「友達は選んだ方がいい。僕が教えてあげよう。」
「私は君と彼らの仲が羨ましかった……ウィーズリーとグレンジャーだ。」
ドラコ・マルフォイとはウィザーディング・ワールドの人物であり、ハリー・ポッターシリーズに登場する魔法使い。主人公ハリーの敵の一人。
注意
マルフォイ姓のキャラは作品内に複数名存在するため、ドラコ・マルフォイとフルネームでタグ付けすると検索の利便性が上がる。ドラコだけでは他作品のキャラクターが検索で引っかかる。
概要/プロフィール
演:トム・フェルトン(映画)/アレックス・プライス(舞台)
フルネームはドラコ・ルシウス・マルフォイ。
ホグワーツ魔法魔術学校に1991年度に入学。
つまりハリーやロン、ハーマイオニーの同期生。
スリザリン寮に組み分けされており、寮内では中心人物で、クラッブとゴイルを腰巾着にパンジー・パーキンソンをガールフレンドにしていた。
ドラコは英国魔法界の純血一族の中でも特に権威があり裕福なマルフォイ家の一人息子だった。
父母と同じく純血至上主義者であり、マグルやマグル生まれを見下していた。
ハリーと友人になろうと差し伸べた手を拒否されてから彼に執着し、たびたび嫌がらせを行う。
しかし最終的にはハリーにやり込められることが多く、ライバルの立ち位置には立てていない。
ただドラコ本人の能力は決して低いわけではなく、成績は同学年で上位であり監督生や寮代表のクィディッチチームのレギュラーに選ばれている。
親が金持ちの権力者で寮監セブルス・スネイプの先輩、さらには裏の顔が闇の帝王ヴォルデモートの配下死喰い人であり、その威光を傘に着たドラコはハリー関連を除けばほとんど思い通りの人生を送っていた。
しかしヴォルデモートの復活により「二度目の魔法使いの戦い」が起こると、彼の運命は過酷なものとなっていく……。
1980年6月5日生まれ。
杖は25センチで柔軟さは不明、サンザシ材でユニコーンの毛を芯に持っている。
ペットは名前不明だがワシミミズク。
箒はニンバス2001。
容姿
全体的に父親のルシウス・マルフォイに似ており、プラチナブロンドの髪に青白い顔、尖った顎が特徴的。
瞳の色は薄いグレー。映画版では2作目まできっちりと固めたオールバックで、3作目以降は前髪を下ろしている。
また本編の19年後は髪を伸ばしポニーテールにしている。
体格は小柄な方。
ただし映画版と呪いの子で登場したパラレルワールドのみ闇の印を見せており、原作本編では刻まれていない可能性もある。
映画版のトム・フェルトンの格好良さやヴィラン/アンチヒーローという設定が影響し美形悪役のイメージが強い。
特に日本ではイケメン扱いされることがほとんど。
映画版で持っていたからか、青林檎と共に描かれたイラストも多い。→Drapple
人物
典型的なスリザリン気質
自身に逆らう者には容赦しないエゴイスト。
また正々堂々ではなく卑怯な手段を使うことが多く、先生など目上の人の前ではバレないようにやる、あるいは彼らに媚び味方につける狡猾さを持っている。
その性格はまさしく典型的(というより悪い意味で代表的)なスリザリン生のそれで、一瞬で帽子に組み分けされたのも納得である。
映画版では帽子にほぼ触れてない状態でスリザリンと叫ばれた。
虎の威を借りる狐
彼自身の能力は並程度であり、誇るのは自身の純血や一族の資産、父親の権力やコネ、他者から与えられた権力など「自身が属する何か」で、自分自身を誇ることはほとんどない。
尊大に振る舞っているが実はかなり臆病な性格。
本編の随所でヘタレっぷりを披露しており、どこか憎めない悪役という印象が強い。
良くも悪くも大それたことをできない人間であり、相手を馬鹿にはしても直接的な暴力を振るったり命を奪うことはできない。
一欠片の良心
こんな人物であるが、自分に惜しみなく愛情を注いでくれる両親を愛し両親を悪く言う者に対して敵意を向けたり、師であるスネイプを敬愛したり子分であるクラッブとゴイルを自分なりに大事にしたりするなど意外と情に篤い面もある。
これはスリザリンの特徴でもある同胞愛・身内への愛着心を体現している。
ダンブルドアからも「ドラコの良心はまだ損なわれていない」と評価され、彼をヴォルデモートの魔の手から救うために死の最後まで説得していた。ドラコもまたダンブルドアからの慈悲に心を打たれており、デス・イーターの陣営から離反はできずともハリーを遠回しに庇ったり、家族を救うために行動するなど性格や心境は徐々に善良に変わっていった。
スネイプでも突破できないほどの強力な閉心術を使うが、これは原作者曰く「ドラコには心を閉ざす才能があり、自分の良い面をずっと無視してきた」からである。
本編での動向
1991年、ホグワーツ魔法魔術学校に入学、スリザリン寮生となる。
入学前ホグワーツ特急の中(映画版では組み分け儀式の直前)でハリーと会った際、彼が自分に従わなかったため敵視するようになる。
翌年、2年生でスリザリン寮代表クィディッチチームの正シーカーとなったが、グリフィンドール戦でハリーに敗北。「スリザリンの継承者」でないかと疑われたがそんなことはなかった。
3年時、4年時もハリーらグリフィンドールへの嫌がらせに終始。4年時にはドラコの父ルシウスを恨むバーテミウス・クラウチ・ジュニアにケナガイタチに変身させられている。5年生時にはスリザリン寮の監督生に就任。更にドローレス・アンブリッジの「尋問官親衛隊」の一員となって横暴を尽くすも、彼女の失脚後は生徒たちからの報復で巨大なナメクジに変身させられた。変身し過ぎである。
6年生の時、父ルシウスの失敗の罰として、ヴォルデモートから死喰い人見習いに任命され、アルバス・ダンブルドアの殺害を命じられた。人命を奪わなければならない任務への恐怖を抱えながら幾度となく失敗し、最終的に死喰い人をホグワーツ城内に引き入れセブルス・スネイプが代わりにダンブルドアを殺害すると、死喰い人たちと共にホグワーツから逃亡する。ちなみにこの際ドラコがダンブルドアの杖を取り上げたため、ニワトコの杖の忠誠が密かにドラコへと移動し、最終決戦の決着のキーとなった。
7年生になるとヴォルデモートがホグワーツを掌握し、学生生活に戻る。
ホグワーツの戦いにて子分たちと一緒にハリー達の妨害をするもクラッブ(映画版ではゴイル)が暴走して自滅し、結局ハリーに命を助けられる。その後は、ホグワーツ防衛隊に加わることもなく、闇の陣営側として誰かを傷つけることもなく、ヴォルデモートが倒された後の祝賀会では家族3人で肩身が狭そうにしていた。
ホグワーツを卒業後は、ダフネ・グリーングラスの妹、アストリア・グリーングラスと結婚し、息子のスコーピウス・マルフォイを授かる。スコーピウスはドラコと瓜二つの外見をしているが中身はかなり違うらしく、マルフォイ家の家風は嫌っている模様。
またハリーとは友人とまではならないが、険悪にならず会釈できる程度の仲にはなった。
19年後
第8作目では息子スコーピウスがメインキャラというのもあり、ドラコの出番も多い。
息子とすれ違っているハリーに対して、ドラコは更生し良き父親となり、作中で亡くなった妻の死を息子と共に悼んだ。
その姿、そしてファン垂涎のハリーとの再戦そして共闘を見ることができる。
またハリーたちの友情に憧れていたことを告白しており、図らずも子供たちを孤独に追いやろうとするハリーをハリーの妻と共に牽制するなど熱い場面がみられる他、ハーマイオニーやロンと共闘する場面もある。
名前の由来
名前はラテン語で「竜」「蛇」を意味するが、母方の血筋を考えるとまず間違いなく竜座ともひっかけているのだろう。
事実、ラテン語における「ドラコ」には「竜座」の意味もある。
またドラコのフランス語由来のファミリーネームは英国人にとっても珍しいせいか、ハリーに自己紹介した時、隣にいたロンが噴き出している。
余談
- ハリーと親戚
実はハリー、ロン、ハーマイオニーとは親戚でもある。
これはロンとその兄弟がドラコの母、ナルシッサ・マルフォイと三従姉弟(みいとこ、曾祖父同士が兄弟、フィニアス・ナイジェラス・ブラックの玄孫)の関係である。
ハリーとハーマイオニーは婚姻により親類同士となり彼らの子女とドラコは五代前の祖を共有する四従兄弟(よいとこ)同士ということになる。
- 正反対の役者
ドラコを演じたトム・フェルトン氏は、映画での役柄とは正反対に非常に思慮深く穏やかな人柄で、共演者やファンからも軒並み好印象を抱かれ、とりわけハーマイオニー役のエマ・ワトソン氏に至っては「初恋の人」と述べていた。
また、大の親日家としても有名で、東日本大震災の際に被災者支援のチャリティー活動を行ったり、USJにてハリポタ関連のアトラクションが完成した際にオープンイベントで訪れるなど、積極的に来日している。
そんなフェルトン氏であるが有名な映像作品で悪役を演じる者の性や、ハリポタ以外の作品(『猿の惑星創世記』等)でも悪役を演じる事が多いからか、ハリポタシリーズの制作中はもとより、シリーズ完結後も、フェルトン氏をドラコと同一視するファン(特に子供達)から「ハリーをいじめるな」等のクレームや罵声を浴びせられる事も珍しくないという。
しかし、フェルトン氏自身はそれすらも寛大に受け入れており、「子供の夢を壊すのはサンタの存在を否定するのと同じだからね。そのためなら、どんなに憎まれても構わないよ」と紳士的なコメントし、ファンを感心させている。
- 日本での人気
名前の語感が妙に印象的ということもあり、日本では異常なネタ人気を誇っている。更にネタキャラとして扱われる時は「~フォイ」と変な語尾で話すようになっている。
本編の台詞をもじった「洗ってやるぞ、この汚れた皿め!」や、
TwitterのTLで一部しか表示されていないエロ画像を見ようとするとドラコの画像が表示される「釣られたな、ポッター」
などネタに事欠かない。
果ては公式が作成したハリポタの実写LINEスタンプですら、マルフォイのスタンプはどれも
「フォフォイのフォイさ」、「テンション高マルフォイ」等、一連の悪ノリに便乗しているかのようなネタスタンプとなっている有様である。→公式が病気
ネタだけでなく真っ当な人気もあり、判官贔屓もあるのか他国よりも日本のマルフォイ人気は高く、人気投票やPixivで投稿・閲覧件数でも高順位である。
ちなみに、フェルトン氏が親日家になった理由も、この日本でのマルフォイ人気を知って感激した事がきっかけだそうな。
- 映画版の没シーン
最終決戦の終盤、復活したハリーに自身の杖を与えるシーンがあったがカットされた。
関連イラスト
関連タグ
世界観:ハリポタ ウィザーディング・ワールド|
所属:スリザリン マルフォイ家 純血(ウィザーディング・ワールド) 聖28一族 死喰い人
家族:ルシウス・マルフォイ ナルシッサ・マルフォイ アストリア・グリーングラス スコーピウス・ヒュペリオン・マルフォイ
仲間:ビンセント・クラッブ グレゴリー・ゴイル パンジー・パーキンソン セオドール・ノット ブレーズ・ザビニ ダフネ・グリーングラス
先輩:マーカス・フリント エイドリアン・ピュシー グラハム・モンタギュー カシウス・ワリントンなど
敵対:ハリー・ポッター ロン・ウィーズリー ハーマイオニー・グレンジャー アルバス・ダンブルドア
カップリング:ドラアス ドラパン/フォイパン ドラハー ドラジニ ドラルナ
BL系カップリング:ハリドラ ドラハリ ドラハリ♀ ロンドラ ドラロン/ドロン スネドラ
キャラ属性:銀髪 ライバル(?) 金持ち 御曹司 憎めない悪役 美形悪役
類似キャラ
- ダドリー・ダーズリー…詳しくは彼の記事に譲るが共通点が非常に多く、ハリーからしても「ホグワーツのダドリーのような存在」と評されている。一方で相違点も多い。
- 骨川スネ夫…金持ちの実家を鼻にかけ、主人公に何かとそれを自慢したり嫌がらせしてきたりする、ヘタレな嫌味キャラ繋がり。目上の人間の前では本性を隠したり媚びて味方につけてピンチを切り抜けようとする、嫌がらせするとしっぺ返しを喰らって酷い目に遭う、小柄で主な服の色が緑、何の偶然か主人公が大きな丸眼鏡など共通点が非常に多い。異なる点といえば取り巻きを従えるリーダー格のドラコと違い子分気質である。
- ベジータ…最初は主人公の憎き敵として、また宿敵の配下として登場するも、徐々に改心した主人公のライバル繋がり。エリート家系、何かと主人公を意識して突っかかるも内心認めている節がある、改心後は良き父親となり主人公とも共闘する、息子同士は当人らと対照的に非常に仲良し、オールバックな前髪、少し見せるヘタレな一面をやたら強調されネタにされるなど、これまた共通点が多い。ただしドラコは彼なりに仲間想いで、敵が相手であろうが殺害対象の作戦のうちであろうが命を奪うことができないのに対し、ベジータは配下のナッパを平気で切り捨てて処刑したり、元々仕えていたフリーザの部下を次々葬ったり、バビディに操られていたとはいえ地球人を虐殺していたことも。
- ダミアン・デズモンド…高慢だが成績優秀でいつも二人の取り巻きの少年を連れている、父親が危険な組織の重要人物であるなどの共通点があるため、ドラコを思い浮かべた人もいるだろう。ただし、相手に表面上こそ悪態をつくものの決して見下して侮ったりしない、仲間想いな部分が二人の友人にきちんと伝わっていて心から慕われている、一方で家族仲が良くないなど、ドラコと対照的な部分もある。