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T-ウイルス

てぃーういるす

映画・ゲームになっている『バイオハザード』シリーズに登場する、世界的製薬会社「アンブレラ社」が極秘裏に開発したウイルス。
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表記ゆれについて

本記事タイトルは実際は表記ゆれの1つであり、本来は「T」と「イ」を小文字にした「t-ウィルス」(t-Virus)が正確な表記となる。

ただし、シリーズ初期の作品では「T」と「t」が混在していた他、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演による実写映画版作品の字幕では本記事タイトルの表記が用いられているため、現状この記事は間違いでもない。


概要

世界的製薬企業・アンブレラ社が極秘裏に開発したウィルス。

正式名称は「タイラント・ウィルス」(Tyrant Virus)。


性質

感染した生物の代謝を異常促進させ、死んだ細胞も強引に活動するほどの強大な生命力、胸等の急所に銃弾を何発も受けても死なない耐久性を与える代わりに、大脳皮質の壊死による前頭葉の破壊を起こして知能低下を引き起こす。


その他に、感染した生物によっては異常な巨大化、体の一部分に異様な発達を起こす。また、異種間での遺伝子交配の成功率を上げる性質もあり、生物兵器の改良が容易になる。


これらの性質を利用して、強力な生物兵器を作り軍需産業で巨大な利益を上げようというのがアンブレラ社の狙いであった。しかし、総帥であるオズウェル・E・スペンサーには別の思惑が……。


感染対象と主な症状

これに感染した生物、特に人間の場合は理性的な思考・記憶を失い、本能的な欲求(生存欲求に伴う捕食)にのみ基づいて行動するようになる。(この状態を便宜的にゾンビと呼ぶ。)

加えて、死滅した細胞をも無理矢理動かす程の激しい代謝活動を大量のエネルギーで賄うべく、胃酸の濃度が上昇して食物を素早く消化吸収出来るようになっており、大量のエネルギーを摂取しやすい肉を優先的に求める。


ゾンビ化に至るまでには遅くても数日、あるいは数時間など個人差があるが、怪我等で体力が衰えた者は特に進行が早い。


初期症状として発熱・嘔吐感・倦怠感といった風邪のようなものが表れ、まだウィルスが侵食を始めて間も無いこの間に後述の抗体を投与すれば、ほぼゾンビ化を免れる事が可能。

続いて全身の皮膚の痒みの症状が表れ、次第に知能低下や皮膚の壊死を経てゾンビ化。皮膚の痒みは、T-ウィルスによる新陳代謝の異常向上による顕著な特徴であると同時にウィルスの侵食が脳幹に達した事を意味し、この症状が出た時点でほぼ手遅れである。


更には植物すら感染・変異を促し、巨大化以外に一定の知能を獲得した例も存在する。アウトブレイクにも種類こそは違うが同じ。


ゾンビ化した人間への主な対処方法は脳や脊椎、首へダメージを与えること。

殆ど死体だが一応生物であるため、運動を司る神経系を破壊してしまえば殺せる。


バイオハザード発生時のラクーンシティでは多数の機動隊や警察が対処に当たっていたが、当時は脳関連へのダメージが有効ということが知られていなかったため、本来の急所である胴体に撃ち込む等して浪費してしまったのが被害が拡大した一因とされる。


感染ルート

本編ではウイルスを摂取したネズミやゴキブリを媒介し、生活用水から拡大していった。


汚染水などの経口摂取、あるいは感染した生物などの血液経由で感染するので、感染者に噛まれたり引っかかれたりすれば即感染する。

一方で変異性が強いために、拡散・流出直後を除き空気感染の危険性は低い。しかし、ウィルス汚染が深刻な地域では、長時間居続けると感染する。

また、空気感染については瞬間的に大量のウィルスを吸引すると即死に至る事もある。


その他情報

ベースはアフリカの奥地で発見された未知のRNAウィルス『始祖ウイルス』。

正確には始祖花に付着しているウイルスであり、アンブレラが生息地を略奪するまで原住民のンディパヤ族が幾世代にも渡って守護していた(後に彼らはマジニにされ『5』で敵として登場する)。

当初の開発目的は現在とは異なっており、人間を超人に作り変え、常人を遥かに凌ぐ戦闘力を有した不死身のスーパーソルジャーを量産するための手段として研究が進められていた。

やがてヒルを用いた実験でT-ウイルスが完成した。

ただし、完成したのは人間をゾンビに作り変え、深刻なバイオハザードをもたらす制御不能の危険物でしか無かったため、実は兵器としては失敗作である。


しかし、前述通り感染体によっては異常な巨大化、体の一部分の異様な発達を促す、異種間での遺伝子交配の成功率を上げる危険な性質を利用して、より高い完成度を持つ生物兵器の開発を模索され、それにより軍需産業で巨大な利益を上げようというのがアンブレラ社の狙いであった。

その後、「G-ウイルス」や「T-Veronica」「t-Abyss」など、様々な亜種が開発されている。

それと同時に生物兵器が世界各国に流出してバイオテロが多発する事となった。


ちなみに、10人に1人の割合で生来完全な抗体を持つ者(主に本編の主人公達)がいる。この性質だけはどんなに改良しても改変されることはないと断言されており、スペンサーがT-ウィルスに満足しなかった理由のひとつでもある。それでも高濃度のウィルスを直接体内に注入され感染するケースもある。

更に、1000万人に1人の割合で知能低下などを起こさずウィルスを制御出来る完全適合者も存在する。


なお、アンブレラ内やその他の研究機関などにおいて様々なウイルス抗体が開発されており、特にラクーン大学で開発された「デイライト」という特効薬は、抗体持ちではない人間でも体内のT-ウイルスを即死滅させ、投与後も体内に抗体が維持され永続的に感染を防ぐ事が可能。これはT-ウイルスによって変異したイレギュラーミュータント、または生産された対B.O.W.兵器としても有用で、感染体やB.O.W.らの活動源となるウィルスを即座に死滅(=即死)させるため非常に強力。

また、『アウトブレイク』ではシリーズでお馴染みの回復アイテムであるハーブ類に、傷の治療や解毒作用以外に、T-ウィルスの侵食・症状の進行を僅かながら抑制する効果がある事が判明している。


ゲーム版ではウィルスは緑色だが、映画版では青色に変更になっている。


また、T-ウイルスを応用したと思われる『試作型ウイルス』なるものが開発されており、これはウィリアム・バーキンから受け取ったアルバート・ウェスカーが使用。

バーキンが試作型ウイルスと一緒に渡したと思われる、動物実験を経たウイルスの性能を記した「ウイルスメモ」によると、これを投与され一度死を迎えた生物は、9割の確率で蘇生(内7割で身体機能が強化される)する。これは恐らく、後述のクリムゾン・ヘッドを生み出す性質を発展させたものと思われる。

具体的な使用条件としては絶命は外的要因である事と、その約5分前にウイルスを投与する必要がある事。使用者のウェスカーは自身にタイラントを襲わせる事で条件を満たし強化蘇生に成功、強靭な肉体と迅速移動能力を獲得した。

ただし、試作段階のために身体強化はウイルスに身体が馴染むまではすぐには完了せず(数年単位)、更にウイルスとの共生バランスを維持するためには定期的に専用の安定剤である『PG67A/W』を必ず適量摂取しなければならない。また、その適量を守らないとウイルスとの共生が安定するとは逆に共生バランスが不安定になる。性質的にこれは実写映画版の抗ウイルスワクチンとほぼ同じである。


しかしながら、確認された限り身体強化は不死身と見紛う程の耐久力の向上、銃弾を見切れる程の動体視力、瞬間移動に近い移動能力、更に加齢してなおも衰えず若々しい姿を保っているなど驚異的な性質を持っている。


なお『アンブレラ・クロニクルズ』でのムービーで、タイラントに殺される前にウェスカーがこの試作型ウイルスを自身に投与するシーンがあり、その際に確認出来るウイルスの色はG-ウイルスと同じ紫色。


小説『バイオハザード北海の妖獣』では「N(ネオ)・Tウイルス」という改良版が登場。感染者の知性を失うという欠点を克服し、命令に従える知能を維持したB.O.W.を作り出せる。


実写映画版

大筋は原作準拠であるが、独自の設定も追加されている。

1つは難病を治す効果であり、劇中ではT-ウイルスの投与で筋ジストロフィーの治療に成功した事が語られたが、ウイルスの変異を抑えるために定期的に抗ウイルスワクチンを接種しなければならない。

2つ目は生物だけでなく自然環境をも蝕む感染力であり、2作目の後に流出したT-ウイルスで世界中が砂漠化して文明社会を崩壊させた

後者に関しては原作を無視し過ぎた設定であったせいか、賛否両論となっていた。


T-ウィルスによる主な生物兵器

ゾンビ

「バイオ」を語るに欠かせない代表的クリーチャー。

厳密には兵器ではなく、T-ウィルスに感染しその効果によって食欲のままに動き回る怪物と化した人間達である。このゾンビは別名「活性死者」と呼ばれ、医学的には既に死亡している。尚、ゾンビと言うと死からの復活を想像しがちだが、T-ウィルスに死者を蘇生させる能力はない。

彼らはあくまでも『突発的変異により人間的知能を失い本能と爆発的なまでの代謝が求めるままに栄養補給(端的に言えば捕食)を行い続ける存在』であり、『歩く死体』とは一概に言い切りにくい。

恐怖の定番クリーチャーとしては勿論だが、彼らも元々は人間であり、生物災害に真っ先に巻き込まれた被害者である事を考えれば、この物語が如何に悲劇性を帯びているかが解る。

『1』で飼育員の残した日記、所謂「かゆい うま」はあまりに有名。

今でこそこのフレーズはネットスラングとしてネタっぽさが付きまとうようになってしまったが、ゲーム発売当時は、ゾンビ化していく飼育員の心境を描いた不気味な文章として人気を博していた。


耐久力などは感染した人間の身体能力にある程度左右され、特に警官や軍人といった訓練を受けていた者は耐久力以外に歩行速度なども僅かに早い。

また、外部からのダメージで一度休眠期間に入り、その間に体組織の再構築や活性化を促す『V-ACT』という作用を引き起こす事があり、これによって通常のゾンビとは比較にならない俊敏性と身体能力を獲得したクリムゾン・ヘッドに進化する。これを事前に防ぐには通常のゾンビ同様に頭部を破壊する、または他の部位を破壊するか休眠期間中に焼却してしまう事が挙げられる。こちらの設定はリメイク版(ゲームキューブ)にて新しく登場した。


その他、十分なエネルギー吸収を維持する事に成功したゾンビは、リッカーに変異する事も確認されている。


ケルベロス

犬種の1つ、ドーベルマンへT-ウィルスを投与したもの。『1』の洋館研究所の資料でB.O.W.「ケルベロス」と判明する。

腐敗しても変わらぬ俊敏な動きとウィルスの影響によって強化された凶暴性・耐久性によって苦しめてくる他、複数頭での集団戦を行うなど、本能的な習性も残っている。

『2』で登場するものは、元々警察署で飼われていたドーベルマンがT-ウィルスに二次感染した「ゾンビ犬」。

ケルベロスがB.O.W.として人為的に作られた存在である点に対し、後者はT-ウィルス漏洩の副産物で言わばケルベロスの亜種(クリーチャー)的な存在にあたる。


ハンター

異種間の遺伝子交配の成功率を上げるというT-ウィルスの性質を利用し、人間に爬虫類の遺伝子を組み込んで作られた、人型巨大爬虫類(後に両生類バージョンなどの亜種も)。見た目は架空種族のリザードマンみたいなトカゲ人間。

ドアの開閉以外に、簡単な命令(「遭遇した者を全て排除せよ」など)ぐらいなら実行できる程度の知能と、爬虫類の優れた感覚・運動能力・凶暴性を備え、しかも製造は容易で安価という傑作生物兵器。

『1』での初登場シーン、プレイヤーが辿った経路を猛スピードで辿り追跡してくるハンターの視界を描いたムービーは、多くのプレイヤーを恐怖させた。

ただこの実験にはラクーンシティ内のホームレスが使われており、多くの行方不明者を出している。


タイラント

アンブレラ社が開発したB.O.W.の中でも最も完成度の高い生物兵器。

人間の成人男性をベースに、T-ウィルスを感染させた上でさまざまな肉体強化を加えて作られた強化人間。

ハンター以上に優れた思考能力を持ち、複雑な命令も遂行できるほか、対象の武器の仕組みを理解して回避行動を取るなど、耐久力や戦闘能力においてもハンターを凌駕する。暴走というリスクを伴うが、リミッターを解除する事で更なる強化も可能。

ただしこのタイラント、高いウイルス適合率が必須であり、これが足りなければただのゾンビになってしまう。このため完全適合する1000万分の1の人間しか素体にはできない。

『1』をはじめとして、いくつかの作品でボス級キャラとして登場する。

基本的には「T-002型」と呼ばれるものが有名だが、試作品である「プロトタイラント」、寄生生物を植えつけた「ネメシス」のほか、「タナトス」「テイロス」などさまざまな亜種が存在する。量産型としては『T-103型』が有名。詳細は不明だが、新作バイオハザードヴィレッジにはこのタイラントに顔の似たキャラが少しだけ登場している。


その他

詳細⇒B.O.W.


関連タグ

バイオハザード ウイルス ゾンビ

狂竜ウイルス:『モンスターハンター』に登場する架空のウイルス。

ゴーレムウイルス:似たような性質のウイルス。

クレイウイルス:PS1『バイオハザードディレクターズカット』(アスペクト出版のファミ通の攻略本)に掲載された初期段階の設定と思われるウイルスで、Tウイルスとは性質に共通点があるため、このウイルスとは同義である。

タナトス:『龍が如くOFTHEEND』に登場する細菌兵器ではあるが、バイオシリーズのアンブレラの様に生物兵器が組織によって作れている点では共通する。性質的には『バイオハザード7』に登場する特異菌の方が近いだろう。

赤い彼岸花:『バイオハザード5』に登場する始祖花のモデルとなった赤色の彼岸花

青い彼岸花:漫画『鬼滅の刃』に登場する、化け物にする成分が含まれているとされる植物。

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