概要
バダンは別名「バダン帝国」の名を持ち、ナチス残党によって組織された、ショッカーの流れを組む組織である。
大首領(ショッカー首領)が関わっているとみられる組織は最後とされる(コミカライズだと仮面ライダー11戦記のガイストがあるが)。
平成ライダーの大ショッカーはショッカー首領との関わりは不明。
特撮版での設定
『仮面ライダーZX』は、テレビマガジンで写真に小説を載せた、いわばスチール連載の形式で掲載された。その設定によると、地下都市バダンシティを拠点に、UFOを飛ばして優秀な人材を攫い、改造人間にしていたらしい。「時空魔方陣」により過去組織の怪人たちを甦らせ、怨嗟骨髄にしみる怨敵・仮面ライダー撃破に挑む。
スチール連載では、過去の組織のデータを詳細に調べただけあり、ZXを相当苦戦させており、仮面ライダーV3に対してはツバサ一族のデータを持つタカロイドをぶつけたり、ZXとスカイライダーの2対1の戦いでもバラロイドが一時圧倒するなど、強さを遺憾なく発揮していた。
その反面として、TVスペシャル『10号誕生!!』では活躍の場面が少ない。
戦闘員は元より、他の怪人もTVSP版ではライダーたちにボコボコにやられる場面ばかりが目立ち、トカゲロイドはライダーマンにロープアームで地面に叩きつけられて脳挫傷を起こして死亡し、カマキロイドに至ってはストロンガーのエレクトロファイヤー(牽制技)で感電死する始末。まあ、それだけライダーたちが強くなったとも取れるが。また、タイガーロイド以外の怪人が時空魔方陣で復活した再生怪人であるという解釈も可能である。
映画『仮面ライダー大戦』では、地下が本拠地という設定と、後述する仮面ライダーSPIRITSの影響もあり、並行世界のライダーたちとぶつかり合う巨大な組織になっていた。また、バダンシティもその全体像が登場している。
漫画での設定
漫画作品『仮面ライダーSPIRITS』では、亜空間に幽閉された大首領が、大幹部・暗闇大使に命じて作らせた組織、となっている。バダンはショッカーからジンドグマまでの昭和ライダー敵組織を全て統括する最大の組織であり、世界各地に残された黒いピラミッドを拠点に活動、聖地とした日本を甦らせた怪人たちに攻撃させる。
また、特撮では弱かった強化兵士やUFOサイボーグも強敵となっており、トカゲロイドはアマゾンにスーパー大切断を使わせ、ドクガロイドはスカイライダーを1度倒し、プロトタイプのZXに至ってはストロンガーの基本技が効かなくなっている。
本拠地となる場所は存在せず、代わりにサザエ型の大要塞サザングロスをアジトにして、UFOを飛ばしている。
主な構成員
暗闇大使
バダン最高幹部。本名はガモン。地獄大使の従弟であり、彼とは瓜二つの外見をしている。アメリカ出身で、ダモン(地獄大使)と共謀して東南アジアに渡り、革命を起こして一国を乗っ取った過去を持つ。
特撮版での正体はサザエの怪人・サザングロスだった。
タイガーロイド/三影英介
全身に重火器を仕込んだ虎の上級怪人。元々は村雨良の仲間だったが、裏切った村雨を許さず、ライバルとして立ちふさがる。後に仮面ライダーディケイドにも登場する。
『SPIRITS』では、改造に改造を加え白虎の姿へと変貌を遂げ、大首領のかつての仲間だったツクヨミの二代目候補となる。
もちろん『仮面ライダー大戦』にもヤマアラシロイド共々登場。
ヤマアラシロイド/ニードル
ヤマアラシを模した上級怪人。
『SPIRITS』版ではバダン四天王の頂点に座する傲慢なマッドサイエンティストとして登場し、幾度となく組織を脱走して勝手にZXたちに戦いを挑んできた。体に生えた無数の針はコマンドロイドをも破壊する強力な飛び道具として使う他、刺した相手を洗脳したり巨大化させたりする不思議な効果を持つ。また、針は槍のように巨大化させることもできる。
『仮面ライダー大戦』にも登場したが、演じた鈴村健一氏の熱演により、かなり小物っぽい性格に描かれていた。また、デザインは右半身が黒、左半身が赤に塗り分けられており、ヒートジョーカーを髣髴とさせる(配置は逆だけど)。
強化兵士
要するに怪人のこと。
カニロイド(着ぐるみは登場しないが、ラフスケッチが存在し、当時の漫画に出ている)
『SPIRITS』ではクモロイドとドクガロイドはバダン四天王になっている。
UFO怪人
強化兵士を再改造した怪人のこと。ヤマアラシロイドやタイガーロイドもこれに含まれる。
プロトタイプZX部隊
『SPIRITS』ではトカゲロイドとアメンバロイドはバダン四天王になっている。
1983~84年のコミカライズ版
クローンロイド(安土じょう版、『SPIRITS』の新生アマテラスの元ネタ)
ガラガランダ(細井ゆうじ版、ショッカー生き残りの科学者がバダンに合流)
再生電波人間タックル(山田ゴロ版、時空魔方陣で復活し、生前の記憶を持つ)
コピー怪人
奇械人カメレオーン(雑誌版のみ登場)
ガメレオジン(特撮版にのみ登場)
クモンジン(雑誌版にのみ登場)
カガミトカゲ(雑誌版にのみ登場)
・ドグマ
カマキリガン(特撮版にのみ登場)
コンバットロイド
戦闘員。赤いマスクをつけた黒ずくめの兵士。主にナイフなどで戦う。
『SPIRITS』では「コマンドロイド」の名を持つ、姿がよりZXに似た戦闘員が存在する。アメリカ軍の重火器もまるで寄せ付けないなど、歴代戦闘員最強レベルの防御力を持つ。
リメイク作に登場
『烈車戦隊トッキュウジャーVS仮面ライダー鎧武春休み合体スペシャル』に登場するリ・マジネーションバダンの配下のオリジナル怪人。
バダンが製作した悪の仮面ライダー。仮面ライダー大戦に登場。
再生怪人
詳しいことはネタバレになるのでここでは書かないが、過去にライダーたちに斃されたあらゆる世界の怪人や戦闘員たちが戦力として揃っている。
幹部級はヒルカメレオン、ジェネラルシャドウ、マシーン大元帥、大神官バラオム、剣聖ビルゲニア、ジャーク将軍、ドラス、十面鬼ユム・キミル、超銀河王など。改めて見てみると凄いメンツである。
他にもショッカーやクライシス帝国などの戦闘員も、コンバットロイドに混ざってしれっと登場している。