ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

ヘラの編集履歴

2017-10-09 07:37:26 バージョン

ヘラ

へら

神后ヘラ ギリシャ神話の女神で、主神ゼウスの姉にして妻。  婚姻を司る愛の神であるが、浮気癖の酷い夫にいつも頭を抱えている。

ヘラとは――

  1. ギリシャ神話に登場する女神
  2. 1を元にしたパズル&ドラゴンズのモンスター ⇒ ヘラ(パズドラ)
  3. イナズマイレブンのキャラクター ⇒ 平良貞

女神としてのヘラ

天界夫婦

 ギリシャ神話の主神ゼウスであり、彼の

 ローマ神話においては、主神ジュピターの妻ジュノーユノ)と同一存在とされる。

この女神ユノの英語表記が”Juno”であり、これがジューン・ブライドなる通称もある欧米圏での結婚の季節とされる6月=Juneの名前の起源となっている。

 聖鳥は孔雀とされる。


 結婚と貞節を司る女神……のはずなのだが、肝心の夫がギリシャ神話最強最悪の女好きであり、そのたびにゼウスを叱責して浮気相手に責任を追及するため、嫉妬深く高慢でヒステリックな女神というレッテルと役回りが付いてしまった。

なお、部下のこともありガチで悪神とも言えるが。


 浮気相手から偉大なが生まれると知るやその出産を徹底的に妨害する、怪物の姿に変えてしまう、夫の手にかかって死ぬように仕向けるなど、あの手この手を使って夫に愛された女性を苦しめている。その女性がゼウスに騙されたり、力ずくで関係を強要されたりした場合(殆どがそうなのだが)ですら容赦はしないのである。迫害はしばしば生まれてきた子供にまで向けられる。


 彼女の職分は結婚と女性の貞操を司ることなので、その秩序を乱し、こともあろうに大神の正妻の座を侵害する者として、夫の浮気相手たちを罰するのには一応大義がある。とはいえほぼ全ての場合ゼウスが一方的に迫った関係であり、その策略と力から逃れるすべは彼女らにはまず無いのだから、理不尽なことに変わりはない。


 時折高い監視能力や迅速な情報収集能力を見せるが、これらの能力は基本的に夫の浮気の早期発見にしか発揮されない。完全に宝の持ち腐れである。

唯一トロイア戦争の際にアテナと組んで次男アレスとその愛人アフロディーテのタッグと戦った際には、その監視能力で敵2人の動向を完全に把握、アテナを的確に援護して完勝している。


 尚、ヘラの戦闘力も決して低いものではない・・・どころか、同じくトロイア戦争で「ゼウスの子供の中でも特に偉大」な女神であるアルテミスと直接対決した際には、(アポロンとの合流が遅れアルテミスが焦っていた面もあるが)アルテミス必殺の弓が放たれる前に格闘間合いに踏み込んで弓を叩き落とし、その後は素手で一方的にアルテミスを叩きのめす完全勝利に持ち込んでいる。


 ヘラは毎年春にカナトスの泉で水浴びして身を清めると、ゼウスに求婚された娘時代と変わらない若さと美しさを取り戻すという(アラフォー→18歳前後に外観が変わる感じか)。このときばかりはゼウスも彼女を再び求めずにはいられなくなるそうだ。ただしゼウスの浮気が決して止まないことからして、その効力もそう長くは続かないようである。


 なお、ゼウスとの間にちゃんと子供を儲けており、うち一人がオリュンポス十二神の戦神アレスである。ヘラとしては、ゆくゆくはアレスを主神の席に着かせたいのだが。

いかんせん、肝心の当人が戦争バカの脳筋のため、頭が痛い……。

しかし、アレスの子供に関しては非常に厳しくアレスの娘の2人はヘラに殺されている(1人はほぼ直接的に、もう1人は間接的に)。


 もう一人の息子である鍛冶神ヘパイストスとの仲は諸説存在している。彼の片足が不自由なのは1.生まれた時にあまりの醜さからヘラに捨てられた際に痛めた2.両親の夫婦喧嘩の際にヘラを庇ったことに腹を立てたゼウスに天空から叩き落とされた際に足を砕いてしまった

 1.の説に則ったエピソードではヘラ、2.の説に従ったエピソードではゼウスが彼の作ったトラップ付きの椅子に拘束されるという仕返しを受けている。


 娘である神々の給仕にして青春の女神であるヘベに対しては溺愛と言っても差支えない愛情を注いでいたようで、娘が給仕の任を解かれた際は猛烈に夫に抗議している。また、ゼウスがヘラに反省を促すために(ヘベには一切落ち度が無いにも拘らず)この娘を天から吊るした事もあり、この時はヘラも大いに狼狽えたという。

 なお後述するヘラクレスが死後に神の一員となったとき、ヘベはその妻となった。この事は両者の(と言うかヘラの)和解を神々が納得するに十分な出来事であった様である。

 また、ヘベというのは「ヘラ・バイス(乙女のヘラ)」と言う意味で、ヘラの少女の相とする説もある。その為、ヘラクレスとヘベの結婚をゼウスとヘラの結婚の再来と捉えている説が有る。


 ヘラは一度夫の度重なる浮気に愛想をつかして出て行ってしまったことがあるが、これに慌てたゼウスは一計を案じ、別の女神と結婚すると触れ回り、偽の結婚式を挙げようとした。ヘラは怒ってその式をぶち壊そうと乱入して、結局ゼウスとよりを戻してしまった。またイクシオンという人間の男がヘラに横恋慕したときにはゼウスは厳罰を与えているから、何だかんだいってもゼウスも彼女を正妻として大事にする気はあるのだろう。


 ゼウスの度重なる浮気に悩まされながらも、ヘラの方で浮気に走ったことはただの一度も無い。その職分に違わず、彼女の夫に対する貞操は完璧なのである。


 後、彼女の名誉のために追記しておくが、「ゼウスの血を引かない英雄(例:イアソンテセウス)」に対しては割と鷹揚に援助している。


ルネッサンス期には、「諸神を説得して旦那を首尾よくベッドへ縛り付けたものの、ブリアレオスの手によって復活した旦那に、空中へ逆さ吊にされる」というネタが画題として好まれた。


嗚呼、華麗なるヤンデレ伝説の数々

 上記のような諸々の性格ゆえか、最近では最古のヤンデレという解釈までなされるようになってきた。

 どういうことなの……。


 ということで、彼女のヤンデレぶりを象徴するエピソードをいくつか紹介しよう。


産ませてなるものか!

 ゼウスがティタン神族の女神レトに孕ませた子供が、ヘラのどの子よりも偉大な神になる運命を担っていることを知ったヘラは、それを阻止しようとレトの出産を徹底的に妨害。ヘラは地上のすべての場所にレトに出産の場を提供することを禁じたうえ、大蛇ピュトンを送って彼女を襲撃させた。身重の体で大蛇から逃げ回るので精一杯のレトだったが、デロス島はヘラの布告のあとで浮上した島だったためにヘラの禁令が及ばず、ここにたどり着いた彼女はようやく出産の場を得る。それでもヘラが妨害を重ねたために9日9晩かかったが、誕生したのが双子のアポロンアルテミス兄妹である。


とうにお見通しよ!

 ヘラは夫がイオという美しい娘に手を付けている現場を押さえようとするが、ゼウスはその寸前にイオを牝牛に変えてごまかそうとする。とうにお見通しのヘラは知らないふりをしてゼウスに牝牛の引き渡しを要求。ゼウスは浮気の露見を恐れて、非情にもイオをヘラの手に委ねてしまう。ヘラは彼女を牝牛の姿のまま監禁し、百眼の巨人アルゴスに見張らせた。ゼウスはヘルメスを送ってアルゴスを退治させ、イオを解放するが、ヘラはなお許さず巨大な虻を送ってイオを追い回し、執拗に苛み続けた。ゼウスは見かねて彼女には二度と手を出さないと約束し(二度と浮気をしないとは言っていない)、怒りを解くよう懇願。ヘラもようやく納得し、イオのたどり着いたエジプトの地で元の姿に戻してやったという。ヘラの執念深さもさることながら、姑息な手段で浮気をごまかそうとしてトラブルを深めてしまったゼウスも大概なものである。


私より美しいのがいけないのよ!

 ニュンペーカリストは処女神アルテミスに仕える身として貞節を固く誓っていた清純派美少女。だが彼女に一目惚れしたゼウスは、こともあろうにアルテミスに化けて彼女を誑かし、百合まがいの行為に偽装して乙女の純潔を奪ってしまう。心ならずも孕まされたカリストはそれが露見するとアルテミスの寵愛を失い、お供を辞めさせられただけでも不幸だが、子供を生んだ直後にさらに恐ろしい運命が彼女を待ち受ける。ヘラは夫の浮気を「ゼウスが魅了されるほど美しいのがいけないのだ!」と完全にカリストのせいにし、彼女を毛むくじゃらの熊の姿に変えてしまったのだ。夫に騙され、凌辱された被害者にまで嫉妬するのがヘラのヤンデレの真骨頂であろう。後にカリストは狩人に成長した息子の手で獲物として殺されそうになった(ヘラがここまで企んでいたかどうかは定かではない)ところでゼウスに救われ、おおぐま座として天に上げられるが、ヘラはまだ許さず、地平線下に沈んで休むことができないようにする嫌がらせを続けるのだった。


夫の手にかかって死ぬがよい!

 夫がテーバイ王女セメレのもとに通っていることに気づいたヘラは、恐ろしい計略を用いて復讐を図る。セメレの乳母に化けて、あれは実はゼウスの名を騙る偽者ではないかという疑念を彼女に吹き込み、本物のゼウスである証拠を見せてもらうよう唆したのだ。それを真に受けたセメレはゼウスに本来の威光を見せてくれるよう頼んだ。ゼウスは彼女の望みを何でも叶えてやるという誓いを取り消すわけにいかず、仕方なく雷光に包まれた姿でセメレを訪れたが、それは生身の人間に耐えられるものではなく、彼女は焼け死んでしまった。これこそゼウス自身の手で浮気相手を抹殺させる、ヘラの狙いだったのだ。セメレが身ごもっていた胎児は神の血を引いていたので焼死を免れ、酒の神ディオニュソスになったが、彼も成長するまでヘラに狂気を吹き込まれるなど、執拗に迫害を受けた。


この子だけは許さない!

 ペルセウスの孫娘だったアルクメネ(人妻)との思いを遂げ、自らの子供を孕ませて得意の絶頂だったゼウスは、「これから生まれるペルセウスの後裔がアルゴスの王になる」と高らかに宣言。これを聞いたヘラは愛人の子にいい思いはざせまいと、腹心のお産の女神エイレイテュイアに命じてアルクメネの出産を妨害し、ヘラクレスを産むまで7日7晩陣痛で苦しめる。その間に同じくペルセウスの血を引くエウリュステウスを7ヶ月の早産で先に誕生させた。「自分の子が」とはっきり言わなかったことが仇となってゼウスは自らの宣言を履行せざるをえず、ヘラクレスは明らかに小人物であるエウリュステウスの下僕として仕える運命に陥った。ヘラは赤子のヘラクレスのもとに毒蛇を送って暗殺を企てたり(瞬殺で返り討ち)、狂気を吹き込んで妻子を手にかけさせ、10の難行(しかも、その内二つは些細な理由でノーカウント)を果たさなければならない運命を課したりするわ、その難業も積極的に妨害するわと、生涯にわたって執念深く迫害を続けた。どう見てもラスボス以外の何者でもありません、本当に(ry。


その減らず口をこうしてくれる!

 ニュンペーのエコーはおしゃべり娘として知られていたが、ゼウスは自身が浮気に興じている間、ヘラをその得意の話術で引き留めてくれるように彼女に頼み込む。このせいで夫の浮気現場を押さえることに失敗したヘラはブチ切れたが、その怒りをエコーに向け、二度とこのようなおしゃべりができないよう、相手の話の末尾を繰り返す以外に話すことができなくしてしまった。その後彼女は美少年ナルキッソスへの失恋もあり、やつれ果てて肉体そのものが失われ、声だけの存在になってしまったという。木霊になったわけである。

 ヘラが現場を押さえそこなったおかげで浮気相手の女性は追及を免れ、その名前も伝わっていない。代わりに酷いとばっちりをエコーが受ける形になったわけである。


島の民は皆殺しじゃあ!

 ゼウスは今度は川の神アソポスの娘・アイギナという美女を誘惑し、情事に及ぶと、生ませた息子アイアコスを彼女の名にちなんで名付けたアイギナ島の王とした。アイギナ自身を追及する機会を逸したためか、ヘラの怒りは恋敵の名を冠した島の民たちに向けられた。ヘラは疫病を島に流行させて島民たちを全滅させてしまう。治めるべき民をすべて失い悲嘆に暮れるアイアコスが父ゼウスに加護を祈ると、それに応えたゼウスは島にいた無数のアリたちを人間に変え、新しい民としてアイアコスに仕えさせた。こうして島は繁栄を取り戻すことになったのだが、失われた命が還ったわけではなく、ヘラのせいで滅ぼされた旧島民たちは不憫というほかない。


その姿になり果てよ!

 リビアの女王だった美女・ラミアは、ゼウスに愛されて子をもうける。しかしこれを知ったヘラは、その子供を惨殺したばかりか、彼女を上半身は人間、下半身は蛇の怪物に変えてしまう。ヘラのあまりに残酷な仕打ちにラミアは身も心も荒み果て、子供を攫ってはとって食うようになってしまったという。家庭を守護する女神でありながら、私怨から家庭の幸せを破壊する怪物を生み出してしまったのだから皮肉なものである。


ところで、彼女の部下は思いの外ゲテモノが結構いることに気付いたろうか。

実はヘラは神々でも随一の魔獣コレクターであり、アルゴス地方近辺やタルタロス出身の怪物が唐突に英雄の前に立ちはだかる場合は大抵がヘラの差し金。

恐らくティタノマキア時代にスカウトした反ティターン派の魔獣か、戦争後に軍門に下ったかどちらかだろう。

だが、女神の部下でも川を汚染したり人間を食っていたりする連中が多いので彼女は北欧神話におけるロキと似たポジションでもある(部下の中に人肉を喰らう馬がいるが彼女の馬車を引いているのがこの馬かは不明)。



別名・表記ゆれ

Hera ヘーラー ユノー

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました