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鉄腕アトム

てつわんあとむ

手塚治虫の最も有名な漫画にして国産第一号の毎週放送シリーズアニメ。
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概要

21世紀の未来を舞台に、核融合をエネルギー源として動き、人と同等の感情を持った少年ロボット、アトムが活躍する物語。

原作は1951年から雑誌「少年」に連載され人気を博した。特に子供たちに与えた影響は大変に大きなものがあり、本作を知ったことでロボット工学者を志し、そして夢を叶えた少年たちはロボット大国日本への道を作ったのである。

日本初の30分の連続テレビアニメでもあり、本作の日本アニメへの影響は計り知れない。
また2015年にはフランス版鉄腕アトムの制作も発表された。

主人公のアトムについて

天才科学者・天馬博士によって世界最高クラスの技術を結集して作り出されたアンドロイド少年。人間と同じように考える力を持っており正義と愛を強く信じている優しい性格の持ち主。天馬博士は事故死した息子のトビオの生まれ変わりとして、狂気の果てに彼を作り上げたのだが、ロボットは成長しないという致命的な欠点に遅まきながら気が付き、愛情が冷めて彼をサーカスに売り飛ばしてしまう。
その後しばらくの間、ロボットサーカスの見世物としてこき使われる日々を送っていたが、偶然その場に居合わせたお茶の水博士に救われ、博士の温情により温かい家族と友だちに恵まれ、ようやく平穏を得る。
そして自身の体に内蔵された七つの威力と呼ばれる力を使い、世界の平和と愛する人々を守るために、時に人間からの差別に直面し己の身に宿る科学の力ゆえの苦悩や悲哀を味わわされながらも、懸命に戦い続ける。

特殊能力・七つの威力は登場媒体によってころころ変わるが不変の能力としては十万馬力の怪力(ただし漫画の物語の途中で一度百万馬力に変わっている)・何十カ国語も通訳できる高性能な電子頭脳足のジェットエンジンで飛行(ただし宇宙空間ではロケット噴射に切り替わっての飛行になるらしい)が挙げられる。

本作のテーマについて

本作のテーマは決して科学賛美ではない。手塚は元々1949年発表の『メトロポリス』において、「人間もその発達しすぎた科学のためにかえって自分を滅ぼしてしまうのではないだろうか?」というテーマを主張しており、近代文明の発展を単純に肯定してはいなかった。

本作のテーマは「ロボットを虐げる人間と虐げられるロボットの対立と差別」であり、アトムは万能な科学の力を持ちながらも時に人間からの差別に直面し、思い悩むという重いテーマを背負ったキャラクターである。
戦後日本の発展と科学の進歩に伴い、本作も明るい未来を描いたものだという見方が強まっていき、本来伝えたかったテーマと世間一般の評価の乖離が目立ってきたことを、手塚自身、残念に思っていたことを自著で述べている。

また、鉄腕アトムの起動源に関しては誤解されがちであるが、有害な核分裂エンジンではない。手塚治虫は後年に公式にクリーンエンジンである核融合で動く発表した。
(しかし有害な原子力推進のPRに鉄腕アトムを無断使用され、当時の手塚が遺憾の意を表すと共に反原発の意思を明確に示したという事件も起きた。鉄腕アトムは有害な原子力発電ではなく太陽と同じの夢のクリーンエンジンである核分裂エンジンである。つまり鉄腕アトムは太陽と同じという設定であった。)

手塚治虫は鉄腕アトムについて次のように発言している

「アトムは、初期の2,3年の間は書いていて楽しかったのですが、あとは惰性の産物でした。ことに虫プロでアニメーション化してからは、怪物化したアトムを書いて苦痛だったのです。
しかし、作品としての評価は別として、主人公の魅力の点では、いまだにアトムは、実の息子のように、いやそれ以上にぼくは好きです。なぜならアトムは戦後二十数年をぼくの分身として、おなじような体験をし、おなじように育ってきたからです。アトムをみていると、ぼくの半生のさまざまな思い出や体験がよみがえってきます。そして、ことにマンガ家としての希望と意欲にもえていたかけ出し時代のぼくの姿が・・・」(1969年12月 手塚治虫全集「鉄腕アトム」20巻 小学館より)

実写版


1959年3月7日から1960年5月28日まで。全65話。毎日放送制作、フジテレビ系列で放送。

テレビアニメ第一期


アニメ「鉄腕アトム」は日本初の本格的なテレビアニメとして誕生した。
アニメ自体はそれまでの日本にもアニメ映画などで存在したが、1話30分の毎週放送する商業用アニメとしては初の試みであった。
鉄腕アトムは「日本のアニメは1話30分で途中にCMを挟み、毎回opとedに歌が入る。」という基礎を作った。(海外にも30分アニメは存在しない訳ではないが、5分アニメや15分アニメなどが多く、OPやEDに歌などが入るものは少ない。)

鉄腕アトムは日本で最高視聴率40%の怪物番組になり、大ヒットした。

その大人気はかつて鉄腕アトムをマスコットキャラクターにしたプロ野球チーム「ヤクルトアトムズ」が存在したほどである。ヤクルトアトムズは現在のヤクルトスワローズである。

しかし、鉄腕アトムのアニメは衝撃的な結末を迎え、最終回はアトムが地球を守るためにカプセルを抱いて暴走した太陽に突っ込むという内容であった。

そのため、当時の子供たちから「アトムを殺さないで!!」「アトム死んじゃいや!」という悲痛なハガキや電話がテレビ局や虫プロのもとに殺到したという。

テレビアニメ第二期


テレビ第2期(通称「昭和カラー版」)は、手塚治虫の第1期(モノクロ版)に対する不満を解消する予定で原作の設定を整理してスマートなアニメとして製作された。特にアトムの無版権デッドコピー機として登場した本シリーズのアトラスとアトムとの戦い、関係は、今なおアトムシリーズ最高作と評価させる向きもある。

加えてずばりタイトルそのまま『アトムの初恋』なるエピソードがある。ニョーカの項へ

しかし、1980年の放送開始直後こそ好調だったものの、1981年に入ると強力な裏番組、『Dr.スランプ アラレちゃん』の登場に圧倒される事になる。
奇しくも同じ人間型ロボット(アンドロイド)モノ同士の視聴率争いとなった。

テレビ第二期はOPで、第1シリーズと第2シリーズで同曲が使われた。この為累計使用話数は245話となり『ゲゲゲの鬼太郎』OPに次ぐ第2位であるが、中でも特異なのは本放送キー局が違うにもかかわらず同曲が使用されたことで、本作以外に類を見ない。

テレビアニメ第三期(『ASTRO BOY 鉄腕アトム』)



2003年4月から2004年3月までフジテレビ系で放送された。元来のアトムとは違い、さまざまなエピソードを交えながら、ロボットと人間の共存から対立、そして全面衝突と和睦への流れをハードかつシリアスに描く大河ドラマ色の強い展開となった。
詳細はASTROBOYを参照。

登場キャラクター


主題歌


オープニングテーマ


  • 前期・後期

「true blue」
作詞:町田紀彦
作曲:町田紀彦、吉松隆
編曲:山原一浩
唄:ZONE

  • 中期

「Now or Never」
作詞:m-flo、CHEMISTRY
作曲、編曲:m-flo
唄:CHEMISTRY meets m-flo

エンディングテーマ


  • 前期

「BOY'S HEART」
作詞、作曲:藤井フミヤ
編曲:屋敷豪太
唄:藤井フミヤ

  • 後期

「鉄腕アトム」(スカパンクバージョン)
作詞:谷川俊太郎
作曲:高井達雄
編曲:ha-j
唄:ZONE&Run Time All Stars

「鉄腕アトム」(バラードバージョン)
作詞:谷川俊太郎
作曲:高井達雄
編曲:山原一浩
唄:ZONE

鉄腕アトムの原作のその後



(以下ネタバレ注意、原作をこれから読むつもりの方は注意して下さい)

サンケイ新聞版

アニメ1作目の最終回はアトムが悲劇的な最後を遂げるが、サンケイ新聞版「鉄腕アトム」ではアニメの続きが描かれた。しかしサンケイ新聞版アトムは更に悲劇的な内容であった。

まず主人公のアトムは太陽に突っ込んだ後、奇跡的にも助けられたが代わりにタイムスリップしてしまう。
そこは50年ほど前の日本であった。

アトムは「ドロッピーのトム」という心を閉ざした少年と出会う。
アトムはドロッピーのトムを危機から助け出し、ドロッピーのトムは次第にアトムに心を許すようになる。そして、ドロッピーのトムは将来アトムのようなロボットを作ろうと思うようになった。
やがて彼は執念で科学省の長官にまで上り詰めた。

大人になったドロッピーのトムは『天馬博士』と呼ばれるようになる。
しかし、悲しいことに天馬博士の息子は交通事故で死んでしまった。そこで彼は科学省の粋を尽くし、昔自分を助けてくれたロボットに似せてロボットを作り始める。(原作ではアトムと飛雄が似てないのはこれが原因)

しかし、その様子を見守っていたアトムはあることに気づく。そう、このままではアトムが同時に2体存在してしまい、歴史がおかしくなってしまう。
そのためアトムはタイムパラドックスを防ぐために自殺を決意し、自分自身=もう一人のアトムが誕生した時に発生した電気エネルギー波に飛び込み死亡する。

その後、新たに誕生したアトムは「アトム誕生」の物語に続くように冒険を始める。しかし死んだアトムと生まれたアトム、両者は全く同じアトムであるがその後に冒険した内容は異なる。何故なら、タイムパラドックスによる時系列分岐で誕生した、違うアトムの物語だからである。(漫画やアニメなどが作品・シリーズごとに設定が少し異なるのはこれが理由)

…という内容がサンケイ新聞版の「鉄腕アトム」で描かれた。が、衝撃的すぎたためか、単行本化の際にごっそり削除された。現在では「復刻版アトム今昔物語」で読むことができる。
これは少し前に流行した「都市伝説ドラえもんの最終回」に酷似している。(大人になったのび太がドラえもんを作ったという都市伝説)。鉄腕アトムではこの都市伝説が流行るとっくの昔に同じアイデアを使っていた。

またサンケイ新聞版以降もアトムの活躍は続いた。

アトムの最後

しかし鉄腕アトムの世界の時系列で一番最後にあたる作品「アトムの最後」(別冊少年マガジン1970年7月号掲載)ではさらに衝撃的な続きが描かれている。
アトムの世界の最後はハッピーエンドとは程遠いものであった。
それは結局ロボットと人間はわかりあえず、人類はロボットに支配されアトムも破壊されて終了という悲痛な最後である。
鉄腕アトムの世界の時系列ではここで終わる。

小学館の学習雑誌版

アニメの続き、宇宙人によって改造され復活したアトムが地球に帰還し、元いた時代を目指しタイムトラベルをする。

小学一年生版 

1972年4月号~1973年3月号連載、作画:手塚治虫

小学二年生版 

1972年4月号~10月号連載、作画:馬場秀夫

小学三年生版 

1972年4月号~10月号連載、作画:宮添郁雄池原成利、手塚プロダクション

小学四年生版 

1972年4月号~9月号連載、作画:手塚治虫


さらに「鉄腕アトム」は読者の100人中100人が『未来の物語』だと信じて疑わなかったと思われるが、実は鉄腕アトムの世界は我々読者の世界から見て数万年前の『過去の物語』である。
我々読者のいる世界は鉄腕アトムの世界の人類が滅びた後、また猿から新しい人類が進化したことによって成立した世界である。その内容は「アトム還る」という物語(前述した「小学四年生版」の増補改訂版)で語られる。


…我々、現在の人類は鉄腕アトムの世界の『ロボットと人が殺しあって滅びた過去の人類』の歴史を絶対に繰り返してはならない。

スピンオフ

後に「地上最大のロボット」のエピソードを原案に浦沢直樹が「PLUTO」を執筆、また姫川明が「ASTROBOY」版をコミカライズしたほか、「青騎士」のエピソードなどをリメイクしている。
現在、小学館クリエィティブ発行 / セブンイレブン発売の「月刊ヒーローズ」にて、ゆうきまさみ / カサハラテツローによる鉄腕アトム誕生までの物語『アトム ザ・ビギニング』が連載中である。こちらに関しては2017年春にテレビアニメ版の放送を予定。

また、GBA用アクションゲームとして発売されたゲーム版ASTROBOYはスターシステムにより手塚キャラ総出演でリメイクされた豪華な作品であり、「スーパー手塚大戦」などと呼ばれたりしている。

余談

  • カプコンのゲーム「ロックマン」シリーズの第一作目は「オリジナル作品では売れない」という考えで、当初アトムを題材にしたゲームとして開発される企画だったらしい。そのためか、レトロフューチャー的な世界観や丸みを帯びたロボットのデザインがどことなく「鉄腕アトム」と似ている。
  • 東京ヤクルトスワローズは産経時代の1966年からヤクルト時代の1973年まで「アトムズ」と名乗っておりペットマークなどにアトムが使用されていた。これはフジサンケイグループで鉄腕アトムが放送されていたためだが、虫プロ倒産の影響でスワローズに改称しマスコットは使用中止となった。なお、2008年にはヤクルトアトムズ復刻イベントが行われた。中でも5月22日には埼玉西武ライオンズと対戦し同じく手塚治虫がデザインしたレオライナアトムが共演した。


外部リンク

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