※本記事は、映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』のネタバレを含みます。
概要
『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』に登場するキャラクター。
ドクター・ゲロの孫・ドクター・ヘドがかつてのセルのデータを元に作成した新たなセル。
作中ではまだ未完成の状態であり、レッドリボン軍基地の地下深くにある巨大な装置の中で調整が施されていた。
容姿・性質
瞳は赤く輝き、顔はオリジナルのセルの第二形態に酷似している。身体は第二形態には無い羽を始め、胴体や腰回りのデザインなど完全体と似た体付きをしている。
体色は赤色と黄緑色を基調とし、体躯はサイヤ人が変身する大猿並みの巨体を誇る。その巨体を支える足はオリジナルのセルと比べて丸みを帯びている。
過去に人造人間18号らを飲み込むために使用した尻尾の先端はオリジナルのような管状ではなく隕石型の鉄球のような形状となっている。
肉体は殆ど完成しているが、脳のコントロールプログラムがまだ未完成の状態であり、その状態でマシンから出してしまうと誰の命令も受け付けず、雄叫びを上げながらただひたすら暴走するモンスターとなってしまう。
理性がない為、言葉を発する事はないが声はオリジナルと同様。また気を感じ取る様な描写やピンチになると焦ったりする様子なども見受けられた。
戦闘力
製作者であるドクター・ヘドでさえ不完全な状態での復活には恐怖を覚え、その暴れっぷりは孫悟空とベジータの2人が居ても倒せていたか分からないと孫悟飯に言われる程。
原作者である鳥山明は「完成すればブロリーだって勝てない様な超人になる予定でしたが、無理やり起動させられて理性の効かない怪物になってしまった」とコメントしている。
全身のまだら模様は気を高めると紫色に光り輝き、尻尾も含めた全身から放たれる全方位エネルギー光線の前には死角は存在しない。
その鈍器状になった尻尾による殴打攻撃も可能。
空を飛ぶ際には背中の羽を使って加速する事も出来、応用して相手の攻撃を瞬時に回避する芸当も披露している。
かつてのセルと同様に細胞培養型の人造人間だが、再生能力は有していない。また大きな攻撃を受けた際にはカラーリングが剥がれた様にダメージを受けた部位が白色に変色する。
戦闘力自体は以前のセルをはるかに凌駕してはいるものの、上記の再生能力を始め、他の人造人間を取り込んでの自己進化能力や人間の生体エキスを吸収して自らのエネルギーに変える捕食能力、悟空をはじめとする様々な戦士の遺伝子情報から得た彼らの模倣技などを披露する事はなかった。これらは未完成故なのか最初からオミットされていのかは不明である。
以前のセルの頭部に核があるように、凄まじい戦闘力を持つセルマックスの唯一の弱点は黒い頭部であり、そこを破壊されると活動を停止する。ヘドが万が一問題が起こった保険用に予め設定していた。
ただ、その頭部は頑強で簡単に傷つかず、破壊されて活動を停止したとしても身体が膨張して周囲に大爆発(自爆)を巻き起こす。
活躍
レッドリボン軍再起を目論むマゼンタは、密かに設計図を回収していたが、内容が複雑かつ難解で自分達の技術だけでは再現が不可能だった。そこでスカウトしたヘドの手によってかつてのデータを参考にしながら開発が進められた。
ところが開発者であるヘドは、ガンマ1号&2号を大量生産する事で世界の制圧を考えており、当初このセルマックスの計画について乗り気ではなかった。
ヘドは妥協点として、ガンマ達が地球制圧をした後、完成したセルマックスで世界にその力をアピールすればいいと提言。マゼンタもそれを承認した。
しかし物語の中盤でガンマ達が精神に宿る「ヒーロー」の心で、感情が揺れ戦いをやめてしまう。追い詰められたマゼンタは(毒針を受けながらも)ヘドの制止を振り切り、最期の悪あがきでスイッチを押し、セルマックスを無理やり起動させてしまった。
まだ未完成の状態であるセルマックスは制御が効かず、悟飯たちの気配を察知するや飛び出して凄まじい気弾で辺り一面を更地へと変え、悟飯たちだけでなく創造主であるヘドや同じ人造人間であるガンマ1号&2号にまで攻撃を仕掛ける。
戦いの最中、ガンマ達によりセルマックスの弱点が頭部だと判明。フュージョンを失敗した太ったゴテンクスの予想外の活躍により頭部をひび割れさせることに成功する。
更にガンマ2号の決死の特攻によりセルマックスは片腕が使えなくなり攻撃力が落ちてしまう。
そして最後の作戦として巨大化したオレンジピッコロが時間を稼ぎ、悟飯はセルマックスの頭部を完全に破壊すべく気を最大限にまで溜め、ピッコロが追い詰められたその時、新たな姿に覚醒。
その姿を見て危険性を本能で感じ、地球を覆い隠さんばかりの巨大な光球を作り出して消し飛ばそうとする。だがピッコロに押さえつけられて頭部を狙いやすい様にされ、最期は新たな姿に覚醒した悟飯の魔貫光殺砲によってトドメを刺された。
直後、死体は大爆発を起こしてレッドリボン軍の残党や秘密基地諸共消え去った。
ゲーム作品
ドラゴンボールZドッカンバトル
2022年08月20日から開始されたチャレンジイベント「目醒める恐怖!セルマックス」にて初参戦。
スーパーヒーロー本編は全編3D作画で描写されてるのに対し、ドッカンバトルは全て2D作画で描かれており演出はどうなるのか注目されたが、敵専用キャラにしておくには勿体ないくらい実にヌルヌル動いており、2D作画で3D作画の雰囲気を見事に再現している。今後登場するスーパーヒーローのメインキャラクター達の演出に期待がかかるところである。
ちなみに彼が登場するチャレンジイベントは、それまで最高難易度であった『究極のレッドゾーン』を遥かに凌ぐ超高難易度を誇り、ドカバトユーザーを震え上がらせている。
スーパードラゴンボールヒーローズ
ウルトラゴッドミッション4弾でアルティメットレア、SPタイプでついに登場決定した。
余談
巨大な敵がラスボスになるのは『龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』のヒルデガーン以来27年ぶり(『最強への道』のブラック補佐が乗るバトルジャケットを含むなら26年ぶり)。また本作では公式によるネタバレ解禁が徹底されており、PVやゲームだけではなくパンフレットにすらセルマックスの状態は一切載っていなかった(オレンジピッコロと悟飯の新形態も同様)。
本作のセルのビジュアルが何故第二形態をモチーフにしたデザインなのかは不明だが、過去に鳥山明は歴代担当編集達との座談会にて「第ニ形態のセルも自分の中では結構気に入っていたのに。本当だったらもっと活躍させる予定だった」と語っており、原作完結から25年以上経った今、その夢を叶える形となった。
また言葉を発さずただ雄叫びを上げて暴れ回るキャラクター性から鳥山明はセルマックスを演じた若本規夫に対して「声優さんにはちょっとお気の毒でした。大ベテランなのに申し訳ない。」とコメントしている。
若本規夫はとあるファンレターへの返事(リンク有り)の中でセルマックスについて「声を張るセリフばかりで精魂を使い果たした感ありです。それを評価してもらえると頑張った甲斐があります。」と記している。
関連タグ
バイオブロリー:劇場版のボスキャラ。かつての悟飯に敗れた強敵を元に人工的に生み出された存在であり、理性がないため暴れ回るなど共通点を持っている。
セルX(セルエックス):ゲーム『ドラゴンボールオンライン』のボスキャラ。これは後に「セル:ゼノ」として『スーパードラゴンボールヒーローズ』へと逆輸入されており、原作のセルが巨大化したオリジナル形態も登場。
ハイマックス:別作品での中の人&「○○マックス」を冠したボスキャラ繋がり。こちらは人間に近い大きさの機械生命体で冷静に言葉を喋れる程の理性を持つ等、セルマックスとは真逆と言える。