基礎データ
進化
ミニリュウ → ハクリュー(Lv.30) → カイリュー(Lv.55)
概要
『ポケットモンスター 赤・緑』(第1世代)から登場しているポケモンで、言わずと知れたドラゴンタイプ第一号。
ヘビの様に細長く手足のない身体をしており、愛くるしいつぶらな瞳に、ギザギザの特徴的な耳鰭を生やしている。体色は背中側と頭部が青で、腹側と鼻先が白。
おでこの白く丸い出っ張りは未成熟の角で、ハクリューに進化すると大きな角になる。
個体数はかなり少なく、限られた人間しか立ち入れない秘境や、滝つぼなど流れの激しい水辺を好み暮らしている。
その為目撃者も殆どおらず、かつてはその希少性から「幻のポケモン」とすら言われていた。
しかしカントーのサファリゾーンである無銘の釣り師が偶然遭遇し、10時間も粘った末に釣り上げられたのきっかけに、その存在や生態が確認された。
名前の由来は「ミニ+竜」であろうが、その割に子供でも体長は2メートル前後(後述)もあり、生まれた時点で既にそれなりの大きさ。
体内には強い生命エネルギーを有しており、どんどん膨らんでいくその力を抑えられるように、毎日に近いペースで脱皮を繰り返してより大きく成長してゆく。
脱皮したての皮膚はやわらかいため、激しく流れ落ちる滝の裏などに移動し、外敵から身を守りながら行うのが恒例。
残された抜け殻はその希少性から革材として珍重され、この皮をなめして作ったブーツなどは超高級品とされているのだとか。
進化するまで飛ぶ事は出来ず、あまり強くもない為、同族の少ない環境下では水底に身を潜め、沈んできたものを喰らいながら密かに過ごしているらしい。
こうしたハクリューやカイリューよりずっと狭い活動圏も幻と呼ばれた原因と思われ、研究を一歩進めた釣り師の功績はかなり大きい。もしかしたら今後のシリーズで登場するのかもしれない。
赤緑版のグラフィックでは、腹部に最終進化先であるカイリューのものに似た蛇腹らしきものが見られたが、青版やアニメからはおなじみのツルツルした姿になった。
色もメディアによって微妙に異なり、攻略本の公式イラストやポケモンGOなどでは薄めの青色、不思議のダンジョンシリーズやアニメ作品では空色で彩色される事が多い。
ゲーム上の特徴
ポケモン赤緑本編では発見された後の時系列であるため、サファリゾーンの池で「すごいつりざお」を使用して釣り上げられるが、出現確率はかなり低く、その上出会ったらすぐに逃げてしまう為入手は困難であった(こいつよりもっと捕まえにくい種族がわんさかいるがそれはさておき)。
それ以外ではスロットの景品として、コインとの交換で入手できた。
以降のシリ-ズでは設定を反映し、「滝のある場所」や「人気のない僻地」ばかりである特定のエリアでのみ、低確率だが釣りをする事で遭遇できる。
第1形態という事もあり、ステータスは平均的に低くなっている。ただ、純粋な単ドラゴンタイプの為弱点は少ない。
問題点は最終形態であるカイリューまでの道のりが恐ろしく長いことである。
途中進化のハクリューを含めてもLv55まで育てないと進化しないという、当時としては大変な苦労がかかるポケモンだった。
特に初代では、手持ち6匹または5匹を平均的に育てているとクリアまでにカイリューに進化させるのはまず不可能で、主力2匹だけ育ててポケモンリーグ直前あたりでやっとカイリューになるくらい厳しい道のりである。
近年はLv上げがかなり簡単になったが、それでもやはり大変である。
元祖「大器晩成型のポケモン」の例として、これ以降のシリ-ズでもヨーギラスやタツベイといった、第1形態が貧弱で最終形態が非常に強力なポケモンが登場し、継承されていく形となる。
そして彼らの最終形態が後に600族と呼ばれるようになった。
しんそく使いのミニリュウ
クリスタルとHGSSでは、イブキに勝った後でダンジョン「りゅうのあな」で長老から5つの質問(3択式)を受けることになる。
5問全てに聞き返されることなく解答すれば、イブキからバッジを貰えるのだが、3択の中でも「真の正解」があり、1発で全て「正解(下の「○」の肢)」を解答すると、「しんそく」を覚えたミニリュウが貰える(途中で間違った場合は聞き返されるだけで、ミニリュウ自体は貰えるが、「しんそく」ではなく「にらみつける」になる)。
この「しんそく」はHGSS以降のソフトでミニリュウの遺伝技となっているが、他のしんそく持ちにミニリュウと同じタマゴグループの者がいないため、ミニリュウ系統にしんそくを習得させるためには
- ①HGSSで長老から直接もらう
- ②他のプレイヤーからしんそくミニリュウそのもの又はしんそくを遺伝させた個体を譲ってもらう
のどちらかの手段をとるしかなかった。
第8世代ではしんそくがカイリューのレベル技に設定されたため、剣盾とDLCを購入するだけでしんそくミニリュウの入手条件が整うようになった。
長老の質問
1.おぬしにとって ポケモンとは どのような 存在なのかな?
・なかま … ○
・てした … ×
・ともだち … ○
2.ポケモン勝負で 勝つ為に 必要なこととは 何かな?
・さくせん … ○
・そだてる … ○
・インチキ … ×
3.どんなポケモントレーナーと 戦ってみたいと 思う?
・よわいひと … ×
・つよいひと … ○
・だれとでも … ○
4.ポケモンを育てるのに 一番大事なことは なんじゃ?
・あいじょう … ○
・ぼうりょく … ×
・ちしき … ○
5.強いポケモンと 弱いポケモン どっちのほうが大事 なのかのう?
・つよいの … ×
・どっちも … ○
・よわいの … ×
ポケモンGO
今作でも原典における大器晩成型のスタイルを踏襲しており、第1段階のミニリュウはそこまで強力なポケモンではないが、最終進化形のカイリューはサービス開始当初からその性能の高さから人気があり、必然的にその元になるミニリュウの需要も非常に高いものとなっている。
野生のハクリューやカイリューの出現率は異常に低く、まずお目にかかることはできないため、手間はかかるがミニリュウを捕まえて(若しくはタマゴから孵化させて)からアメを与えてコツコツ育てて上げていくのが一番確実に入手できる方法とされている。
ただ、アメを手に入れるには別のミニリュウを入手してこなければならないため、結局育成するには大量のミニリュウをゲットし続けなければならない(ちなみに、ミニリュウからカイリューへ進化させるのに必要なアメの数は合計125個)。
そのため、都道府県を問わず、ミニリュウを入手しやすいスポットはプレイヤーの間で非常に人気が高く、大勢の人々でごった返すことになる。
特に有名なのが上野の不忍池であり、最盛期には、平日の夜や休日に黒山の人だかりができるほどの大勢のトレーナーが集まり、それに便乗して屋台が設けられるなど、まるで夏祭りでも開かれているかのような凄まじい盛況ぶりを見せていた。
しかし、同時にプレイヤーが敷地内の仏閣(弁天堂)に居座ったり、プレイに夢中になるあまり参詣客にぶつかるなどのトラブルが発生し、一般客から苦情が出る事態となった。
施設側も警備員を増やしたり注意喚起を行うなどの対応をとったものの、結局問題解決には至らず、2016年9月18日に、とうとう弁天堂境内におけるポケモンGOを含むすべてのスマートフォン用ゲームアプリのプレイを一切禁止する旨を通知する事態になった。
開発元であるナイアンティック側も事態を重く見たのか、これから程なくして弁天堂に存在していたポケストップをすべて削除しただけでなく、不忍池周辺のポケソース(ポケモンの出現場所)を大幅に削減する措置を取った。
また、サービス開始当初の世田谷公園はまさかのまさかミニリュウ大量沸きのスポット(所謂「巣」)に当てられたことから、同公園内ではミニリュウを求めて昼夜問わず全国各地から来たたくさんの人がごった返していた。
だが、こちらでも騒音やゴミといったマナーの悪さが目立ち、近隣住民とトラブルに発展するケースも多かったことからか、大量沸きは僅か1週間で終了し、これ以降(一時的に大量湧きが発生していた目黒川周辺や上記の不忍池など一部を除いて)現在に至るまでミニリュウの出現しやすい場所は存在していない。(ちなみに、これ以降の600族の初期形態も実装から現在に至るまで巣は設定されていない。同じような事態が発生するのを防ぐためだろう)。
現在ではブームも落ち着いており似たような現象は起こりにくくなった(起こらないとは言っていない)が、同ゲームの開始当初の凄まじい勢いを物語る出来事として、プレイヤーの間では今なお語り草になっている。
では実際ミニリュウをどこで手に入れればよいかといえば、水辺のある場所(もしくはみずタイプが出やすい場所)でまれに出現することがある。このため、巣が設定されなくなった後も、川の近くなどをうろつくと運が良ければ1匹くらいは見つかることもあったため、精力的に歩き回れば集めるのにそこまで苦労はしなかった……のだが。
第3世代実装以降はポケモンの種数が増えたことで相対的にミニリュウの出現頻度も低下しており、水辺に行ってもまったく見つからないなんてことも珍しくなくなってしまった。
タマゴから孵してもよいが、お約束と言うべきか必要距離数10kmのものからしか孵らない。そもそもそのタマゴを手に入れるまでが大変で、他にも出現候補が大勢いるためピンポイントで狙うのは厳しい。
現在ではフィールドリサーチのタスクに確定でミニリュウを1匹入手できるものがあるので、それを利用するのも手…と言いたいところなのだが、こちらもそのタスクを見つけるまでが大変である上、肝心の内容も「ドラゴンタイプのポケモンを1匹つかまえる」というかなり難易度の高いものなので、救済措置としてはぶっちゃけ微妙である(レイドボスでドラゴンタイプのポケモンが出現していれば話は別だが…)。
また、相棒に設定して一定距離数を歩くとアメが1つ手に入るのだが、ミニリュウ系統は何と1個手に入れるのに5kmに設定されている(普通のポケモンは3~4kmで1個、コイキングやイシツブテは1kmで1個)。そのため最終進化形のカイリューまで進化させるのはかなり大変である。
こうしたこともあり、一時期は手っ取り早く進化・育成させたい場合は、レイドバトルの報酬で入手可能な「ふしぎなアメ」の使用も検討に入れた方がいいとまで言われていた。
ただ、後述のコミュニティ・デイを始め、2020年8月に開催されたドラゴンウィーク等、いくつかのイベントで救済策が取られたことがあったため、現在は育成難易度はかなり下がっている。
コミュニティ・デイ
そんなミニリュウであったが、2018年2月24日のコミュニティ・デイではなんとこのミニリュウが対象となり、出現率が大幅にアップ、世界中のあちらこちらに大量のミニリュウが出現した。
その凄まじさたるや、街中を少し歩くだけでかなりの数のミニリュウと遭遇でき、ルアーのたかれたポケストップが密集している場所に行こうものなら、いっぺんに10匹近くのミニリュウがどどっと出てくることもあるという、かつての世田谷公園を彷彿とさせるような正に夢のようなイベントであった。
単に出現率が上がるだけでなく、イベント期間中は(このイベントが開催される前に入手していたミニリュウやハクリューも含めて)進化させるとゲージ技で「りゅうせいぐん」を習得した特別なカイリューになるという嬉しいサービスもあった(注意点として、このイベントより前に入手していたカイリューに「わざマシン」を使ってもりゅうせいぐんは覚えられない。
今からどうしても覚えさせたい場合、毎年年末に開催されるコミュニティ・デイ総決算イベントまで待つか、GOバトルリーグの報酬で貰える「すごいわざマシンスペシャル」を使う他に方法はない)。
さらに、イベントに合わせる形でミニリュウ系統の色違いまで実装され、かつこちらも出現率に上方補正が掛けられるという、大盤振る舞いなイベントとなった。
なお、当初は前回のピカチュウと同様、同日の正午~15時にかけての開催となる予定だったが、開始直後にサーバーの不具合によりプレイに支障を来すユーザーが続出した(ポケモンを博士に送ることができなかったり、ポケストップを回したりポケモンをタップしても反応せずにフリーズしてしまった)ため、お詫びとしてイベントの開催時間が夜18時までの3時間分延長された。
2022年11月5日の14:00~17:00に復刻コミュニティ・デイの第3弾としてこのミニリュウのコミュディが開催された。過去に行われた際に参加できなかった、若しくは改めて育成用の飴を集めたいというプレイヤーの要望に応えたものと思われる。
そして、イベント終了後に思いがけないサプライズが用意されたことでも大変大きな話題を呼ぶこととなった。
余談
よく間違いやすい名前として有名なポケモンである。正しくは「ミニリュウ」であり、「ミニリュー」は誤りである。これは進化後のハクリューやカイリューとの混同でよく間違われてしまう。
赤・緑・ファイアレッドの図鑑説明では「こどもでも しんちょうは 2メートル いじょう」とあるが、ミニリュウの「たかさ」は1.8mであるため矛盾をきたしている。
蛇型ポケモンにおける図鑑の「たかさ」は身長ではなく全長(身長<全長)と考えた方が妥当なサイズになることが多いが、この場合は「身長が2m」と指定されているので、全長の方が1.8mと考えるとかえっておかしなことになってしまう。
なおゲーム上のスケールサイズは図鑑データの1.8mに準拠している。
関連イラスト
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146サンダー/ガラルのすがた→147ミニリュウ→148ハクリュー
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