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異世界料理道

いせかいりょうりどう

『異世界料理道』とは小説投稿サイト『小説家になろう』にて連載中のファンタジー小説である。 作者は『EDA』氏。
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概要

概説

EDA」氏によるライトノベル。

イラスト及び漫画は「こちも」氏が担当。小説家になろうにて連載中の長編Web小説であり、書籍はホビージャパンより刊行され、既刊30巻(2023年7月1日現在)の長寿シリーズとなっている。

また「コミックファイア」にてコミカライズがなされ、現在7巻まで刊行されている。


小説家になろう」では定番の異世界転移ジャンルの作品だが、主人公が異世界に持ち込めたのは一本の包丁と着用していた調理着一式、そして自前の調理技術のみ(言語は転移先の国の会話のみ可能な仕様)。強大な戦闘力や便利なスキルなどによる「無双チート俺TUEEE」展開はなく、実家の食堂で腕を磨いた程度の一介の高校生が「己の腕と料理知識と熱意のみ」で立場を築き活躍する筋立てとなっている。


また、料理を物語の主要モチーフに据えつつも、物語の大筋としては主人公アスタと彼が身を寄せた少数部族『森辺の民』そのもの、ひいては転移先の領地ジェノスがどのような変遷を辿っていくかを丁寧に追う形式となっているため、料理とは直接関係のない展開や描写も多く、群像劇大河ドラマ的な側面が強い作品でもある。


キャラクターが多く登場し、主人公に好意を寄せるヒロイン達も登場するが、主人公がメインヒロイン一筋なのでハーレム展開は微塵もない

異世界転生及び召喚に当たり世界征服や世界平和などの展開も一切なく主人公が野心ゼロ辺境都市での生活がメイン

地球の文化及び先進技術に頼った展開はほぼなく、主人公が部分的に再現する料理くらいしか地球要素がない点が異色の作品となっている。


なお、なろうの料理物としては珍しく、地球のものと明確に異なるオリジナル食材しか登場しない。似た性質を持つ食材はあるため、それらの特性を探りつつ、地球の料理を疑似的に再現してゆくことになる。

最初は調味料すらろくに存在しないところから始まるが、主人公の活躍が呼び水となって交易が活性化し、それに伴って使える食材や再現可能な料理が段階的に増えていく。


あらすじ

現代の地球。

高校二年生の見習い料理人、津留見明日太(つるみあすた)は父親の経営する大衆食堂『つるみ屋』が放火され、父の愛用する三徳包丁を救うべく火の海に飛び込み絶命する。


目覚めたとき、明日太は森の中にいた。

そこで猪に似た猛獣『ギバ』に襲われ、『森辺の民』アイ=ファに救われる。そしてここが地球ではなく異世界アムスホルン大陸であると知る。

魔法もなければチートもない。あるのは三徳包丁と己の腕のみ。

見習い料理人が食の喜びを知らぬ者達に美食という名の変革を起こす。そして彼の存在は集落だけでなく、町や貴族、他国の人々の運命を変えることに…。


津留見明日太は半人前の料理人として、『森辺の民』と共に二度目の生を生き抜いていく。


登場人物


森辺の民

西の王国セルヴァの辺境ジェノスにあるモルガの森に居を構える、ギバ狩りを生業とする一族。浅黒い肌をしており、非常に身体能力が高い。物語開始時点で37氏族・約500人程度が存在する。

物語開始時点での族長筋はスン家。他、ルウ家・ザザ家・サウティ家など家人が多く有力な氏族がいくつかある他、その眷属の氏族や多数の小さき氏族によって構成される。

詳細は世界観欄を参照。


ファ家

小さき氏族の一つ。スン家と悪縁を結んでしまい他の氏族から絶縁されていたが、後にルウ家と協力して宿場町で商いを行い、他の氏族とも和解した。


本作の主人公。17歳。本名『津留見明日太』。日本の千葉県出身。

高校生二年生の見習い料理人。悪党により料理屋を営む自宅を放火され、父親の魂と言える三徳包丁を救うべく炎の中に飛び込み焼死する。

西の王国辺境都市ジェノスのモルガの麓の森で目覚め、『森辺の民』のアイ=ファと出会い料理人として集落や西の王国に変革を起こしていく。西の『星無き民』。


本作におけるヒロイン。17歳。

『森辺の民』ファ家の家長。金褐色に青い瞳を持つ美少女。森の中でアスタを救い、紆余曲折あって家人として受け入れる。女衆でありながらも凄腕の狩人。とある事情で集落から孤立している。星は猫。


ルウ家

スン家に次ぐ有力な一族。集落は南に位置する。

ルティム、レイ、ミン、ムファ、リリンを眷属に持つ。スン家を打倒するべく長らく爪を研いでいたがアスタにより戦は回避され、スン家崩壊後は族長筋の血族となる。

アスタの手ほどきを最初に受けたので個々の女衆の調理技術は高く、どの部族よりも卓越している。そしてファ家の商売に賛同し宿場町で商いを行っているので部族一の富を誇る。


ルウ家の家長。髭面の大男で口調は粗暴。42歳。

森辺の民としての生き方を重視し過ぎる余り、息子の嫁入りを断ったアイ=ファや異国人のアスタを嫌悪し最初の料理では罵声を浴びせた。しかしルティム家の晴れ舞台を成功した事を機に実力を認めた。ファ家が始めた商売では未来の可能性を見いだし、ファ家の後ろ盾となってからはアスタ達に気遣いを見せるようになった。

性格は勝気で豪放ながらも意固地であり、素直ではない。スン家崩壊後は三族長制を提案し、その一人として就任する。長として優れた器量を併せ持ち、三族長の中ではファ家の賛同派である。

家族思いで特に末娘を溺愛している。堅い肉を好み、作中ではハンバーグが苦手(後に慣れた)。意外と甘い物も好き。髪は褐色で瞳は濃い青。星は大獅子で西の『星無き民』の影響を受けた。


ドンダの祖母。森辺の民の最長老。『黒き森』時代の生き証人。85歳。

アイ=ファの友人。故郷を懐かしみ、ギバを狩り続ける森の生活を絶望視し死を待ち望んでいたがアスタの料理を食べて生きる気力を取り戻す。自分達を含む先代が南や西の民と交流しなかった過去を悔いている。若い頃は家長として一族を統括し、ドンダが困惑する程の苛烈な性格であった。白髪で瞳は青。好きな物はハンバーグ。


ドンダの妻。レイ家分家出身。41歳。

七人の子供を産んだ肝っ玉母さん。ジバの魂を救ったファ家に好意的で、アスタを高評価している。ダルムとレイナに若い頃の自分達を想い重ねている。髪は赤毛。


ドグランの妻。ドンダやリャダの母親。ミン家出身。64歳。

自ら血を絶やす道を選んだアイ=ファを諭した事がある。しっかり者。夫を亡くしているので夜はジバと共に寝ている。


ドンダやリャダの父親。ジバの息子。先代家長。享年49歳。

ムファ家の女衆の命を奪ったスン家とザッツ=スンを討つべく一族や眷属と共に力を蓄えていた。しかし志半ばでギバ狩りに負った傷で帰らぬ者となり、ルウ家はドンダの代で力を増強させ結果的にザッツ=スンを狂わす一因となる。髪色は真紅。


ルウ家の長男。23歳。

温和な見た目に反して父親とは違う得体の知れない迫力を持つ。極めて冷静沈着な性格。長男の責務と古き掟を重んじるが故に『森辺の民』に変革を起こすアスタや狩人のアイ=ファを危険視し、敵意に近い感情を抱いている。ルウ家では唯一の反対派の立場にあるが父に従い、見守る立場を選んだ。時が経つにつれて感情部分はファ家を受けいれつつあり、町人達との交流にも前向きな姿勢を見せていく。開いているかわからない糸目が特徴。髪は茶色で瞳の色は不明。ギバカツを使った料理が好物。


ジザ=ルウの妻。21歳。レイ家分家出身。

気立てが良く、義姉妹とも仲が良い。夫と異なり最初からアスタには友好的。コタ=ルウの母で現在第二子を妊娠中。炭水化物系が好物。


ルウ家の長女。20歳。

色気を体現したような美女。見た目の麗しさから多くの男性達から求婚を受けてきたが関心がなく、全て一蹴してきた。

『森辺の民』の生活に飽き、外界出身者であるアスタに懸想するもアイ=ファの存在で区切りをつけた。間延びした口調が特徴。しっかり者の性格だが卑屈になりやすく、調理技術に長けた妹達の才能に引け目を感じている。

一度はシュミラルの求愛を断り、森での生活を選んだが神を乗り換えた彼の好意に絆され惹かれてく。氏を賜ったシュミラルに改めて求婚を申し込まれ、リリン家に嫁いだ。嫉妬深い。髪と瞳の色は栗色。ギバカレー作りに熱心。


ルウ家の次男。19歳。

寡黙で不器用な性格だが性根は真っすぐで自分よりも他人を優先する。

兄妹の中ではヴィナと仲が良く、家族を大事にする一方で他者を見下す傾向にある。家の権威を振りかざす部分ではディガ=スンと共通し、スン家崩壊後はそんな自身の弱さを知るべく北の集落に自主的に滞在した。

かつての見合い相手であるアイ=ファとの再会を機に想いを寄せるようになり、彼女の身を案じるあまり頑なに生き方を否定する。だが力比べで敗北し、シーラ=ルウからの求愛を受けて婚儀をあげてアイ=ファへの執着に区切りをつけた。

気性は父親似で男兄弟の中では一番の美形。酒に弱い。髪は黒褐色で瞳は濃い青。星は狼。


ルウ家の次女。17歳。

小柄な美少女で姉と同じ豊満な肉体の持ち主。アスタの幼馴染と同名。

性格は真面目でお淑やかだが父親と同様に苛烈な面も持ち合わせており内面では感情起伏が激しい。アスタに惹かれ、想いを寄せたまま彼の元で調理技術の腕を磨いていく。ルウ家の中では特に料理への拘りが強く、城下町の料理人達やマイムに対抗意識を抱いている。妹と共に『青空食堂』を開店し、アスタと共にジェノスでギバ料理を広めている。

貴族を含んだ男性から好意を寄せられている中でロイには感情的になっているが、アスタの女性関係にも常に厳しく目を光らせ、釘を刺す。『森辺の民』には珍しく漆黒色の髪を持つ。瞳は青。


ルウ家の三男。15歳。

料理が上手いアスタを好意的に受け入れ、一時期は婿入りを画策したことも。

明朗かつ気の良い性格で、町の人達との交流も前向きな姿勢を見せる。リミに対してはからかいつつも重度のシスコン。本家の中では最も狩人の才能に恵まれており、最近では横笛に関心を向ける。アスタとは良き友人同士でもある。中性的な容姿の持ち主で髪や瞳の色は褐色。好きなものはチャッチのコロッケ。


ルウ家の三女。13歳。

ルドの画策が原因でアスタを警戒していたが父親に認められると知ると態度を改めた。

かなり感情的で他人の想いに機敏だがそれを言葉に表すのが苦手。アイ=ファと性格が近い。

宿場町で慣れてからは接客業に磨きがかかっている。姉妹の中で唯一、豊満とは言い難い体つきをしている。ルドとリミと顔立ちが似ている。髪は真紅で青い瞳を持つ。従弟のシン=ルウとは相思相愛の仲。


ルウ家の四女。8歳。

人懐っこく無邪気な性格で家族から深く愛されている。アイ=ファとは年の離れた友人で、孤立した彼女の現状に密かに心を痛めていた。

老衰したジバの為にアスタに助力を請い、ルウ家に招き入れた。アスタの元でかまど番の腕を上げていき、お菓子作りの才能に目覚めていく。幼さの見た目に似合わず鋭い観察力を持つ。ターラとは親友同士。ルドとは顔立ちがよく似ている。赤いくせ毛で瞳の色は青。好きな物はキバカツ。クリームシチューや和菓子作りが得意。


シンの姉。ルウ家分家。18歳。

体の弱さ(一族の中で)から静かで控えめな性格。料理しか取り柄がなく、自身を卑下していたがアスタの元で調理助手として働くと同時に自信と誇りを持つようになる。

従弟のダルム=ルウに好意を抱き、アイ=ファのことで胸を痛めていたが想いが通じる。同じ一族同士であるレイナ=ルウとは姉妹のように仲が良い。髪は褐色で瞳の色は茶色。


ルウ家分家家長。16歳。

父が怪我で狩人を引退したことで若くして家長となる。冷静で寡黙な性格だが年相応に涙もろい一面も。リフレイアの一件でサンジェラに敗れ、アスタの誘拐されてしまってからは鍛錬を心掛けている。端麗な容姿から貴族や宿場町の女子達に人気があり、剣技の大会ではメルフリードを下し優勝した。

幼馴染で従弟であるララ=ルウとは相思相愛の仲。父親と瓜二つ。


ルウ家分家。シーラとシンの父親。ドンダの末弟。

狩りで筋を痛めてしまい、息子に家長の座を譲り引退する。息子とは容姿も性格もよく似ており、冷静沈着な性格。かまど番達の護衛として行動することが多い。娘の目まぐるしい成長を促したアスタに感謝の念を抱いている。


ルティム家

ルウ家の眷属の一つ。レイ家に並ぶ力を持つ。


ダン家の家長だが生誕の祝い後に家督を息子に譲る。40歳.

ドンダ=ルウとはハトコ同士。某大魔王のような大男。かなり豪快な性格だが怒ると非常に恐ろしく、ギバを抱える程の腕力を誇る。持前の社交性の高さで『西の民』との交流にも積極的。息子と共にファ家を友として全面的に支持している。若い頃にモルガの狼に救われた過去を持つ。好物はギバのスペアリブ。


ルティム家の家長。24歳。ジバ=ルウのひ孫の一人。

アスタの存在に『森辺の民』の転機を見いだし、婚儀の宴の料理を依頼する。

非常に落ち着いており誠実な性格。『森辺の民』の中ではかなり柔軟で進歩的な思考を持つ。

ファ家の商いを全面的に支持し、賛同派として尽力する。妻以外には丁寧口調。

優れた記憶力とその聡明さから三族長の補佐役的として城下町に赴くこともある。アスタを大切な友として守ることを決意しており、父と同じく『西の民』とも友好的。星は鷲。


ガズランの妻。17歳。ミン家出身。

夫と同様に聡明で落ち着いた性格。アスタやレイナと同年代であるが年齢以上に自立しており、恋に悩むルウ家姉妹から信頼されている。宿場町でアスタの調理助手の一人として活躍していたが妊娠したことで一線を引き、長男ゼディアス=ルティムを産む。実は素の口調は割と年相応。


ルティム家の家人。ガズランの妹。16歳。

父親似で大らかな性格。義姉と同じくアスタの元で調理助手として働く。ディック=ドムに一目惚れしてからは嫁入りを願って父と共に北の集落に逗留する。怒ると父親とそっくりな形相になる。


ダンの父親で先々代家長。

亡き妻はジバ=ルウの娘。息子と異なり寡黙で性格と雰囲気がディック=ドムとよく似ている。


レイ家

ルウ家の眷属の一つ。ルティム家に並ぶ力を持つ。


レイ家の家長。17歳。

猪突猛進で口より先に手が出るタイプ。些か理解力が足らない部分もあるがダン=ルティムに並ぶ豪放さを持つ。若さ故に好戦的で掟に緩い。年上の毅然とした女性が好みで、幼い頃はサティ=レイ=ルウに恋していた時期もある。ヤミルを嫁に望んでいるが分家から反対されている。アイ=ファと同じく金褐色の髪に青色の瞳を持つ。中性的な美男子。アスタの友人。星は犬。


マァム家

ルウ家眷属の一つ。力はリリン家と同じ。


マァム家の長兄。20歳。

ルウ家眷属の中でも恵まれた体格を持つ。性格は粗暴で酒乱の気があるが徐々に落ち着きつつある。アマ・ミン=ルティムに嫁入りを望んだことがある。


リリン家

ルウ家眷属の一つ。元から眷属を無くした小さき氏族に過ぎなかったが、ギランの代で眷属に加わる。家人が少ないがシュミラルが加わった事で猟犬の扱いは上位である。身分超えの婚儀が多い。


リリン家の家長。42歳。

ウル・レイに一目惚れした末にドンダ=ルウに嫁入りを請い、ルウ家の眷属となった。

性格は温和で明朗。常に強者に挑んでいるので、勇者になった事はない。

狩人の腕はドンダ=ルウが認める程、非常に優秀。些か空気が読めない部分もある。町の人間を公正的に見られる人間としてシュミラルを迎えた。家人が少ないので、ヴィナ=ルウの嫁入りを望んでいる。灰褐色に茶色の瞳を持つ。


ギランの妻。レイ家分家出身。24歳。

妖精のような雰囲気を持つ細身の美女。年齢もわかりづらい。二児の母親。

ヴィナ=ルウが凹む程、秀才で調理技術も高い。シュミラルとヴィナ=ルウの仲を応援し、密かにフォローも行っている。金褐色に青色の瞳を持つ。


フォウ家

小さき氏族の一つ。ファ家がスン家と悪縁を結んでしまって以降は疎遠となったが、修復する。ファ家の商売に賛同して富を得、アスタの元にかまど番を積極的に通わせている。眷属はランのみで後にスドラが加わる。


フォウの家長。40歳。

疎遠となったファ家に正式に謝罪した後は賛同派として尽力する。小さき氏族の代表としてギバ肉の晩餐会に出席した。傷を負った『赤き民』を救い、集落に連れて行った。細身な男性。


アイ=ファの幼馴染。18歳。ラン家分家出身。

密かにアイ=ファへの妬みに苦悩し、既婚となり疎遠となった後も後悔し続けていた。アスタの誘拐事件を機に再び交友を取り戻す。お手製のマントを贈った。


スドラ家

小さき氏族の一つ。部族の中でも最も困窮し、貧しさから力を失った者は自ら森で死を遂げる因習があった。ファ家の商売に賛同して富を得てからは劇的に改善しフォウ家の眷属となる。狩人は刀よりも弓矢に特化している。


スドラの家長。41歳。

陰気な子猿のような容姿をしている。自身を過小評価しているが優れた人格者。『森辺の民』の中では能動的で一族の貧しさもありルウ家に次いでファ家の商売に賛同した。身内による悲劇が相次ぎ、眷属と併合する程長らく困窮していたがファ家の商売により富を得られた事で強い恩義を寄せている。スン家崩壊の際、逃亡したテイ=スンの刃からアスタを救った事がある。星は猿。


ライエルファムの妻。22歳。

品のある女性。親子ほど年の離れた夫に恋し、結婚した。アスタの元でかまど番として働き、ユンを後任に引き継がせた後に男女の双子を出産する。実は貧困により二人の赤子に先立たれている。


スドラ家の家人。15歳。

気弱な外見だが芯はしっかりしている。リィの引継ぎとしてアスタの元で調理助手として働き、いつしか好意を寄せていくようになる。想いを抱きつつもアイ=ファの存在から身を引き、生涯彼に尽くそうと誓っている。一族の因習により父を森で亡くしている。髪は灰褐色で片方を結っている。


スドラ家の家人。16歳。

年の近いアスタへの憧れから友好的に接するルウ家や眷属を羨望していたが、念願叶って友となる。後にフォウ家の娘と結婚する。性格は穏やか。


ラン家

フォウ家の眷属。


ラン家分家の長兄。17歳。サリスの従弟。

勇者に選ばれる程の優れた狩人で珍しく左利き。隠し事ができぬ性分でよかれと思ってしたことが裏目に出ることが多い。アイ=ファやユン=スドラが苦手意識を抱く程、『森辺の民』の中では変わり者の部類に入る。爽やかな風貌の美青年。一時はアイ=ファに懸念したこともある。宿場町との交流でユーミと惹かれていき、『西風亭』の婿入りを希望する。


ベイム家

小さき氏族の一つ。ファ家の商売に反対派である。昔、宿場町で女衆が暴漢に襲われて負傷し、家長が族長の制止を振り払って死傷事件を起こした過去がある。


家長の末娘。19歳。

性格は生真面目で頑固。アスタの元で調理助手として働いている。褐色の髪に青い瞳を持つ。父と似てずんぐり体型。不愛想で褒められるのが苦手だがまっすぐな気性の持ち主。

過去の事件から宿場町に忌避感を抱いていたがファ家の行いにも前向きになる。


ラディッツ家

小さき氏族の一つ。ナハムを眷属に持つ。

宿場町に因縁があるベイム家とは違う形でファ家の商いに反対派。実はかつてはファ家の親筋であり、理由は不明であるが黒き森の時代を境に血の縁を絶っている。


ラヴィッツ家の家長。禿頭が特徴。39歳。

ギバの討伐数よりも狩人の生命を重視する方針をとっている。性格は頑固で偏屈者。

ファ家を露骨に嫌い、第二家長会議ではアスタに理由以前に難癖を述べた事で賛同派から非難を浴びた。

実は父と祖父からの遺言によりファ家への強い確執を残してしまい、更にアイ=ファの代で『森辺の民』に変革を起こし、常に変移の中心にいる事から不安感を抱いていた。族長の進言によりファ家と修復中。


デイの妻。小柄でふくよかなお地蔵様のような風貌を持つ。37歳。

ジザ=ルウと同タイプで常に笑顔を絶やさず心情が掴みにくい性格をしている。夫の意向でアスタの元で調理助手と働く。アスタ曰く「人が悪い」。


ナハム家

ラヴィッツ家の眷属。東の民のように長身痩躯な体型を持つ。金褐色の髪を持つ者が多い。


ナハム家の三女。16歳。

東の民の如く長身で中性的な容姿を持つ少女。常におどおどしており、落ち着きがない性格。かなりの感動屋でもある。デイとは異なりファ家に敬意を抱いている。

アスタが驚愕する程の才女であり、調理技術や計算など記憶力も高い。反面、上記の性格から接客業には向かない。


ナハムの長兄。モアイ像の如く長身な男。無口で思い込みが強い性格。

妹を二人失っており、弱った母親の代わりにマルフィナを育て上げた。妹を大事に想うあまりアスタを警戒している。フェイ=ベイムに嫁入りを願っている。一児の父親で伴侶を亡くしている。


サウティ家

ルウとザザ家に次ぐ力を持つ部族。集落は南の端。双方の一族の関係もあり長らく中立派を貫いている。三つの眷属を持つ。

スン家崩壊後は三族長の血族となる。北と南と比べると癖のない一族なのが特徴。ファ家の商売でも中立派。


サウティ家の家長。26歳。

スン家崩壊後、三族長の一人に選ばれる。保守派ながらも思考は能動的でアスタの商売も好意的だが中立の立場から静観している。ガズラン=ルティムと同じく理性的な気質の持ち主。

森の主に一族が負傷したとき、ルウ家やファ家に助力を頼み込んだこともある。三族長の中では年少で貴族の催しには代表として参加する事が多い。

星は大獅子で西の『星無き民』の影響を受ける。容姿は純朴。好物はギバカツ。


ダリの妻。26歳。

15歳で夫に嫁ぎ、既に三人の子を持つ貫禄のある女性。真面目な性格でアスタの動向を怪しんでいたが、森の主が討伐された後は感謝を示した。

奴隷である『北の民』を案じ、アスタの助力を得て改善に成功した。


サウティ家の長老。ダリの祖父の弟。

ジバ=ルウと同様に『森辺の民』の未来の為に家長会議ではアスタの存在を好意的に受け入れ、ファ家の商売にも自主的に賛同を示す。


ザザ家

スン家に次ぐ有力な部族。その眷属でもありドム、ディン、リッドなど六つを眷属に持つ。

集落は北に位置し、毒虫や蛇がいる。長らくルウ家とは敵対していたがスン家崩壊後は族長筋と決別し、三族長の血族となる。

狩人はギバの頭蓋骨を被り、女衆は骨で装飾を身に着けているのが特徴。部族の中でも古の掟を重視する傾向にある。ファ家の商いには反対派。


ザザ家の家長。46歳。

族長筋に忠誠を尽くすが故にルウ家を一方的に敵視している。スン家崩壊後は親筋と決別し、三族長の一人に選ばれる。ファ家の商売には反対派ではあるものの、美食に関しては関心を示し眷属のトゥール=ディンには特別目を掛けている。

三族長は特に感情的で狩人としてのプライドが人一倍高い。ドンダ=ルウ以上の堅物で血気盛んな性格。意外と子供っぽい一面もある。星は大獅子で西の『星無き民』の影響を受ける。


ザザ家の三男。16歳。スフィラの双子の弟。長兄と次兄を亡くし事実上の後継ぎ。

父親と同様に血気盛んな性格。素直な性分で酒に弱く、好戦的。

剣技の大会ではメルフリードとレイリスに敗れたので四位。スフィラの為に奮闘するなど姉想いな一面もある。レム=ドムを嫁に望んでいたが、現在はトゥール=ディンに執心している。


ザザ家本元の長女。16歳。ゲオルの双子の姉。

素直な弟とは違い冷静沈着な性格で褒められるのが苦手。貴族であるレイリスと恋に落ちたが、お互いの立場から決別した。お菓子が好きでトゥール=ディンと仲が良い。


ドム家

スン家の眷属の一つ。ザザ家と並ぶ力を持つが、スン家崩壊後はザザ家の眷属となる。


ドム家の家長。17歳。レムの兄。

年齢以上の剛健な肉体と貫禄を持ち、ギバの頭蓋骨を被っているせいで壮年と間違えられた事もある。狩人になりたい妹の願いを最終的に聞き入れ、見習い狩人とした。モルン=ルティムから嫁入りを望まれている。実はアスタ、アイ、ラウとは同じ年。


ドム家の長女。15歳。ディックの妹。

年齢以上の色気と剛健な肉体を持つ美女。女衆の身でありながら狩人への夢を諦めきれず、実現しているアイ=ファに強く憧れている。アスタの手ほどきをファ家に居候し、兄から反対されてもバルシャの元で技術を学び一人鍛錬を行った。最終的に念願叶って狩人見習いとなる。ちなみにユン=スドラと同じ年。


ディン家

ザザ家の眷属の一つ。小さき氏族と集落が近く、賛同派を見極めるべく商売に参加している。


スン家分家の家人。10歳。スン家崩壊後は父と共にディン家に引き取られた。

スン家では早く母を亡くし茫然自失な生活を送っていたが、アスタの元で調理技術を学ぶと同時に性格が改善し、アスタが認める程の菓子職人の才能に目覚める。調理の腕も確かで、北の集落の中では子供ながらかまど番の代表に選ばれる程。

アスタを慕っているが故に独立を拒んでいたが、手ほどきを受けながら屋台で菓子を売るようになった。内気で大人しい性格。ザザ家から可愛がられており、貴族のオディフィアとは懇意の仲。定期的に侯爵家に菓子を製作している。モツ料理と菓子作りが得意。


スン家分家の家人。27歳。

スン家崩壊後は娘と共に嫁の実家に引き取られた。

スン家では茫然自失な生活を送っていたが、ディン家で狩人の力を取り戻した。多忙な娘を心配している。


ディン家家長の姉。トゥールの叔母。

厳格な性格ながら亡き妹の娘であるトゥールを可愛がっている。


リッド家

スン家の眷属で崩壊後はザザ家の眷属となる。集落が小さき氏族と近いので祭りでは共同で行っている。


リッド家の家長。38歳。

ダン=ルティムと通じる豪放的な性格の持ち主。褐色の髪に茶色い瞳を持つ。スン家の元眷属とは思えぬ程、ルウ家やその眷属とも仲良くしている。


スン家

『森辺の民』の族長の血族。ガゼ家、その眷属のミーマ家が滅んだ後に族長の血族となった。

かつては勇猛果敢な一族であったがザッツ=スンが調停人サイクレウスとの悪縁を結んでしまい、褒賞金を独占し本家は狩人の責務を放棄して一族全て森の恵みを漁る禁忌を犯す。家長会議後に大罪が暴かれた後は本家の人間は氏を奪われて各家の家人となり、分家の一部は継続する。罰則によりファ家の商売や肉を売りにできない。


『森辺の民』の族長。スン家の家長。38歳。

父の恐怖から家長就任後も大罪を引き継ぎ、禁忌を犯す。性格は怠惰で放任主義。

子供達の失態で罪が暴かれた後は地位を剥奪される。最後は『森辺の民』としての誇りを思い出し、町の安定と残った家族の為に自らマルスタインに懇願して再び森に還れるようジェノスの法で裁かれ苦役の刑に処され鉱山送りとなる。後にアムスホルンの寝返りにより山崩れに遭った際、兵士や囚人を救ったばかりに自ら重傷を負うがマルスタインと三族長の根回しで療養する。


スン家の長女。21歳。

ヴィナ=ルウと並ぶ妖艶な美女。ギバの血を浴びる異常癖がある。

家長会議の食事をアスタに依頼し、彼の婿入りを望む。実はスン家の滅亡を願い、アスタや弟達を利用していた。意図的に一族の罪が暴かれると分家や妹、義母の助命を嘆願する。後にレイ家に引き取られ氏を賜り、家長の方針でアスタの元で調理助手として働く。

己の嫁入り話を潰すラウ=レイに呆れつつも信頼を置いている。聡明かつ冷静な性格だがかまど番の仕事を分家に丸投げしていた為に『森辺の民』の中では腕力がない。細かく結んだ褐色の髪と同じ色の瞳を持つ。星は双頭の蛇。星図では凶星とされていたが西の『星無き民』の影響を受けて力を失い、力を取り戻すまで犬の星と寄り添っている。


スン家の長男。19歳。

次期家長であるが掟を破ってまで色を優先する卑劣漢。

二年前に父を亡くしたばかりのアイ=シャを手籠めようと襲って失敗した。姉と画策して家長会議後に嫁入りと称してアイ=シャを襲うが計画は頓挫する。スン家崩壊後は氏をなくしてドム家に引き取られ、今までの行いを猛省し狩人の生業を全うしている。

実は幼少の頃、弟と共にミギィによって虐待を受け性格が歪んでしまった。黒褐色の髪に青い瞳を持つ。


スン家の次男。18歳。

宿場町で酔い、侮蔑してきた相手に絡んでいたところをアイ=ファに咎められ衛兵に連行された。小柄で筋肉質。兄と同様にスン家崩壊後は氏をなくしドム家に引き取られる。狩りの途中で負傷したが復帰した。酒乱の気があり、ディガが密かに恐れていたがドム家で酒を断った事で和解した。兄と共にミギィに虐待されていた。


スン家の三男。14歳。

何らかの障害持ちで肥満巨体かつ言動は幼い。性根は純粋かつ素直でスン家では善悪の教わらず宿場町では暴れ、ときに兄達にこき使われていた。ルウ家に引き取られてからは過去を反省して成長の兆しを見せ、狩人の功績で氏を賜る。狩人の中では珍しく武器は棍棒。スン家の血を引く者の中で、最も狩人の才を持つ。アスタの料理が好物。


スン家の次女。12歳。小柄で玉ねぎのような髪型が特徴。

口が悪く素直でない性分だが生来の寂しがり屋。銅貨に強い執着を見せ、『森辺の民』には珍しく経済概念に関心がある。スン家崩壊後はルティム家に引き取られる。

数字に強いのでアスタの元では調理助手の他に経理も担当している。その功績から氏を賜る。


ズーロの四人目の妻。ツヴァイの母親。27歳。スン家分家出身。

ミギィの魔の手から逃れるべく、父の意向で本家に嫁いだ。スン家崩壊後はルティム家の分家に引き取られ、一年後に氏を賜る。大人しく儚げな美女。周囲からは嫁入りを勧められているが夫の帰りを待ち続けている。


スン家の家人。オウラの父でツヴァイの祖父。51歳。

本家の人間に手足の如く使われており、生き人形のような壮年の男。実はスン家の中では良識人でザッツとミギィによって狂い出す本家から家族を守る為に奮闘する。ズーロの子供達を案じた末に商団への襲撃の際、負傷したミギィを殺害したが同時にミラノ=マスの義兄を殺めてしまう。

スン家崩壊後、北の集落に囚われていたがザッツと共に森へ逃亡し指名手配犯となる。再び商団を襲撃するも失敗し、同胞に倒される形で宿場町の怨嗟を解消させようとアスタを人質に心中を図る。最後はライエルファム=スドラに刺され家族を想いながら死亡した。生前はディガの悪行を止めるべくアイ=ファを救っていた。


スン家の先代家長及び族長。ズーロの父。57歳。

無慈悲な性格ではあるが誰よりも狩人としての誇りを持つ。強靭であるが故に孤独を抱え、ルウ家の恐怖から狂い出す。更に『森辺の民』調停人であったサイクレウスと悪縁を結び家人達に商団と使節団の襲撃を命じる。そして『森辺の民』に過酷な生を命じたジェノスへの報復として一族内で森の恵みを搾取し、狩人の仕事を放棄させる。しかしミギィは死に、志半ばで病にかかり族長を息子に譲り療養する。

スン家崩壊後は北の集落に囚われ脱走。テイと共にスン家再興を目論み再び森を通った商団を襲撃するがカミュア=ヨシュの策略に気づかず捕縛される。牢屋で呪いの言葉を吐き捨てて死亡した。

ヤミル曰く「毒の塊のような男」でスン家を狂わせた発端といえる人物。『森辺の民』の求める未来はアスタと同じであったが、結果的にスン家は力を失った。星は火の竜。星図では西の『星無き民』の影響を受けた三頭の大獅子に敗れたとされる。


ザッツの姉の息子。享年25才。

狩人の才は秀でているものの、残虐かつ冷酷な性格。己の欲望のまま宿場町や森の集落でも問題を起こしていた。サイクレウスの策略で十年前の商団と使節団を襲撃するが負傷し、テイにより命を絶たれる。ヤミルの許嫁であり、ディガやドットを訓練と称して虐待し彼らの性格を捻じ曲げた張本人。


宿場町

『キュミスの尻尾亭』の主人。数少ない開拓者の子孫の一人。

十年前に商団の副団長であった義兄が『森辺の民』によって殺され、そして傷心して早世した妻を失ってからは娘とレイトを男手一つで育てあげた。

商売としてアスタに店の屋台を貸し、過去の恨みから『森辺の民』に辛辣な態度を取り続ける。しかしアスタ達の誠実さとギバ肉の評判を受けてからは考えを改め、ザッツ=スンらの脱走騒動では町人達からアスタ達を庇い『森辺の民』と友好的な関係を築き上げる。元々は料理が不出来で食事の質は低かったが娘と揃ってアスタから手ほどきを受けてからは味が向上している。ギバ料理とギバ肉を定期購入している。


ミラノの一人娘。18歳。父親の影響で『森辺の民』を恐れ、内向的な性格となる。しかし次第に父に感化され、ドンダ=ルウの謝罪を受けて『森辺の民』への認識を改めていく。レビに想いを寄せ、密かに婿養子に願っている。


『南の大樹亭』の主人。44歳。南と西の混血。

建築屋バラン一行からギバ料理の評判を聞きつけ、真っ先に『森辺の民』から料理を買い付けギバ肉も定期購入する。

密かに『玄翁亭』にライバル意識を寄せている。幼き頃から南の王国で過ごすこともあったので南の食材や料理に詳しく、宿場町でも上位の料理人の部類に入る腕前の持ち主。ギバの角煮が大好物。


『玄翁亭』の主人。32歳。独身。

生粋の西の民であるが、東の文化に心酔し東の民のように無表情を貫いている。

自身の経緯から四大王国の壁を憂いており、神を乗り換えても未だ忌避される『森辺の民』の立場に胸を痛めていた。『銀の壺』の紹介でアスタから料理を買い、ギバ肉も定期購入する。ダレイム家が通う店として評判が高く、自身も若い頃にシムを旅した経験から宿場町でも上位の料理人の部類に入る腕前の持ち主。シュミラルの友人。


ダレイムで営む野菜農家の主人。39歳。

『森辺の民』を忌避していたが、アスタを通して彼らの実情を知ると考えを改める。

陽気で情が深い性格で、一時期は『森辺の民』の認識を変えようと町人達に訴えた事もある。


ドーラの娘で三兄妹の末っ子。7歳。

リミ=ルウの親友で密かにルド=ルウに憧れている。『森辺の民』に対する恐怖心はなく、集落にも出向いている。明るい性格。トライプのクリームシチューが好物。


『西風亭』の娘。17歳。

やや不良っぽいが性根は真っすぐで世話好きな性格。歌が得意。

元は悪友とからかうつもりでアスタ達の屋台に現れたがギバ肉の美味さに態度を改め友人となる。

『森辺の民』と親しくしていく内に密かに嫁入りを望み、ジョウ=ランと惹かれていく。


『西風亭』の主人。傭兵出身で婿入りした。

ジェノス出身ではないが、『森辺の民』に喧嘩を売った傭兵仲間が怪我元で野垂れ死んだ過去があるので『森辺の民』に強い恨みを持ち続けていた。ギバ肉を評価する妻と娘に耳を貸さなかったが、『南の大樹亭』と『玄翁亭』の評判を聞くとギバ肉を定期購入する。憎まれ口を叩く偏屈者だが娘想い。


サムスの妻でユーミの母。産後の体調不良が原因で一人娘しか産めない体となった。

夫と違い温厚な性格で根っからの商売人。


ユーミの悪友。17歳。

仲間と共にアスタ達の屋台に現れた一人で、後に友人となる。

横笛が得意で『森辺の民』にも教えるようになった。賭博の詐欺歴を持つ父を持つ苦労人でアムスホルンの寝返りを機に『キミュスのしっぽ亭』で働く。そして更生した父と共に屋台でラーメン屋を始めた


『アロウのつぼみ亭』の女主人。自由開拓民の子孫。

ふくよかな中年女性で過去にミダ=ルウによって屋台を破壊された事から『森辺の民』を嫌っている。強情で憎まれ口を叩く事が多い。筋を通さないと気が済まない気性の持ち主。

ミダ=ルウの謝罪を受けてからは文句を言わなくなった。ミラノ=マス曰く「一族は偏屈者」らしい。


『ラムリアのとぐろ亭』の女主人。東と西の混血。

物腰穏やかな老年の女性。料理上手で宿場町でも評判の腕前の持ち主。物腰穏やかで人の感情を読み取ることが得意。ネイルと懇意にしている。


『タントの恵み亭』の主人。貴族と懇意にしている。宿場町の商会長を務めている。


城下町

トゥラン家に雇われた。西と東の混血。20歳。

表面上は穏やかだが非常に複雑な性格。驚異的な身体能力と剣術を持つ。

リフライアの命を受けてシン=ルウを下しアスタを誘拐する。後にムチ打ちの刑に処され、再び雇われる形で妹の護衛の任に就いた。アスタを裏切った過去から『森辺の民』との仲を修復中。

実はサイクレウスの息子であり、リフレイアの異母兄。王都の尋問管の一件後は貴族の中で知れ渡り、暗黙の了解となっている。慕っていた母を顧みなかった父親を嫌い、妹だけを愛し守り抜くことを誓っている。


リフレイアの護衛武官。30歳。

リフレイアが産まれたときから仕えており、盲目的な忠誠心を持つ。リフレイアの命令でサンジュラと共にアスタを強制的に誘拐した。

ムチ打ちの刑に処された後は男爵家に引き取られたがサンジュラの現状を耳にし、リフレイアの元に戻るべくアスタに嘆願する。マルスタインにより働くことを許された。


ダレイム家の料理長。

食糧の流通を独占するトゥラン家に反感を抱き、ポルアースに協力する。ポイタン粉で宿場町で商いを行い、乳脂など城下町の食材を普及させた。若き才能の前でも前進思考の持ち主。

ギバ肉に忌避していたが尊敬するミケルの進言で評価を改める。性格は紳士て温厚。お菓子料理が得意でアスタが認める腕前を持っている。


トゥラン家の使用人の料理人。19歳。

三つの店を渡るなど秀でた才能の持ち主。短絡的で言葉は悪いが面倒見が良く努力家。

リフレイアに誘拐されたアスタの見張り役の任を受けるが実力を見誤り、衝撃を受けてしまう。サイクレス失脚後はヴァルカスの元で技術を学ぶべく助手の補佐として非正規員として働く。レイナ=ルウに一目惚れしており、料理人としてもライバル意識を抱く。かつては『白き衣の乙女亭』で働いており、ミケルを今でも尊敬している。ヴァルカスの正式な弟子となってからはアスタの技法を取り込んだ異色の料理を作り上げている。


トゥラン家の元副料理長。『セルヴァの矛槍亭』の主人。

マルスタインが主催した貴族と森辺の民との和解の晩餐でアスタと出会う。

当時は貴族の環境に触れアスタ達を見下していたものの後に態度を改めるようになった。二面性はあるが料理人として誇り高く、公正的な精神の持ち主。お腹が出ている。城下町での勉強会では講師として参加している。


トゥラン家の元料理長。『銀星堂』の主人。ジェノス三大料理人の一人。40歳。

人混みが嫌で城下町を離れず伸し上がった天才。外見は端正であるが年齢はわかりにくい。

慇懃無礼で人の顔を覚えるのも苦手。香草を巧みに扱い、南、西、東の合わせた調理法を使う。渡来の民のアスタを異常に執心しており、特にカレー料理に強い関心を寄せる。その一方で自分にはアスタの調理技術を不必要と見做している。

不出来な料理人が上等な食材を使用するのに快く思っておらず、食材を腐らせる方がマシと考えており、評価もかなり辛辣。他者の気持ちには疎いが関心がある者には情熱的に接する。


ヴァルカスの弟子の一人。東と西の混血。63歳。

『山の民』に陵辱を受けた母から生まれ、母亡き後は居場所が見つけられず故郷のイルカを出奔しシムの草原を放浪していた。ヴァルカスと出会い、弟子入りしてジェノスで暮らす。

既に店を開ける程の実力を有しているが、ヴァルカスを支える事を生き甲斐にしている。


ヴァルカスの弟子の一人。29歳。

『南の民』で大柄な肉体を持ち、理性的。大らかな性格で弟子の中では一番明るい。南の国の食材に造詣が深い。


ヴァルカスの弟子の一人。17歳。開拓民の子孫。

ヴァルカスを心酔し過ぎるあまりに彼に執着されるアスタに強いライバル心を抱く。生粋の城下町育ちで宿場町のような埃が多そうな場所は大の苦手。

お菓子作りが得意。弟子達の中では才能に恵まれているがマイムやトゥール=ディンなど自分以上に若い才能を見て焦りを感じている。人付き合いが苦手で素直になれない性格。ロイを異性として想っており、密かにレイナ=ルウを意識している。美人だが目つきが鋭く、髪を一つに纏めている。


守護人

西の王国の守護人。北と西の混血。29歳。

『北の旋風』という通り名を持つ。非常に複雑な生い立ちから掴みどころのない性格をしている。年齢より老け顔。両親の母国共々迫害された過去により、差別なく受け入れてくれたジェノスの繁栄を第一にしている。その経験により自分と似た境遇の『森辺の民』に仲間意識を寄せている。

『森辺の民』が脅威に感じる程の剣術の使い手。ギバ料理を食べると美味しすぎて感情を抑制できず変顔を浮かべる癖がある。アスタに商売を勧めた人物であり、サイクレウスの一件を機に懇意の仲となる。十年以上も各地を放浪しており、様々な人々と縁を結んでいる。レイト曰く「縁の糸を紡ぎ合わせて自分好みの絵を描くのが生き甲斐」らしく、裏と表の顔がある。



西の王国の守護人。ダバック町の出身。39歳。

十年前に森で襲撃された商団、使節団の犯人を捕らえようと目論みカミュアとメルフリードと共に協力する。アスタが誘拐されたときはカミュアが不在であった為にポルアースに助力を請い救出に一役買った。性格は豪放で人相は悪いが人が良い。

家の事情でギバを食べることを避けていたが後にハマる。実家はカロンの牧場を営んでおり、外の世界を知るべく出奔した経緯がある。


カミュアを師事する守護人候補。10歳

優れた推理力と観察能力を持つ少年。実は十年前に『森辺の民』に襲撃された商団の団長の息子で両親の死後、縁を通してミラノ=マスの元で育てられた。親の仇である『森辺の民』の罪人やトゥラン家の兄弟が捕縛された事で柵から解き放たれる。後は師と共にジェノスの為に旅立つ。テリアを姉のように慕う。


森辺の客人

マサラの狩人。14歳。ゴラムとバルシャの息子。

父を誇りに思うが故に『森辺の民』に恨みを抱き、母の反対を押しきって故郷を出奔しアスタを襲った。誤解が解けて事件の関係者が既に死亡していると知ると姿を消し、後にトゥラン家の屋敷に囚われたアスタの前に現れ、宿場町に情報を流すなど一翼を担う。審問では天井に隠れサイクレウスを殺そうとするがドンダ=ルウの叱咤で母の想いを知り、衛兵に捕縛された。様々な罪は不問とされ、母と共に森辺の集落に客人として移住し狩人の技術を学ぶ。性格は直情的。赤毛に黄色い瞳を持つ。


義賊『赤髭党』の生き残り。ゴラムの妻。35歳。

マサラの狩人。仲間亡き後は女手一つで息子を育て上げる。バナーム使節団への襲撃を唆した犯人を目撃した証人としてカミュア=ヨシュから呼び出された。息子を救う為に命を懸けて審問に出廷し、証言する。後にリフレイアの減刑を交換条件に無罪放免とされる。女性でありながらも頑強のある体格の持ち主であり性格は豪快。後にドンダ=ルウに頼み、森辺の集落に客人として移住する。ミケル親子が加わると、彼の世話も担当している。


義賊『赤髭党』の首領。享年24歳。

赤毛に黄色い瞳を持つ美青年。勇猛な性格で民達から絶大な支持を受けていた。

シリエルの勧誘を断り、腹いせに捕縛後にバナーム使節団と商団襲撃の罪を押し付けられ処刑された。後に汚名は晴らされた。カミュア=ヨシュとは懇意の仲。


トゥランに住む飲んだくれの石炭職人。49歳。

実はジェノス三大料理人の一人。『白き衣の乙女亭』の料理長を勤めた程の腕前を持つ料理人だったが、サイクレウスの誘いを断った罰として包丁を持てぬ体となった。以降は城下町からトゥランに住み、娘に調理技術を教えながら移住資金を蓄えていた。シュミラルの導きによりアスタと出会い、『森辺の民』に技術を伝授する。強盗の襲撃で大怪我を負ったときはルウ家の客人として招かれ集落で療養する。素直でない偏屈者。


トゥランに住む少女。12歳。

父親譲りの味覚を持ち、アスタがライバル視する程の才能を秘めている。父子家庭育ちで年齢以上に大人びているが父親の前では年相応。アスタの勧めでギバ肉を使った料理を宿場町で売っている。

父親が大怪我を負うとルウ家の客人として森辺の集落で生活する。同居人であるジーダに淡い恋心を寄せる。性格は温和。


貴族

ジェノス家

西の王国辺境都市ジェノスを統べる貴族。


侯爵。ジェノス家当主。メルフリードの父。46歳。

柔和で穏やかな紳士。多忙な身の上なので『森辺の民』の調停人をサイクレウスに委任し、彼らの悪行が発覚するまでぎりぎりまで静観していた。

強い者が大好きで、サイクレウスの失脚を機に『森辺の民』に関心を持つようになった。

些か事なかれ主義者な面があり、自分も含めて強い者に屈服しても潔く受け入れる心構えを持つ。宿場町では評判は悪かったが、サイクレウスやシルエルの公正的な判決を下した事で名誉は回復しつつある。有能である為、王都では危険人物として警戒されている。


マルスタインの息子。25歳。

近衛兵団団長。厳格かつ冷徹な性格の持ち主。正義感が強い熱血漢で法にも忠実だが、後先を考慮せず断罪するので危うい側面を持つ。友人であるカミュア=ヨシュ曰く「罪人を裁けば満足してしまう」らしい。

彼からトゥラン家と森辺の民の悪行を知り、捕らえようと守護者として身分を偽り、偽装商団を囮に使いザッツ=スンらを捕らえた。食事に関心はなかったが『森辺の民』の料理は高評価している。


メルフリードの妻。24歳。

奔放的かつ天真爛漫で義父とよく似た性格の持ち主。二人の娘を持つ母親。


メルフリードとエウリフィアの娘。6歳。

西洋人形のように可愛らしいが父親と同じく不愛想で無表情。性格は奔放かつ純情。

お菓子が大好きでトゥール=ディンを特別慕っている。亡き祖母似であり、灰色の瞳を持つ。


トゥラン家

北の果樹園を統治する。フワノとママリアが特産。

サイクレウスの手腕により他国との貿易で膨大な富を築き上げるが、失脚後は傾く。しかし料理人達の協力で安定しつつある。『北の民』による労働により住民の働き手を無くし、治安は悪く領民の数も少ない。


伯爵。トゥラン家当主。大臣。50歳。

病人のような青白い肌をした初老の男。弟の凶行を機に罪への逃避から美食へと傾倒し、次々に悪事に手を染めていくようになる。

美食の執着から各国の多勢な商人と取引し大量の食糧を買い占め独占し、選民意識で宿場町には粗末な食糧しか流れず城下町にも影響を及ぼした。

スン家や悪人を利用して城下町の通商利益の一部を支配し、単身で処理するなど有能な人物だがそれ故にジェノス公爵から疑惑を見送られる事となる。また、『銀の壺』『黒の風切り羽』の商人達の約束を棒にし、ミケルといった料理人に惨い仕打ちを行っていた。

審問で数々の証拠と弟の暴挙により罪を暴かれ、拘束されるが美食が元の病により衰弱。

娘が願ったアスタの食事で全ての罪を吐き出しに禁固刑に処された。しかし半年後のアルスホルンの寝返りにより牢屋が崩壊し、アスタと娘に感謝を述べ息を引き取った。弟への危機感から隠し子であるサンジュラの情報を隠蔽し娘に毒見役をつけるなど決して情がない人物ではなかった模様。


護衛団団長。サイクレウスの実弟。48歳。

冷徹かつ卑劣漢で異常な選民思想の持ち主でもあり、また長男贔屓の風習のある貴族社会に不満を抱いている。

三男の立場に嘆いた末に愚鈍な父と長兄を暗殺。地位欲しさから兄と共謀して『森辺の民』を利用し、己の凶行を『赤髭の党』と共に罪を擦り付けた。

審問で旧悪を問われた事で逆上して当事者達の虐殺を目論むが失敗し、拘束され苦役の刑に処され鉱山送りとなる。後にアムスホルンの寝返りで岩崩れに遭い、同じく囚人の『山の民』を従えて脱走。盗賊団《颶風党》として各地で悪逆を尽くし、アスタへの復讐に燃えモルガの森辺へ姿を現した。だが失敗して逃走中に衛兵に切られ死亡した。

作中では救いようがない悪人であり、サイクレウスも実の弟を一切信用せず、お互いに親愛とも呼べる感情もなかった。


トゥラン家新当主。10歳。サイクレウスの娘。

高飛車で高慢な性格。家族の愛情に飢え、我儘を繰り返していた。父と同じく美食家で特にお菓子が好物。ディアルが噂した料理人であるアスタに目を付け、誘拐して軟禁する。

後に父と叔父が逮捕された事で一族の悪名を担い、全ての権限を失ってしまう。

性格は徐々に落ち着き、『森辺の民』との距離を縮めようとしたり奴隷である『北の民』の生活を改善させようと努力している。


リフライアの後見人。パグのような初老の男。59歳。

トゥラン家の傍流で長らく左遷されていたが当主達の失脚を機にマルスタインの要請を受ける。仕事の引継ぎで常に多大な疲労を抱えており、作中屈指の苦労人でもある。貴族の中でも腰が低い良識人。


ダレイム家

畑を統治する。特産は野菜とポイタン。

財政面からトゥラン家に服従状態であったがアスタが発見したポイタン粉に着目し、逆転させる。


ダレイム家の次男。25歳。

ふくよかで見るからに人のよさそうな外見の持ち主。カミュア=ヨシュの縁で『森辺の民』と繋がりを持ち、トゥラン家屋敷に囚われたアスタの救助に協力する。

ダレイム家の復興とサイクレウスの失脚を目的にヤンと共にポイタン粉を普及すべく活動する。

『森辺の民』からの信頼は厚く、数々の功績から調停人補佐官の役職を得た。貴族よりも商人に近い気質を持ち、身分関係なく宿場町を訪れている。「ジェノスを世界一の美食の町にしたい」というアスタと同じ大望を抱いている。作中では貴族の日陰者の中で真っ当な生き方をした成功者の代表格。好物は帽子焼きとギバカツサンド。


サトゥラス家

宿場町を統治する。

宿場町の民達からは特に不満はないものの、身内が原因で『森辺の民』と二度も問題を起こす。


サトゥラス家の長男で次期当主。22歳。

端正な顔立ちを持つ痩躯な青年。レイナ=ルウを見初め、侍女に召し抱えようと目論むが『森辺の民』との価値観の行き違いにより不和が生じる。その後、逆恨んだ末に御前試合を持ちかけたが叔父が違反を犯してしまい最終的にジザ=ルウの恐怖からレイナ=ルウを諦める事となる。

ギバ肉に強い関心を示し城下町で買い占めようと企てた事もあり、父親に似て美食には拘りがある。普段は口が悪く、お世辞にも性格とはいえない人物ではあるが立場からくる不安によるものらしい。

トトスに乗るのが得意で、トトスの早駆け大会ではシュミラル=リリンと優勝を争った。


リーハイムの従弟。ゲイロマスの息子。17歳。

サトゥラス騎士団に属する騎士。根っからの武人気質で父親を下したシン=ルウに強いライバル意識を持つ。剣技の大会ではシン=ルウに敗北したがゲオル=ザザには勝利した。

スフィラ=ザザと恋に落ちたがお互いの立場から決別する。性格は直情的で素直。


サトゥラス家の当主。リーハイムの父親。44歳。

温厚な性格だが息子に甘い。城下町では美食家としても有名で定期的にギバ肉の腸詰を購入している。息子と弟の愚行を『森辺の民』に正式に謝罪した。


ルイドロスの弟。39歳。サトゥラス騎士団長。

ジェノスでも有名な名剣の使い手でもある。甥リーハイムの武芸の余興として剣技の試合を引き受ける。実はベイム家の『森辺の民』の強さを知っているが為に敗北の恐怖からシン=ルウの鎧をすり替える愚行を起こしてしまう。それでも敗北し、騎士団除名と汚名を背負う事となる。試合の怪我が元で首に障害を負い、療養生活を送る。


赤き民

バルブの狼を友とする族長ハムラの長女で嫡子。13歳。

狩りの途中で片足を負傷し、川に流れていたところをバードゥ=フォウに救出される。完治するまで『森辺の民』の集落で療養することになり、混乱した際に傷つけたアスタへの贖罪としてファ家に住む。非常に素直かつ堂々とした性格。赤き髪と瞳を持つ。好物はギバカレー。


東の民

草原の民

商団『銀の壺』の若き団長。25歳。銀髪の持ち主。

客の一人として登場し、アスタとの友情を深めサイクレウスの一件では旅立つまで尽力した。

ヴィナ=ルウを見初め想いを募らせた末に『森辺の民』への婿入りを望み、別れ際に求婚した。そしてギバ狩りの力を得るべく、王都で猟犬を手に入れる為に神と氏を捨てて洗礼を受け『西の民』となる。『森辺の民』に猟犬の功績と心の誠実さを認められリリン家の家人となった。

九ヶ月後にギバの討伐に成功し、一人前の狩人となり晴れて氏を賜る。そして念願叶ってヴィナ=ルウと婚儀を挙げ分家の家長となった。

団長の座を副団長に譲り、狩人と商人の両立した生活を送る。温厚かつ情熱的な性格で割とおしゃべり好き。北と西といった三国語を話せる。両親は既に死去し、『銀の壺』は父親から引き継いでいた。作中での『東の民』の中で最も西の『星無き民』に影響を受けた人物であり、本人も自覚している。好物はギバカレー。


『銀の壺』の副団長。29歳。

シュミラルの良き理解者で、団員達と共に彼の『森辺の民』への婿入りを受け入れた。三児の父親でもある。シュミラルから団長の座を譲られた。


商団『黒き風切り羽』の団長。44歳。

シムでも名高い豪商であり、幼少から西と東を行き来し西の言葉を非常に巧み操る。今までの旅路にジャガルの自由開拓民が集落を築き上げてしまい、新たな道を作るべくモルガの森の開拓を提案する。

性格は誠実ながら『草原の民』らしく強い好奇心を持つ。神を乗り換えたシュミラルに興味を抱いた事が縁で『森辺の民』と交友を結ぶ。


占星術師。17歳。

占星術師であった高名な祖父が藩主の死を読み当てた事で怒りを買い、一族共々シムを追放された。西を放浪した末に次々に家族を失い、ジェノス侯爵の賓客として招かれる。

アスタを『星無き民』と告げてしまった罪悪感から贖罪を果たそうとしているが、淡い恋心も寄せていく。

人形のように感情を崩さないが意外と性根は太く、ディアルと懇意の仲になろうと奮闘している。好物はギバカレー。


山の民

『ゲル』藩主の長兄。既婚者。21歳。深紅の髪に青い瞳を持つ。

《颶風党》の謝罪をしにナナクエムと共にジェノスを来訪する。かなりの美食家で食事の感想は審査員の如く卓越している。アスタに関心を抱き、料理の腕を絶賛した。正直者で理屈が多い。


『ド』の藩主の長兄。19歳。黒褐色の髪に紫色の瞳を持つ。

《颶風党》の謝罪をしにアルヴァッハと共にジェノスを来訪する。アルヴァッハと比べると一般的な貴族に近く、彼の理屈を宥めている事が多い。罪を犯す同胞に憤りを感じている。


『ゲル』の藩主の屋敷の料理人。13歳。金褐色の髪に紫色の瞳を持つ。

アルヴァッハを満足させるために料理修行の旅に出た父と共に各地を旅していた。彼女の才能を見込んだアルヴァッハからジェノスでの料理修行を提案され、了承する。一本気な性格で、料理のことになると熱情が表に出やすい。


石都の民

数百年前のシムの伝承に登場する偉人。本名は『ミヒャエル・ヴァルコンスキー』。

東の『星無き民』でその起源でもある。金髪に白い肌から『白き賢人』と語り継がれている。ある日シムに現れ争いに疲弊したラオの部族に知識を提供し他の部族達をまとめ、一つの王国を作り上げた。宰相として国を繁栄させたが王女との恋を許さなかった王に追放され、姿を晦ます。シムに「安寧と繁栄」をもたらした。

泥を干乾煉瓦に変え、木材と石材での武器造り、そして塔の建設など建築や工作加工を得意としていたのでおそらくは建築士と思われる。アスタはロシア人と推測している。


南の民

年に一度、ジェノスに訪れる建設屋の棟梁。49歳。

『森辺の民』への嫌悪とハンバーガーのひき肉の違和感から営業妨害とも呼べる程喚きたてたが、ミャームー焼きを食してから一変してギバ肉を好むようになった。

『森辺の民』やアスタと縁を結び、アムスホルンの寝返りでは倒壊したファ家の家を建て直した。仲間からは「おやっさん」と親しまれている。ギバの角煮が好物。


バランの仲間で副棟梁。44歳。

バランと比べると理性的。ギバの角煮が好物。


鉄等を扱う豪商の娘。出身。17歳。二色の毛色が特徴。

美少女であるが常に少年のような恰好をしており、一人称が「僕」である事から初対面のアスタには男と間違えられてしまう。三人姉妹の長女。

『南の民』の中でも特に直情的な性格の持ち主で感情を剥き出しに罵る癖があり、後悔する事が多い。リフレイアの友人でアスタの誘拐事件の発端となった。

アスタに淡い恋心を寄せており、彼が関わるお茶会やパーティには積極的に参加している。城下町で支店を持つようになってからはアスタを通して『森辺の民』に調理道具を販売している。アリシュナとは何かと会う事が多い。ギバの角煮が好物。


ディアルの従者で護衛を担う剣士。亡き使用人の息子。21歳。

『南の民』の中では珍しく長身で感情を曝け出さず常に冷静沈着。

ディアルの前では非常に頑なで私情を挟まず従事している。従順すぎるあまり、時としてディアルの暴走を咎めることもしない。主人家族を何よりも大事に思っている。


バランの弟。45歳。

若い頃に賭け事に夢中で両親から勘当されたが、現在はネルウィアで名の知れた商人として真っ当に働いている。タウ豆で味噌を開発し、アスタの評判を聞きつけて商売を持ちかけようとジェノスを訪れた。自国の貴族に不平等な取引を強いられた経験から貴族に不信感を抱いているがポルアースには心を許している。


デルスの護衛剣士。

先祖返りで大きな体格を持つ。過去、ジェノスの剣技の大会では四位をとった。

剣士としての腕は優秀で『森辺の民』と『赤き民』の実力を肌で感じる事ができる。

味にうるさく、美女にも目がない。純朴な人物で方言が特徴。


北の民

トゥラン家の奴隷。幼少の頃に親を殺され、兄共々『西の民』の奴隷となる。

西の言葉の上達の速さからトゥラン家に引き取られ、兄と引き離された生活を送る。温和な性格で己の立場を弁えており、理不尽な暴力を受けても決して逆らわない。

リフレイアが誘拐したアスタの料理に感銘を受け、不思議な感情を抱く。サイクレウスの失脚後はリフレイアの侍女として働き、彼女の心の支えとなっている。


シフォンの兄。西の言葉は話せるがつたなく、トゥラン家に引き取られなかった。

トゥラン家を失脚させた張本人であるアスタの噂を知り、妹の生存を確かめるべく接近する。『森辺の民』から美味なる食事を受けた事で感謝を抱く。妹と同じく穏やかな性格。斧でギバを追い払うなど高い身体能力を持つ。


現代

親父

『つるみ屋』の亭主。料理人。アスタの父親。

アスタ曰く「頑固者の偏屈者」であり、自覚のない変人と評されている。しかし息子からは料理人としても尊敬されていた。日本料理と共通するイタリア料理を好んでいる。

妻を早くに亡くし、男手一つでアスタを育てた。土地を狙った悪党により車に轢かれて重傷を負い、店も放火される。大切な三徳包丁の救出をアスタに頼み、結果として息子を失ってしまう。


玲菜

アスタの幼馴染。小柄な少女。

アスタとは家族のような間柄で異性として思わず、兄妹のような関係を築き上げていた。

『つるみ屋』が放火され、火の中に飛び込むアスタを必死で止めた。


世界観

アムスホルン

物語の舞台となる大陸。西の王国セルヴァ、東の王国シム、南の王国ジャガル、北の王国マヒュドラの神の名を冠する四つの王国のほか、いくつかの独立小国と、いずれの王国にも属さない自由開拓民の集落が存在する。セルヴァとマヒュドラ、シムとジャガルはそれぞれ戦争状態にあり、直接の交流を行っていない。

異世界ではあるが魔術の類は基本的に存在せず、鋼と石を基礎とした文明が繁栄している。ただし、ごく一部において星読み等の人知を超えた魔術らしき力がひっそりと残っている。

また、これらの全ての王国では共通して火神セルヴァ・風神シム・地神ジャガル・氷神マヒュドラの四神が信仰されている。王国民及び自由開拓民はこれら四神のいずれかを父とし、魂を捧げて祝福を受ける習わしがある。この祝福に基づく名乗りには非常に強い信用があり、その場で虚言を弄すと死後に魂を砕かれてしまうと言われる。


西の王国セルヴァ

アムスホルン大陸の西国。別名『西の民』。象徴とする色は赤。守護神は火神セルヴァ。

身体的特徴は肌色が黄褐色又は白色。髪色は様々。四カ国の中では平均的で特に際立った特徴がない。温暖な気候で年の二か月間は雨期がある。北とは宿敵である他、独立したゼラド公国とも戦争をしている。


森辺の民

辺境都市ジェノスのモルガの森に住む人々の俗称。森を母とし、ギバ狩りを生業とする部族。薄い褐色の肌が特徴。総じて身体能力が高く、虚言を罪とする厳格で清廉な一族。森の恵みを搾取することは禁じられており、領主との不平等な取り決めを愚直なまでに守り続けている。

危険な森の奥で厳格な掟に従って生活している閉鎖的な部族であり、内部事情は非常に厳しく、腐敗した族長一族の下、死と隣り合わせの生活と極度の貧困によって過酷な生活を送っていた。

元々は南の王国の黒き森で黒猿を狩る蛮族であったが、約80年前に故郷を追われて難民として流れてきた際、当時のジェノス侯爵にギバを狩ることを条件に安住を許されたという経緯がある。そのためアスタが訪れた時点では、獲物の血抜きや調理技術、金銭の価値基準、文字の読み書き、四大神の概念など基本的な生活知識がいびつに欠落した状態にあった。

ジェノスでは『ギバ喰い』と蔑称され、宿場町や城下町の民とは長らくお互いに忌避しあう状況にあったが、アスタの出現を機に大きな変革を迎え、族長の在り方や外部との交流方針を一新。不慣れな交流を徐々に進めながら、ジェノスの一員たる心構えをもって新たに歩き出すことになる。


赤き民

聖域の一つであるモルガの山に住む狩を生業とする部族。外界からの呼び名は『赤き野人』。『聖域の民』ともいわれる。

髪、瞳、肌色が赤く、低身長なのが特徴。聖水で染めているので地は白い。それぞれマダラマとバルブを友とする二つの部族が対立している。女性優位で族長も嫡子も女である。

数百年前に交わされた約定に従い、大神アムスホルンが眠りにつき四大神の王国の歴史が始まった頃から外界(鋼と石の文明)との交流を完全に断っているため、森辺の民を含むジェノスの領民たちからは彼女らがどのような存在か全く知られていなかった。

非常に優れた身体能力と動物並の感覚を持つが、樹の上での戦闘を得意とするので地上だと『森辺の民』よりも劣る。


東の王国シム

アムスホルン大陸の東国。別名『東の民』。象徴とする色は黒。守護神は風神シム。

身体的特徴は黒い肌・長身。肉を付けることを良しとしておらず、細身が多い。感情を表面に出すことを恥じとし、常に無表情を装っている。

石都に存在する王のもと、七つの藩から構成されている。藩によって民の在り方が大きく異なるのが特徴。香草の生産が盛んである事から肥沃な土壌である事が窺えるが、鉄が少ない。国土は西より広大。

トトスや動物等に心を通わせるのが上手く、『森辺の民』にも受け継がれている。南とは数百年に渡る宿敵である。


石都の民

藩の名称は『ラオ』と『リム』。山、草原、海の民を各地から集め商いをしている。

気質は『西の民』に近い。白き賢人ミーシャの導きで繁栄し、都には彼が設計した塔が建てられている。


草原の民

藩の名称は『ギ』と『ジ』。戦地から遠く離れた土地柄故に平和的で温厚な気質なのが特徴。毒を扱うのが最も巧みという側面を持ち、一人で十人の戦力と謂われる。他国へ渡り商いを営む唯一の部族。父神をシム、母神を草原と崇めている。


山の民

藩の名称は『ゲル』と『ド』。『東の民』の中でも非常に好戦的で力を持て余し、友好国であるセルヴァ、マヒュドラ、自国の民でも危害を加える程、恐れられている部族。

実は一部の大罪人による風聞に過ぎず、真っ当な『山の民』はムフルの大熊を狩る一族でありむしろ『森辺の民』の北の一族と似ている。ちなみに《ゲル》の部族は鉄が豊富なので『森辺の民』と同様に毒の技術は廃れている。

近年ではマヒュドラとの混血が進み、優れた体格と剣術まで兼ね備えている。毒まで扱うので、一人で二十人の戦力と謂われる。

数百年前に『ガゼ』に続き『ラオ』の部族を『海の民』と共謀して土地を強奪したがミーシャの恩恵を受けた『ラオ』の部族に敗北した。父神をシム、母神を山と崇めている。


海の民

藩の名称は『ドゥラ』。数百年前に『ラオ』の部族を『山の民』と共謀して土地を強奪したが、ミーシャの恩恵を受けた『ラオ』の部族に敗北した。

父神をシム、母神を海と崇めている。


雲の民

シム八番目の部族。各地を放浪する力を持つ部族であったが『山の民』の襲撃に遭い、他の部族との戦を恐れて新天地を求め南へ渡る。黒き森で『赤き民』と離別した『白き女王』の一族と契を交わし、部族名の『ガゼ』は族長筋の氏となった。『森辺の民』の始祖の一つ。


南の王国ジャガル

アムスホルン大陸の南国。別名『南の民』。象徴とする色は黄色。守護神は地神ジャガル。

身体的特徴は白い肌と小柄な体型。緑色の瞳が多い。

素直を美徳としており、かなり直情的な気質を持つ。白い肌なので樹液を塗らなければ肌が焼けてしまい、その体質を『東の民』からは「我らの土地を奪った呪い」と言われている

マヒュドラと通じる気質とその特徴から同じ血族であると伝承があり、特に南側では先祖返りと呼ばれる人間が生まれやすい。武器は剣よりも斧を得意としている。貴族の衣装は古代ギリシャ人の恰好に近い。大陸の中で特に鉄が豊富。東とは数百年に渡る宿敵である。

ちなみに80年前、当時の軍兵が『森辺の民』を恐れるあまり黒き森を放火し、その罪を東の王国(『森辺の民』が東でなく西へ向かった原因)に擦り付けた挙句、生き延びた彼らを西の王国に押し付けるという非道を犯している。

そして神を乗り換えた『森辺の民』に未だ強い嫌忌と偏見が残っている。


北の王国マヒュドラ

アムスホルン大陸の北国。別名『北の民』。象徴とする色は青。守護神は氷神マヒュドラ。

身体的特徴は白い肌と大柄な肉体。金髪と紫の瞳を持つ。男は陽気で豪放、女は質実で物静かな気質を持ち、『南の民』と共通する。

人食いの動物を食らうので、『西の民』からは蛮族と呼ばれる。大陸の中では海産物が豊富で、外の大陸『竜神の民』と交流している。西とは宿敵である。


星無き民

異世界のアルスホルン大陸に渡った異なる異世界人の別称。

星読み(運命)の術を持つ東の王国が起源である。星無き民は異なる世界の生まれなのでこの世界の星を持たず黒き深淵として数々の星に絶大な影響を及ぼす。

そして『星無き民』が現れると星図が変わる為、世界が大きく揺れ動くとされる。ゆえに高名な占星師でさえ星無き民の運命とその影響を読み解く事は不可能である。

現時点では四大王国の中でアスタを含めて二人登場している(一人は遥か昔の人物のため詳細不明)。アスタの経歴から渡った者は死者であり、その死因も神々の司る属性に関連している(例・アスタ→焼死)と推測されるが、詳しいことは全くわかっていない。

ちなみに『危機に瀕している部族』の前に現れ、その地は激動の運命を迎える事となる。


北の守護神。属性は氷。

召喚者:未定


東の守護神。属性は風。

召喚者:ミヒャエル・ヴァルコンスキー

功績「部族との終戦による建国。建設技術、武器加工」

部族「石都の民(ラオ)」


西の守護神。属性は火。

召喚者:津留見明日太

功績「食材の加工と美食。罪人の断罪」

部族「森辺の民


南の守護神。属性は大地。

召喚者:未定


生き物

本作に登場するのは、一部を除き、地球の生物ともファンタジーの定番の生物とも全く異なるオリジナルの生物のみとなっている。例外は人間、犬、そして猫程度(それらが地球のそれと同じであるという保証はない)。

食材として登場する場合も同様であり、地球の食材と似た性質を持つ食材は存在するが、全く同じものは登場しない。そのため、これらで地球の料理を再現しようとする場合は、食材の特性を学び、不明点は自ら調べ、扱い方の違いを明確にしてから用いる必要がある。


ギバ

西の王国モルガの森に生息する動物。二本の角と二本の牙、黒褐色の毛皮とずんぐりとした体型を持ち、地球の猪とよく似ている。

食性は雑種で森の恵みを好んで食べる。繁殖能力が高く、一日に五十頭を仕留めても数が減らない。『森辺の民』が移住するまでは田畑を荒らし、巨体で凶暴さも相まってジェノスの災厄と今でも恐れられている。実はモルガの森の中では序列は下である。

肉は非常にまずいとされ、それを食する『森辺の民』が『ギバ喰い』と蔑称される理由になっているがそれは血抜きをしていない肉を食べた人間が広めた風聞に過ぎない。

癖はあるものの肉は猪と同じく上質であり、金額はカロンとキミュスの中間。

『森辺の民』は牙や毛皮、肉を売り生計を立てている。


カロン

西の王国に生息する動物。肉厚の体躯を持ち、四肢も首も太く鼻が長い。地球のバグに似ているが巨体。食性は草食。肉質は牛に近い。乳は水牛の味。

ダバックではカロンを育てている酪農牧場がある。金額はギバとキミュスより上。


キミュス

西や南の王国に生息する動物。地球の鶏、カモノハシ、兔を掛け合わせたような姿をしている。

肉質は鳥。卵も同じ。金額はカロンやギバより安い。


ヴァルブ

モルガの山に住む動物。狼。モルガの三大動物の一つ。

美しい白毛を持ち、巨体。マダラマと対立している。


マダラマ

モルガの山に住む動物。蛇。モルガの三大動物の一つ。

美しい白い鱗を持ち、巨体。バルブと対立している。


ムント

モルガの森に住む動物。腐肉を好み、森の掃除屋的な意味を持つ。人間からは嫌忌されている。


黒猿

南の王国に生息する動物。聖域の一つである黒き森に住み、当時の『森辺の民』の狩猟対象であったが80年前に兵士に森を焼き払われた事で絶滅した。食性は雑食で別名『人食い』。


トトス

アムスホルン大陸に生息する鳥獣。

主に騎乗用として用いられ、地球でいう馬のような扱いを受けている。食性は草食。性格は従順。肉質も卵も食せるが大味。東の王国では特に愛用されている。




アムスホルン大陸記

「異世界料理道」の約20年後の未来を舞台とした、作者の別作品。

この時代では食事事情の改善と猟犬の恩恵により『森辺の民』の人口が増加し、ギバを狩りつくしてしまうので狩人達は町で副業を両立させている。中には貴族の護衛勤めもおり、その一行が王都の事件に巻き込まれる形で物語に深く関わっていく。

ちなみに王都の兵や西の王国の狩人達が驚愕する程、『森辺の民』の身体能力は別格として描かれており、化け物と称されている。


メルセウスの従者。17歳。父親は剣技の大会で現ジェノス領主に勝利し優勝している事からシン=ルウとララ=ルウの息子と思われる。美少年で非常に優れた剣術を持つ。


メルセウスの従者。16歳。ゲオル=ザザの息子。陽気かつ豪放な性格で一行ではムードメーカー的な存在。トトスを巧みに操ることができる。


メルセウスの従者。23歳。ライエルファム=スドラの息子。

長身痩躯で冷静沈着な性格。父親譲りの聡明な頭脳を持ち、一行では最年長。


ジェノス領主メルフリードの第三子で嫡子。18歳。二人の姉を持つ末っ子。

容姿は母親似で祖父と似た優雅さを併せ持つ好青年。ジェイ=シンとは友人同士。

料理道本編ではまだ産まれてないが、オディフィアの夢でその存在が示唆されている。


ジェイ=シンの妻。アスタとアイ=ファの娘。明るい性格で、菓子作りを得意とする。

剣術の心得があり、かなりの腕前を持つ。聖剣を授かったことで魂を削られることになったジェイ=シンを癒す鞘の役目を担う。


関連タグ

小説家になろう 異世界転生


外部リンク

WEB版『異世界料理道』

公式サイト

コミックファイア(コミカライズ)

※書籍版(既刊16巻)イラスト及び漫画(既刊2巻)はこちも氏が担当している。

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