一時休止期間を挟み、1970年から1992年まで放送され人気を博し、杉良太郎氏⇒里見浩太朗氏⇒松方弘樹氏と、後に時代劇の大看板となる俳優が各シリーズの歴代主人公を張り、二番手隠密同心こと井坂十蔵役で大変有名な瑳川哲朗氏が当シリーズ全編に出演した（彼の出演回数はメインキャラクターでは歴代最多）。

時代劇のタイトル曲としては斬新なOPと過酷な内容の｢隠密同心心得之條｣が有名で、ネット界隈などで何かとネタにされる。

これは、生と死のデッドラインを突っ走るアンタッチャブル

大江戸捜査網(十文字小弥太編)

遊び人・柵二郎こと十文字小弥太(杉良太郎)を主人公とした第1シリーズ。

時の老中・松平定信の命により、無役の旗本寄合席・内藤勘解由（中村竹弥）が隠密支配として隠密同心を結成。

初期の初期のシーズンに関しては権利関係の問題なのか、書籍や再放送では省られている場合がある（制作元が、映画でも時代劇が弱く『ハレンチ学園』等でTVドラマが少なかった日活であるため。途中より、三船プロへ移行）。

大江戸捜査網(伝法寺隼人編)

松平定信によって功績を認められ栄転した小弥太に代わり、新内流しの音次郎こと伝法寺隼人(里見浩太朗)が主人公に。

お蝶姐さんこと隠密同心・くれないお蝶(安田道代)、およびゲストキャラの男性ヒラ隠密同心という二名の殉職者が出た。

大江戸捜査網(左文字右京編)

板前・清次郎こと左文字右京(松方弘樹)を新たに主役としたシリーズ。

勘解由から変わって、途中から大番頭・藤堂対馬(大山勝巳)が隠密同心の指揮を執るようになるが、対馬もいつのまにか(死んでも引退してもおらず)登場しなくなり、最終シーズンでは顔見せが全くない「幻の御前」なる人物が隠密支配となった（だが、隠密同心達を囮にした引責のため切腹）。

（このシリーズから制作元が途中でヴァンフィルに移行)

新大江戸捜査網

普段は町人として暮らす飛脚・新十郎(並木史朗)、遊び人・銀次(三浦浩一)、芸者・お紺(佳那晃子)、医者・長庵(橋幸夫)の四人が隠密同心として活躍する、設定を一新した新シリーズ。

隠密支配・日向主水正(瑳川哲朗)と旧シリーズを通して出演した井坂十蔵とは同一人物なのかは不明。

大江戸捜査網(葉月裕之介編)

平成版第1作。葉月裕之介(橋爪淳)を主役とし再び設定を一新、今回の隠密同心は老中・松平定信(田村高廣)より直接の指令を受ける。

毎回決戦時にはシリーズとして唯一、鉢巻を巻いている。

（このシリーズから制作元をG・カンパニーが担当)

大江戸捜査網(天竜寺隼人編)

平成版第2作。隠密同心・秋草新十郎(京本政樹)(メイン画のキャラクター)およびその関係者のカマホモ(龍虎)(いわゆる田中様のようなもの…だったが今作では女も追いかけるレズのオカマに)が続投しており、

基本的には葉月裕之介編の設定を継ぐが、松平定信がいきなり別人(若村豪)になっていたり、

逆に役者は共通している天竜寺隼人(橋爪淳)と前作の葉月裕之介、流れ星お蝶(中村あずさ)と前作の花の小路お光(中村あずさ)に関しては同一人物なのかは不明。

今作では定信の下に隠密支配・小笠原甚内(和崎俊哉)が登場し隠密同心と共闘するが、初回で正体を隠していたためなのか(その後も最終回まで)オープニング映像では省られている。

その他、中盤から魚屋隠密ポジションとなる女性隠密同心が久しぶりに登場した。

大江戸捜査網2015

新春スペシャル番組として放映された前後作の長編。

十文字小弥太(高橋克典)から秋草新十郎(松岡昌宏)まで、これまでの各シリーズに登場したキャラクターをピックアップし同名のキャラクターを登場させているが、

ストーリー及び設定、特にキャラクター性はチャラ男→堅物(秋草)、年長者→若造(長庵)、など完全に別物となっているほか、クライマックスでの隠密同心は平成版第2作とは正反対な立場となっている。

老中・松平定信(加藤雅也)が腹心として「新隠密同心」も登場するが………また過去作の出演者も別の役で出演していた。

（この作品では制作元をユニオン映画が担当)

ナレーション

マイナーもの

「風が舞う　殺気が走る　煌めく刃が闇を裂く　大江戸　八百屋町が眠る頃　隠密同心　推参　仕る」ナレーター＝日下武史

冒頭

「隠密同心。それは旗本寄合席・内藤勘解由に命を預け、人生な裏道を人知れず歩かなければならぬ宿命を自らに求めたものたちである。極悪非道な外道に虐げられ、過酷な法の冷たさに泣く大江戸八百八町の人々をある時は助け、励まし、またあるときは影のように支える彼ら。だが、身をやつし、姿を変えて悪に敢然と挑む彼らに明日という日はない。」ナレーター＝黒沢良

決戦前

「隠密同心心得之條　我が命我がものと思わず　武門之儀あくまで陰にて　己の器量伏し　御下命如何にても果す可し　尚死して屍ひろう者なし　死して屍ひろう者なし　死して屍ひろう者なし。」

ナレーター＝黒沢良

隠密同心の組織・メンバー

創設者・主人

本名	通り名	表向きの職業	演者	備考
松平定信	同左	老中	堀雄二	昭和版
〟	〟	〟	黒川弥太郎	〟
〟	〟	〟	永井秀明	〟
〟	〟	〟	田村高廣	1990年版
〟	〟	〟	若林豪	1991年版
〟	〟	〟	三船敏郎	映画版
〟	〟	〟	加藤雅也	2015年版

隠密支配

本名	通り名	表向きの職業	演者	備考
内藤勘解由	御前	旗本寄合席	中村竹弥	初代、昭和版
〟	〟	〟	里見浩太朗	6代目、2015年版
藤堂対馬	おカシラ	大番頭	大山勝巳	2代目、昭和版
幻の御前	御前	不明	黒沢良	声のみ、3代目、昭和版
日向主水正	御支配	不明	瑳川哲朗	4代目、昭和版
小笠原甚内	御前	旗本寄合席	和崎俊哉	5代目、1991年版

主人公・筆頭格

本名	通り名	表向きの職業	演者	備考
十文字小弥太	珊次郎	遊び人	杉良太郎	初代、昭和版
〟	〟	〟	高橋克典	7代目、2015年版
伝法寺隼人	音次郎、音さん	新内流し	里見浩太朗	2代目、昭和版
左文字右京	清次郎、清さん	板前	松方弘樹	3代目、昭和版
新十郎	同左	飛脚	並木史朗	4代目、昭和版
葉月裕之介	同左	寺子屋の先生	橋爪淳	5代目、1990年版
天竜寺隼人	直次郎	板前	〟	6代目、1991年版

二番手

本名	通り名	表向きの職業	演者	備考
井坂十蔵	ダンナ	浪人→寺子屋の先生	瑳川哲朗	初代、昭和版
〟	〟	〟	村上弘明	4代目、2015年版
銀次	同左	フリーター	三浦浩一	2代目、昭和版
秋草新十郎	同左	町方同心→浪人	京本政樹	3代目、1990・1991年版

三番手

本名	通り名	表向きの職業	演者	備考
小波	同左	芸者	梶芽衣子	初代、昭和版
くれないお蝶	胡蝶	〟	安田道代	2代目、昭和版
いさり火お紺	お紺	〟	山口いづみ	3代目、昭和版
稲妻お竜	玉竜	〟	土田早苗	4代目、昭和版
〟	〟	〟	藤原紀香	10代目、2015年版
吹雪	春香	芸者	岡江久美子	5代目、昭和版
風車のお菊	菊丸	〟	夏樹陽子	6代目、昭和版
お紺	同左	芸者	佳那晃子	7代目、昭和版
松原蔵人	同左	剣道場の主人	隆大介	8代目、1990年版
流れ星お蝶	お蝶	芸者	中村あずさ	9代目、1991年版

四番手

本名	通り名	表向きの職業	演者	備考
不知火お吉	お吉	魚屋	江崎英子	初代、昭和版
〟	〟	〟	夏菜	9代目、2015年版
風	お新	〟	志穂美悦子	2代目、昭和版
はやぶさお銀	お銀	〟	安西マリア	3代目、昭和版
流れ星おりん	おりん	〟	かたせ梨乃	4代目、昭和版
疾風のおせん	おせん	〟	山田由紀子	5代目、昭和版
つばくろの茜	茜	髪結い、遊び人	清原美華	6代目、昭和版
榊原長庵	同左	医者	橋幸夫	7代目、昭和版
花の小路お光	お光	尼	中村あずさ	8代目、1990年版

五番手

本名	通り名	表向きの職業	演者	備考
九條新太郎	新の字、新さん	医者	南条弘二	初代、昭和版
榊原長庵	同左	〟	柄本時生	2代目、2015年版

六番手

本名	通り名	表向きの職業	演者	備考
秋草新十郎	同左	町方同心	松岡昌宏	2015年版

サブ同心・支配

本名	通り名	表向きの職業	演者	備考
山猫お七	お七	掏り師	岡田可愛	昭和版
夕霧	同左	芸者、武家女中	古城都	〟
山口太兵衛	同左	浪人	左右田一平	〟
火車おもん	おもん	町人	高瀬春奈	〟
矢車お菊	菊弥	芸者	中島ゆたか	〟
御子神安房守	同左	若年寄	葉山良二	〟
矢車お仙	お仙	魚屋	荒井乃梨子	1991年版