権力は本国人やクリオーリョに集中していた。こうして先述の通りアメリカに北部領土を奪われ、ついにはフランス皇帝ナポレオン3世に征服されて傀儡の皇帝が立てられる。インディオ出身のベニト・ファレスはアメリカの支援を得て1867年にフランス軍と傀儡皇帝を倒し、土地解放や債務奴隷廃止などの改革を行う。だがその死後軍人のポルフィリオ・ディアスがクーデターを起こし、30年以上に渡って独裁政治を続けた。


ディアスは近代化を進め、鉄道網の普及と鉱工業振興によりメキシコに国際競争力をもたらした。一方でその為に富裕地主に妥協し、先住民系を中心とした貧農からの不法な農地収奪を横行させた。こうして格差が拡大したディアス政権の末期、各地に生まれた群雄がメキシコ革命を起こす。中道主義的なインテリのベヌスティアーノ・カランサ、自警団から転身し策謀に長けたアルバロ・オブレゴン、山賊から革命運動に転じた豪放磊落なパンチョ・ビリャ、そして貧農の苦難を代弁する革命家のエミリアーノ・サパタらである。群雄は共闘してディアスを追うも互いに抗争の果てに倒れ、腐敗と独裁は後年まで繰り返されることになった。同時に革命の過程で生まれた先住民解放、農地改革、労働者の権利などの要求が1917年憲法の成立とその長い時間のかかった具体化によって少しづつ実現していった。1930年代のラサロ・カルデナス大統領の時代には軍事力による政権奪取に代わって憲法による政治が成立する。ただし、その与党であるPNR(国民革命党)、後のPRI(制度的革命党)が実質的な一党独裁政権を形成するようになる。


第二次世界大戦では連合国に加担し、戦略物資を供給して多くの外貨を得る。その財力を元にPRIの70年に及ぶ長期政権が工業化を進める。しかし、長期政権の汚職腐敗、市場原理を無視した管理経済などが原因とされるが、オイルショックを機に破綻し、巨大な債務が残った。冷戦後にはPRIと政府の分離が進んで一党独裁も終わり、2000年大統領選挙以降は選挙による政権交代が行われるようになった。


制度的革命党を含め、メキシコの政治勢力はメキシコ革命の諸勢力に端を発するものが多い。メキシコの独立と革命は過去の歴史ではなく、今もより良い国づくりを目指した模索が続いていると言えよう。2006年カルデロン政権に移ると、麻薬カルテルを一掃する「麻薬戦争」が勃発。23年現在も続く、国とカルテルの戦いに終止符は打たれることを祈るばかりだ。


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