――――良い開幕だ。死に物狂いで謳え雑念―――――!
性能
- ランク:EX
- 種別:対界宝具
- レンジ:1~99 / 1~999(CCC)
- 最大捕捉:1000人
- 由来:メソポタミア神話の創世叙事詩エヌマ・エリシュ。
エアの回転する三つの円筒が風を巻き込むことで生み出される、圧縮され鬩ぎ合う暴風の断層が擬似的な時空断層となって絶大な破壊力を生み出す。その威力の程は固有結界を唯の一撃でズタズタにし、アーサー王のもつ最強の聖剣「約束された勝利の剣」と真っ向から撃ち合いそれを破るほど。
空間そのものを切断せしめる特性ゆえに、対界宝具に分類される“世界を切り裂いた”剣。
エアの単純出力計算はSTR(筋力)×20。つまりギルガメッシュの筋力に依存している。
また、「王の財宝」内のバックアップを受けることで破壊力を上げることも可能。これを打ち破るには使用前の大きな隙をついて発動不可の状態に持っていくか、これと同等の破壊力を持つ宝具、又は防ぎ切ることのできる宝具を用いて凌ぎきる他にない。
解説
ありとあらゆる宝具の頂点の1つ。英雄王ギルガメッシュの持てる最強の一撃であり、かつて混沌の世界を天地に分けた乖離剣エアによる究極の一撃。
ギルガメッシュ曰く、「生命の記憶の原初であり、この星の最古の姿、地獄の再現」。
数多の宝具の原典を所持するギルガメッシュではあるが、彼はそれらの「所有者」であって「担い手」ではない。乖離剣エアはそんな彼が唯一例外的に持つ、彼自身が担い手の宝具である。
「剣」という概念が誕生する以前に星によって鍛えられた神造兵器であり、乖離剣と呼びつつも正確に言えば剣どころか「武具」ですらない。そのため、あらゆる剣を複製する事が可能な固有結界「無限の剣製」でさえこの剣を投影することは不可能であり構造すら読み取れない。
本来は無銘の剣であり、「エア」というのもギルガメッシュが付けた愛称である。
認めた相手以外にこの剣を使用することはほとんどなく、『Fate/Zero』の海魔戦にて遠坂時臣に使用するよう進言された際には激怒している(ただし、奈須きのこ氏曰く「英雄王のかっこいい姿が見た~い」とか持ち上げていればノリノリで使ってくれたとの事。)。
とはいえ、絶大な破壊力と圧倒的な攻撃範囲で目立たないだけで、弱点が無いわけではない。
「天地乖離す開闢の星」発動にはマスターが土地からのバックアップを受けていたとしても無視できないレベルの膨大な魔力量を要する上に、発動前後の隙も大きいため、一撃で戦闘不能に追い込めなければ相手に反撃の機会を与えることになってしまう。
さらに発動時には魔力の乱流が発生するため、ギルガメッシュの得意技である「王の財宝」からの宝具射出攻撃が不可能となる欠点もある。
また、ギルガメッシュ曰く、もしも地球上で本気の本気、全力全開最大最高出力で「天地乖離す開闢の星」を発動させようとした場合は、世界そのものに致命的なダメージを与えかねないがゆえに、「抑止力」が働いて排除されてしまう可能性もあるという。
神秘が薄れて大気中にエーテル量の少なくなった現代では、完全出力での発動はほぼ不可能に近いとしている。この場合、地面に足を付けて突きだすように繰り出す「地の理」で発動する。
逆に月の聖杯がおこなわれたSE.RA.PH内部など、古代レベルの濃密なエーテルが存在する空間や、その莫大な魔力量を十全に補える環境が整っているならば完全解放が可能。空中に浮遊し、相手の上空から振りかざすように放つ「天の理」を以って敵対者を葬り去る。
各作品での活躍
『Fate/staynight』
Fateルート
セイバーの聖剣との真っ向からの打ち合いに使用。セイバーを戦闘不能へと追いやる。その後ラストバトルでも使用するが「全て遠き理想郷」で凌がれ、使用後の隙を突かれ敗北する
UBWルート
士郎とのラストバトルにおいて戯れに手加減して放つ。その後、「無限の剣製」を使いこなしだした士郎に追い詰められて再度使用しようとするものの、発射前の隙を突かれ、右手を叩き切られて使用不可へと追いやられる。
TVアニメ版では自分が散々見下していた士郎の反撃に対してエアを取り出すことに一瞬だけ躊躇うカットがあり、その隙が明暗を分けたようにも解釈できる。
『Fate/hollowataraxia』
最終決戦時に残骸の群れに対して使用。この時は油断と慢心を捨てた一生一度の本気で放っている。
『Fate/Zero』
ライダーとの戦いで固有結界「王の軍勢」を真っ向から切り裂いた。
『プリズマ☆イリヤ』
バゼットに追い詰められた事で黒化英霊ギルガメッシュが使用。鏡面世界を破壊し、現実世界へと侵攻した。その後の最終決戦では子ギルが使用し、ツヴァイフォームとなったイリヤの最大火力攻撃「多元重奏飽和砲撃(クヴィンテッド・フォイア)」と真っ向から撃ち合うも押し負けた。ただし、上述するようにエヌマエリシュは使用者の筋力に依存したダメージという設定がありこの時の使用者はギルガメッシュより筋力の劣った子ギルであったため威力は本来よりも数段劣るとされている。
また、過去編ではギルガメッシュのクラスカードを使用するアンジェリカが、美遊兄との最終決戦で使用。「無限の剣製」内部全ての剣を束ねた一撃とぶつかり合い、撃破した。
『Fate/EXTRA-CCC』
「規格外の宝具」の名にふさわしく“99999ダメージ(固定)+即死効果”というとんでもない威力を誇り、たとえ相手がラスボスだろうが裏ボスだろうが問答無用で即死させる。
ただし、使用条件として「戦闘開始から5ターン以上経過」と「相手のHPが30%以下」の2つがあり、サーヴァント戦以外で目にすることはほとんどない。
演出も3つの小宇宙を発生させ(悪役の如き高笑いと共に)相手に叩きつけるという、まるでラスボスかと思わせる規格外のモーションである。
宝具専用BGMは「cosmic air」。これが流れたら勝利確定の処刑用BGMである。
実は『Fate/stay night』での彼のテーマソングである「黄金の王」のアレンジ曲。
『Grand Order』でも宝具BGMとして後日実装された。
『Fate/strange Fake』
親友との初戦に使用。しかも乱発。
両者ともほぼ互角に打ち合い、半径云kmの砂漠に表面がガラスへと変貌した巨大なクレーターを作った。
『Fate/GrandOrder』
ゲーム上での宝具として抜擢。
属性はBusterで、効果は【敵全体にサーヴァント特攻効果を持つ強力な攻撃〈オーバーチャージで威力アップ〉】と対サーヴァント戦に特化されている。
当初はランクがA++に下がっていたが、後日追加された絆クエストをクリアすればEXに戻り、【自身に宝具威力アップを付与】の効果が追加され、大幅に威力が強化された。
その破壊力は相性が等倍であってもゴリ押しで倒せるレベルであり、複数のクラスのサーヴァントを相手取るクエストでは非常に頼りになる。
ただし、特別な星の力を持つサーヴァントには特攻効果が通じないという抜け穴が存在する。
これは、隠し属性(天地人星獣)ではなく設定上のものを指しているようで、アビゲイルは地属性だが特攻を受けない。
該当サーヴァントは極少数だが、中でもロムルスはランサーということもあり天敵である。
最初期は何処からか乖離剣を取り出し、槍のように突き刺すモーションで敵を穿っていたが、後日のアップデートにより、『CCC』を髣髴とさせる乖離剣の召喚シーンと銀河の渦の背景、天高く掲げてそこから振り下ろすモーションに変更され、数段パワーアップした。
演出から判断すると、どうやら現出させる際に彼の魔力も相まって空間が割れてしまうらしい。
第七章の最終決戦においては、「一切の慢心を捨て去り、滅ぼすべき悪に裁きを下す一撃」として下記の専用台詞が用意されている。
――原初を語る。天地は分かれ、無は開闢を言祝ぐ。世界を裂くは我が乖離剣。
星々を廻す臼、天上の地獄とは創世前夜の終着よ。
死を以て鎮まるが良い。『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』!
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