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前後のストーリー

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叶えたい願い今回旅の始まり(仮面ライダー555)

概要

仮面ライダー龍騎』第50話(最終話)のサブタイトル。2003年1月19日放送。

城戸真司が死亡し、王蛇ゾルダも死んだことで最後のライダーとなった秋山蓮/仮面ライダーナイトと今作のラスボスである仮面ライダーオーディンの決着。

そして新しく作られた「ライダーもモンスターもいない世界」を描く。


ストーリー

大量に出現したレイドラグーン相手に、城戸と蓮は龍騎とナイトに変身し立ち向かうが、逃げ遅れた親子をかばった龍騎は重傷を負い、城戸は蓮に後を託し死亡した。


北岡法律事務所では吾郎が北岡に令子とのデートに着ていく服を選ばせていた。しかし余命いくばくもない北岡は浅倉と決着をつけようとする。椅子から立ち上がっても体の力が抜ける。目も見えなくなっているのか晴天なのに天気が悪いという。


蓮のもとに神崎士郎が現れて、最後のライダーとしてオーディンと決着をつけさせるという。城戸の最期の言葉が脳裏に浮かんだ蓮は、城戸が最後に信じるものを見つけたように自分も信じるものがあると最後の戦いに向かう。


浅倉は廃倉庫の中に潜伏していた。機動隊が周囲を包囲する。近くのガラス片にゾルダが映っているのを見た浅倉は王蛇に変身し、ミラーワールドでゾルダと戦い始めた。


旧神崎家を訪れた蓮の前に神崎が現れる。オーディンは量産型かという蓮に対し実体のない自分の代わりと神崎は説明する。ナイトに変身した蓮はミラーワールドで不敵に佇むオーディンと対峙。

サバイブのカードでナイトサバイブに変身する。

別の場所では王蛇とゾルダの戦いが続いていた。ベノサーベルがゾルダを切り付け、マグナギガの砲撃が王蛇に炸裂。


ダークレイダーのダークトルネードをオーディンは瞬間移動で難なくかわした。ゴルトセイバーがナイトサバイブに容赦なく炸裂する。


神崎家の一室では、神崎の頭上に黒い羽根が舞い降りていた。もうすぐ優衣に新しい命を与えられると。


花鶏では優衣の誕生パーティーの準備が進められていた。しかしどこにもいない優衣。沙奈子はかつて士郎がアメリカの親戚に連れられて行くときに大騒ぎになったことを思い出していた。


過去の士郎は「20回目の誕生日に優衣は消えちゃう」と言っていた。なぜかそのことを信じられたという沙奈子はバースデーケーキとプレゼントの箱を見つめる。


倉庫でのゾルダと王蛇の戦い。ファイナルベントユナイトベントが交互に使われ、ゾルダにはマグナギガ、王蛇にはベノスネーカーメタルゲラスエビルダイバーが現れジェノサイダーへと合体した。

ゾルダはエンドオブワールドを発動しようとするが、ジェノサイダーの毒液を浴びてしまう。ゾルダの手からマグナバイザーが落ちる。勝利を確信した王蛇はファイナルベントを発動しドゥームズデイを発動。ゾルダはマグナバイザーを拾い上げるが王蛇のキックが炸裂しマグナギガがジェノサイダー胴体のブラックホールの中に吸収された。

ゾルダは倒れ、動かなくなる。王蛇はゆっくりとゾルダに近づく。


レストラン。北岡と待ち合わせをしていた令子は窓の外に振る白い雪を見ていた。


ゾルダに接近した王蛇。しかしそのゾルダは北岡ではなく吾郎だった。狂ったように雄叫びを上げる王蛇。吾郎は最後まで北岡をいたわりながら絶命した。

北岡法律事務所ではソファの上で北岡が永遠の眠りについていた。

レストランでは令子が北岡を待ち続けている。


浅倉は倉庫の外に現れた。機動隊の銃があちこちに向けられる。地面に落ちていた鉄パイプを拾い上げ、浅倉は狂ったように突撃していく。機動隊の銃が浅倉を蜂の巣にしていく。倒れる浅倉の手から鉄パイプが落っこち、空しい音を立てる。


ナイトとオーディンの戦いは依然としてオーディンが優勢。オーディンはファイナルベントを発動し、エターナルカオスが発動。


神崎家。士郎が、優衣の言葉を思い出す。


「私はいらない……!」


「お前は……きっと拒む……拒み続ける……また駄目なのか優衣っ……!!また……!!」


黒い羽が降りしきる。

士郎が絶叫する。それと同時に神崎家のガラスが一斉に砕け散った。

ダメージによってサバイブ化が解けたナイトがオーディンの異変に気付く。オーディンは苦しみ始め、体が消滅し始めた。


「最後の、ライダーは………お前だ……」


そしてオーディンは完全に消滅した。

ナイトは膝をつき大きく息を吐く。するとそこにまばゆい光を放つ光の玉が出現した。

新しい命。ナイトの脳裏に優衣と城戸の姿が浮かぶ。それに手を伸ばすナイト。


OREジャーナルの編集室では、大久保大介がパソコンに記事を書き続けていた。


『以上が、原因不明の失踪事件の真相であり、仮面ライダーと名乗る人間たちの、戦いの真実である』


街中。ビルのガラスが一斉に砕け散り、歩いている人々に振ってくる。

そして街そのものがガラスが割れるようにひび割れ、次々と砕け散っていく。


『この戦いに正義は……ない』


傷ついた体に鞭打ち、小川恵里の眠る病室を訪れた蓮。

蓮は胸に下げていた恵里の指輪の付いたペンダントを引きちぎった。


『そこにあるのは……純粋な願いだけである……』


眠り続けていた恵里が目を覚ます。

自分の指に、蓮が預かっていた指輪がはめられているのに気づく。


病室の片隅に、目を閉じた蓮がもたれかかっている。


恵里「蓮……そんなとこで寝てると……風邪ひいちゃうよ……?」


蓮はもう目覚めなかった。


『その是非を問える者は……』


神崎家では士郎が苦悩の表情を浮かべていた。鏡の欠片の中に優衣の姿を見る。


士郎「優衣……」

優衣「お兄ちゃん……また繰り返すの……?」

士郎「お前に……命を与えるために……」

優衣「もう……終わりにしよ……?」

士郎「お前を……失いたくない……」


優衣が悲しげに、首を横に振る。いつしか士郎はの姿は優衣と別れた頃の幼い姿に戻っている。


士郎「俺を1人にしないで……」

優衣「私はここにいる……お兄ちゃんのそばにいる……新しい命なんかなくても……絵を描いてた時みたいに……ただ願えば……」


鏡の中から優衣が消える。

士郎の隣に、同じく幼い姿となった優衣が現れる。


優衣「お兄ちゃん……」

士郎「優衣……」



鏡の中に、大人の士郎の姿。そして鏡の中に、神崎、城戸、浅倉、蓮、北岡、蓮、優衣の姿が次々に浮かぶ。

無邪気に絵を描いている幼き日の士郎と優衣。そこへ大人になった二人が現れ、一緒に絵を描き始める。

描いているのは、ミラーモンスターではなくみんなが楽しく暮らしている様子の絵。

楽しげに笑い合いつつ、4人が絵を描き続ける。

無人と化した部屋に、ただ1枚、士郎と優衣の2人を描いた絵だけが飾られている……


そして


OREジャーナルでは皆があわただしく仕事をしていた。大久保はクレームに対応し、奈々子はパソコンでホームページの社員募集の項目を作っている。


そこに遅刻してきた城戸真司が現れた。遅刻の罰として金色のカニの取材に行ってくるよう命令される。

ガス欠を起こしたスクーターを押しながら道を進む城戸。横断歩道で止まっている車の中に吾郎、隣には自分の写真が掲載された新聞記事に見惚れている北岡がいた。

裁判所で北岡は報道陣に取り囲まれた。令子が必死に北岡にコメントを求める。


街を歩き続ける城戸だったが、わき道から自転車が飛び出してスクーターを倒してしまった。

謝罪するのは気の弱そうな学生、かつての仮面ライダータイガ/東條悟

城戸に謝罪する東條。そんな城戸に道端の占い師が声をかけてきた。今日の運勢は最悪。

かつての仮面ライダーライア/手塚海之

スクーターを止め、彼に手相を見てもらうことになったが、歩いてきたかつての仮面ライダー王蛇/浅倉威にスクーターを蹴り飛ばされた。

慌てて城戸がスクーターを起こすもヘッドライトが見事に折れていた。


「俺の占いは当たる」


スクーターを押しながら真司が歩き続け、花鶏の前を通りかかる。


「何なんだよ、今日は一体……? ここ、サテンだよな……?」


妙な懐かしさを覚えた城戸は店の前に停まっているバイクの横に、並べてスクーターを止める。

そして玄関をくぐろうとする──が、おずおずと後ずさりする。


「な、何だよ!?」


ちょうど店から出て来たのは──秋山蓮。


城戸が横へよけようとするが、蓮もそちらへのけようとし、通せんぼになってしまう。

慌てて反対側へ避ける真司。しかし蓮もそちらへ避け、立ち往生を繰り返す。


「どけ」

「どけって……あんたこそ!」


依然、立ち往生を繰り返す2人。

蓮が城戸の胸倉をつかみ、強引によけさせる。

憮然として睨み合いつつ、城戸は玄関のドアへ手をかけ、蓮はバイクに跨る。

ふと、「あいつ、どこかで……」といった面持ちで互いを振り返り、目が合う。



花鶏の店内。

沙奈子が静かに紅茶を入れていると、城戸が飛び込んでくる。


真司「コーヒーください! コーヒー」

沙奈子「コーヒーはない。紅茶だけ」

真司「へ? あ、あの……じゃあ、それを下さい……」


カウンターに座る城戸。

自分の紅茶を啜りつつ、沙奈子が無言で城戸を見詰めめている。バツが悪そうに、城戸が愛想笑いで間を取り繕う。


「ハハ……いやぁ~いい店っすね……お姉さん……紅茶を……ハハ、お紅茶を……」



沙奈子の脇に、写真立てがあった。その中の写真には幼い優衣と士郎の2人が、仲良く微笑んでいた──。



関連タグ

仮面ライダー龍騎 最終回


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