仮面ライダーV3、風見志郎は改造人間である。謎の秘密組織デストロンによって重傷を負わされたが、仮面ライダー1号・2号によって改造手術を受け、仮面ライダーV3として蘇った!
(TV本編オープニング、中江真司によるナレーションより)
ガンバライド クライマックスヒーローズ ライダージェネレーション
バトライド・ウォー オールライダーVS大ショッカー ガンバライジング
ライダーレボリューションのCV:田中大文
概要
城南大学・生物学部における本郷猛の後輩にあたる大学生(資料によっては研究員とする記述もある)であり、立花モータースのバイクレーサーでもある。
スポーツ全般が得意で、器械体操において「マットの白い豹」という異名を持っており、実家は自動車整備工場を営んでいる。家族構成は父の達治、母の綾、妹の雪子の4人家族。
ハーモニカの演奏もでき、『埴生の宿』という曲を妹に聞かせていた(スナック付属のカードによれば、『赤とんぼ』も好きらしい…トンボ繋がりであろうか?)。同じくハーモニカ好きという事で両親を失い孤児院でも居場所がない須藤健一少年と親しくなった。
『X』ではXライダーにマーキュリー回路を施した(この手術の技巧は実家が整備工場だからなのか、1号と2号に教わったのかは不明である)。
悪の秘密結社デストロンの犯罪を目撃してしまった女性・珠純子を助けたことで幾度も命を狙われる羽目になり、そのせいで自宅を襲撃してきたデストロン怪人・ハサミジャガーに父と母と妹を目の前で殺されてしまった。デストロンに復讐を誓った彼は仮面ライダーに改造人間にしてくれるよう頼んだのだが1号・2号が心ならずも背負った改造人間という宿命とその辛い過去を理由に一旦は拒否されてしまう。
その後、デストロンの罠にかかり”改造人間分解光線”によって死の危険にさらされたダブルライダーを体を張って助けた際に自らも光線を浴びて瀕死の重傷を負ってしまう。蘇生処置として1号・2号によって改造手術を受け、仮面ライダーV3となって蘇った。シリーズ初の、悪の組織以外の者によって改造手術を受けたライダーでもある。
改造人間になり、人間としての体を失ったことについて、後日両親の墓前に詫びている。
主題歌の「父よ母よ妹よ」という歌詞にあるように亡き家族はずっと彼の心に生き続けているが、しかし仇であるデストロンに対して復讐心だけで戦うことはなく、1号・2号の意志を引き継ぎ人類の自由のためにその身を捧げて戦った。家族を失って以降も友人がデストロンに加担するという悲劇が相次いでいる。
当初は素人同然のまま仮面ライダーとなった為、格闘の経験もなく戸惑っていたがダブルライダーのアドバイスを受けて徐々に身に付けていく事になる。
性格はクールにして剛胆で、悪に対しては一歩も引かないプライドの高い男。彼を演じた宮内洋の派手な演技やアクションも相まって、非常に印象的なキャラクターとなっている。一方で天涯孤独の身になってしまったために、子供に対して優しさを見せる場面も見られる。
漫画『仮面ライダーSPIRITS』では彼のクールでプライドの高い一面が強調されており、命の危険にさらされても躊躇いなく戦いに身を投じる聖戦士のような形で描かれている。また、家族を失い、その復讐のために戦う共通点から、ZX=村雨良に改造人間として生きること、戦う意味を問い続ける役割を担う。
容姿
切れ長のつり目で爽やかな顔立ち。軽くパーマのかかったセミロング。
また黒髪が多い昭和勢では珍しく、茶髪のイラストが多い。
服装は初期のジャンパーや下記の色違いベストとシャツや赤や茶色のジャケットなど。
pixiv内では黒の革ジャンに白いマフラーと白いベストに青シャツの姿も多い。
本放送時のコミカライズ版での描写
- 冒険王にすがやみつるが連載していたコミカライズ版では、前作のショッカーライダーの回に、「正体不明の怪人」に父親を殺された、本郷猛の大学の後輩としてプレ登場。復讐のため自分を改造人間にするよう本郷に懇願し拒否されるという、テレビ第1話を彷彿とさせるシーンが挿入されている。
- つづくヒルカメレオン・ゲルショッカー全滅の回には登場しないが、この回のラスト、基地のテレビスクリーンに写された、行動を開始した新組織・デストロンの攻勢によって炎に包まれる東京市街地のカットは、そのまま次号のV3第1回の冒頭シーンにつながる。
- 志郎の母と妹はこの際の攻撃で自宅ごと焼死、志郎自身も、父の下手人を名乗り出たハサミジャガーによって瀕死の重傷を負い、1号・2号ライダーによって、前の回に登場したゲルショッカー基地に運ばれて改造手術を受け、V3となる。なお珠純子・シゲルとは、以前から家族ぐるみの知りあいだった様子。
- その容姿は、まず花形満を思わせる、三日月形に反りあがった長い前髪が特徴。上述のように前作の終盤からプレ登場する一方、V3序盤にも1号・2号が登場する関係で、本郷猛・一文字隼人と一見して区別がつく外見が工夫されたと思われる。
- 服装は、胸部分にフリンジのついたサファリジャケット風の上着(濃い色の記事をイメージした書き線が入る)と白いズボンを着用している場合が多い。
- 現在漫画作品やイラスト投稿で一般的になっている、本編の演者宮内洋の風貌をベースにした描写は、上記『仮面ライダーSPIRITS』に影響される形で、2000年代以降普及・定着したものである。
その他
- 主演の宮内洋が運動神経抜群だったため、ノースタントでバイクを運転しながら変身ポーズを決める(これは後年の客演作品でも毎回のように見せている)など、色んな意味で見所満載な男である。
- ヒーロー戦記ではなぜか何でも日本一な男の衣装で出ている(おそらく、中の人つながり)。本家シリーズに当たる仮面ライダーでは五人揃った色取り取りのヒーローの青いサブリーダーと同じ衣装で登場。なお、その色取り取りのヒーローの劇場版ではV3もその世界観に組み込まれている設定である。ついでに言うとその映画にはこれまた外の人が同じヒーローも出ている。
- 初期は中の人が短髪で、伸びるまでヅラやヘルメットをしていた。
- ぱちんこ仮面ライダー轟音では新生ショッカーと戦う仮面ライダーの一人として終始、V3の姿で登場。
- 2代目仮面ライダー1号/大和座ゴウ、仮面ライダー2号/力堂シュンの師匠であり、ピンチの際には度々駆けつけている。
- 「レッツゴー仮面ライダー」では歴史改変でV3以降のライダーが消滅したという状況に陥ったが、人々の思いにより復活。復活したライダーの一番手として1号らの救援に駆けつけた。
- 「スーパーヒーロー大戦GP」の世界観ではショッカーライダーV3として変身後の姿が登場。
リメイク版設定
映画『仮面ライダーTHENEXT』では、過去にV3と同じトンボのライダー・仮面ライダードレイクを演じた加藤和樹氏が演じている。性格は本家以上にキザな所があり、敬語で話す。
本作ではIT企業の社長という設定であり、若くして巨万の富を築いたものの、ショッカーのナノマシン散布テロに巻き込まれてショッカーの操り人形にされてしまう。そのため、本作におけるV3はダブルライダーに改造されたわけではなく、純粋に悪の組織の手駒として生まれたことになる。妹はアイドル歌手の風見ちはるで毎日のように彼女の自慢話をしたり、世捨て人になってからもシャワー中に歌のPVを見たりと溺愛している模様。テロ事件以降は私有地にある別荘で隠遁生活を送っている。
ワインを嗜んでおり、本郷との初戦では「年代物のワインが若い」と理不尽な難癖をつけて襲い掛かる。
改造人間となってからはナノロボット散布による殺戮を「偉大なるショッカーの崇高なる実験」と称賛し、「富や名声を得ても空しいままだった心をショッカーの授けてくれた力が満たしてくれた」と語る等ショッカーの信奉者となってしまったが、肉親であるちはるの事は心配しており、彼女の親友である菊間琴美には手が出せずにいる。
その琴美からは「着飾っているだけで自分の力で輝こうとしていない」、一文字隼人からは「かつての俺と同じ空っぽの人形」と罵倒されたことで徐々に自分自身に苛立ちを募らせていく。
そして事務所に逢いに行ったちはるが、志郎がプレゼントと偽って渡したかつて彼女が形見として送った時計を平然と受け取った事から今のちはるが偽物であることを知り、琴美に連れ出された偽ちはるによって本物のちはるの悲劇を知り、絶望のどん底に落とされてしまった。
ちはるの時計に刻まれていた時刻がショッカーが輸送するナノマシン到着の時刻と一致した事からちはるがショッカーの陰謀を止めてほしいと願っていることに気付くも中々一歩踏み出せずにいた。だが諦めずに戦い続けるダブルライダーの姿を見た事で心境が変化し、ショッカーを裏切り追い詰められたライダー達の窮地を救い、かつての秘書であるチェーンソーリザードを撃破。変わり果てた姿となった妹と邂逅し、ダブルタイフーンを高速回転させて炎を身に纏って放ったパンチでちはるを苦しみから解放した。
その後はダブルライダーに助けられて爆発する基地から脱出。これからは本郷達の様に自分の力で生きていくことを告げた。
ゲーム『ライダーレボリューション』では完結後の設定で登場。彼の世界ではV3は「バージョン3」と呼ばれているので、『V3』の略称に困惑する一面も見られた。しかし、自分以外にも"風見志郎"(本家の方)がいる事を理解したらしく、本家の仮面ライダー1号に出会った際には自分を風見志郎であると肯定しつつも、別の存在であることを語っている。
グレムリン相手には『つまらない希望は持たない方がいい。人を超える力を持った者はその運命からは逃れられない』(※)と忠告するなど、改造人間としての自己と向き合う事を決めた"仮面ライダー"としての姿を堪能できる。
(※)ファントムになったということは魔法使いになった者たちとは違い、(強制的とはいえ)"絶望"を受け入れたということである。なのにも関わらず、人間に戻りたいという"希望"を得てしまった彼に対しては痛烈な皮肉となる。加えて、本来はファントムが人々の希望を捨てるよう促す側の存在なのに、よりにもよって人々の希望を守るライダーに希望を捨てるよう忠告されている姿もその皮肉さを強調していると言える。
関連イラスト
関連タグ
照井竜/仮面ライダーアクセル・・・赤い仮面ライダー、両親と妹を殺され復讐のためにライダーになったことなど、風見志郎のオマージュと思われる部分が多い。
稲森真由/仮面ライダーメイジ・・・同じく敵に家族を殺され復讐のためライダーになった少女。ただし殺されたのは両親と、妹ではなく姉。
的場響子・・・仮面ライダーには変身しないが、両親を敵組織に殺されたことで戦いに身を投じることになった少女。
風城美羽…『仮面ライダーフォーゼ』の登場人物で、名前が風見志郎のアナグラム。
白波鋼一/魔弾闘士リュウジンオー(魔弾戦記リュウケンドー)・・・・同じく敵に家族を殺されて戦士になったヒーロー仮面ライダーアクセル同様、高速攻撃を得意とする。
ただし、彼は上記の二人と違い、勝つためなら手段を選ばないために街を破壊したことがある。