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池谷仙克の編集履歴

2017-03-16 07:50:51 バージョン

池谷仙克

いけやのりよし

池谷仙克とは、日本の美術監督。

人物像

1940年8月31日-2016年10月25日

東京都立川市出身。武蔵野美術大学産業デザイン科芸能デザイン専攻卒業。


学生時代に映像作品に興味を持ち助監督のアルバイトをしていた縁で、ドラマ『海の音』の美術監督をしていた成田亨に円谷プロダクションに誘われる。『ウルトラマン』第15話「恐怖の宇宙線」を見たことで入社を決意し、『ウルトラマン』第19話「悪魔はふたたび」より特殊美術として参加。その後『ウルトラセブン』では、中盤から途中降板した成田に変わって怪獣デザインも担当する。


怪奇大作戦』参加後は一旦円谷プロダクションから離れ、映像美術の師匠であると尊敬していた実相寺昭雄らと共にコダイを設立。

1971年に『帰ってきたウルトラマン』の美術立ち上げに参加するが、帰マンの原点回帰に関してはマイナスなイメージを抱いていたと同時に、多忙だったため1クールで降板。自身は怪獣映画のみをやりたいとは思っておらず、本格的な映画の製作があればそちらに移りたいと考えていた。

キャラクターデザインと美術で参加した『シルバー仮面』も実相寺昭雄がいなければ参加していなかったと語っている。後年のインタビューでこのころに関して「不真面目にやったつもりはないが、映画に意識が行っていた」と反省の言葉を述べている。


なお、美術監督として関わった実相寺昭雄の初監督映画『無常』は、ロカルノ国際映画祭で最高賞を受賞。自身も篠田正浩監督の『瀬戸内ムーンライトセレナーデ』、『写楽』で日本アカデミー最優秀美術監督賞を受賞している。

また後進の育成にも努め、撮影所システムが消滅した現在の映画業界で、池谷の元から飛び立っていった美術監督は多いと同業の種田陽平は自著で語っている。


2016年10月25日に癌のため死去。

【追悼】池谷仙克先生 永遠に


作品

キャラクターデザイン

地底戦車ベルシダーデザイン画バージョン

ウルトラセブン#33~36ウルトラセブン#37 マゼラン星人マヤウルトラセブン#43~45ウルトラセブン#42 ノンマルトウルトラセブン#38~41ウルトラセブン#46~49史上最大の侵略

デザインコンテスト入賞作のリファイン ガイロス,テペト

未登場 ユーリー星人,ピニヤ,ヤモ,吸盤怪獣,ゴース星人変身体

「死神の子守唄」怪奇大作戦 青い血の女京都買います

アーストロン「霧の怪獣魔境」ウルトラマンっぽいヤツ2グドン怪獣図鑑・キングザウルス三世空想科学生物図鑑 毒ガス怪獣モグネズン(完成版)音波怪獣シュガロン霜月・落日・怪獣

未登場 スクラップ怪獣

キマイラ星人,ソロモン星人,ドミノ星人,タイタン星人,etc(シルバー仮面)

マルチシルバー仮面の宇宙人① チグリス星人シルバー仮面の宇宙人② キルギス星人シルバー仮面の宇宙人③ シャイン星人シルバー仮面の宇宙人④ ピューマ星人シルバー仮面の宇宙人⑤ ジュリー星人シルバー仮面の宇宙人⑥ ゴルゴン星人シルバー仮面の宇宙人⑦ キマイラ星人シルバー仮面の宇宙人⑧ ソロモン星人シルバー仮面の宇宙人⑨ ドミノ星人シルバー仮面の宇宙人⑩ タイタン星人

シルバー仮面ジャイアントの宇宙人 ノーマン星人シルバー仮面ジャイアント!ヤマシロシルバー仮面の宇宙人 エマー星人ミサイル宇宙人ガイン星人恐怖のサソリンガ最終回 アンドロメダ2001

静玄太郎&アイアンキング対不知火一族不知火の系譜【黄金火】ゴールドファイアー大当たり!中からドジラがとびだしてきた!宇虫怪獣大虫人カブトロン出現

センシティブな作品ステゴラス地球が、地球が大ピンチ!地球を、地球を守護るのだ!ハーモニカが怪獣化したようです

夢幻怪獣バクゴンバロック怪獣ブンダー

ウルトラセブン「宇宙人15+怪獣35」

美術監督

古代神獣 ナギラ学天則魔人 加藤保憲

ダイゴロウ対ゴリアスやったぞ!ダイゴロウ♪怪獣管理官

他多数

余談

  • 在学中は歌舞伎の舞台美術を志望していたが、見習いから入って30年はかかると言われ断念した。後のゾール星人やマノン星人鈴木清順監督の浪漫三部作などの美術にその影響が見られる。

ゾール星人マノン星人わ印牛の首

  • 映画監督も志望していたため、CMや映画の現場でカメラをのぞき、構図を考えたセット造りをおこなうことができた。
  • 「怪獣殿下」の大阪城のセットは若かったからできたもので、城の構造などの知識がついてしまった現在では逆に難しいと語っていた。

ゴモラ

  • 初めてデザインした特撮デザインは『ウルトラマン』の試作地底戦車ベルシダー。ドリルが本体より大きいのは理にはかなっていたが、円谷英二監督から指摘された通り、撮影では本体が回転してしまった。
  • 初めてデザインした怪獣は宇宙細菌ダリー。造形の高山良策には「スタイリッシュすぎる。」といわれ、その後は人体の構造の基本になる図をもらってデザインにあたった。またリッガーを見た前任者の成田から、「目を大きくすると怖さが出ない。」と助言をもらっている。
  • アギラはデザインだけではなく、円谷英二の3男である当時学生だった、恐竜好きの「円谷あきら」から命名した。

怪獣図鑑・アギラ怪獣図鑑・リッガー

  • 初期の怪獣・宇宙人のデザインは、ファッション誌や酒肴集からヒントを得ていた。猫背や皺、ひび割れなど共通の意匠を持つもののほか、逆立ちした形状のツインテールや、丸い形状のタッコングなど新しい発想のデザインもおこなっている。

いかなる戦いにも負けたことのない無敵のガッツ星人。虚弱体質ユタ花村ペテロ&ザンパ星人ノンマルト壁紙あなたはだぁれ?ツインテール

  • 『ウルトラセブン』終盤は1話に割ける予算が少なくなったため、「第四惑星の悪夢」のロケット基地を注射器で、「円盤が来た」の円盤の大軍を照明カバーで造りあげた。それを知った実相寺昭雄監督は激怒したが、後にその工夫を認めている。

第四惑星の悪夢一番星寓話を真似た宇宙人~ウルトラセブン第45話「円盤が来た」より~

  • 『帰ってきたウルトラマン』ではデザインだけ残し退社したため、どちらともの手というコンセプトのグドンツインテールが戦うことになったと知り驚いた。

弱肉強食二大怪獣東京を襲撃グドン、ツインテール

  • 恐竜型怪獣をデザインすることも多かったが、実兄が地質学者だったので「こんな恐竜はいない。」と言われてしまった。
  • 『アイアンキング』初期案は鉄色のヒーローとして気に入っていたが、NGとなったために手直しして第一話の不知火ロボット「バキュミラー」に流用した。

真の鋼鉄王真・アイアンキング朝風の密使

  • 体操の経験があり、『シルバー仮面』のテストスーツアクターを務めた所、着地に失敗して骨折し、松葉杖で現場に通っていたという。
  • バニラの着ぐるみにも入ったことがあり、そこが想像を絶する世界だったことから、怪獣デザインに居住性を考えるなど影響をうけた。
  • 『怪奇大作戦』の「呪いの壺」で炎上する寺のミニチュアは、発注ミスで瓦の縮尺が大きい。しかしそれが功を奏し迫力がある映像が撮影できた。
  • 秋山貴彦監督の『HINOKIO』ではメトロン星人の四畳半風のセット、バランダーVを元にしたヒーロー「キングザイオン」、河崎実監督の『日本以外全部沈没』では特殊部隊GATのデザイン、部屋の壁にドミノ星人の絵が飾ってあるなど、若手監督の意向もあるが過去作の影響がある美術もおこなっている。

ヒノキオ夕焼けの四畳半

  • 寺山修司監督には『さらば箱舟』の撮影で、現地に生えていたガジュマルに施した飾りつけがあまりにもなじんでいたため、全て作り物だと勘違いされた。
  • NHKの『わたしが子どもだったころ』で大鶴義丹の回の美術を担当したところ、ディレクターに「池谷さんだったら怪獣だろう。」と依頼され、唐十郎の紅テントの象徴としての怪獣「ギタンガ」をデザインすることになった。(ギタギタンガとは別。)
  • 美術監督としては幕末昭和初期を舞台とした映画美術を担当することが多かった。遺作は架空の幕末が舞台の実写版『銀魂』である。

関連タグ

キャラクターデザイン

邦画 特撮 ウルトラ怪獣 井口昭彦

実相寺昭雄 鈴木清順 河崎実

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