1984年発売の初代Macintoshに添付された2本のアプリケーションのうちの一つ(もう1本はワープロソフトであるMacWrite)。Macintoshの描画ルーチンであるQuickDrawを開発したビル・アトキンソンが制作した。
GUIが一般に普及してまだ間もない当初、GUIを用いたソフトウェアがどのようなものなのかを示す意味としてMacPaintは誕生した。機能的にはQuickDrawをユーザーが使えるよう、GUI化したものである。機能的には白黒2色のみと、今から見るとシンプルなものだったが、ドラッグ&ドロップによる編集、角丸四角形の表示・編集、快適な動作速度など、当時としてはあらゆる面で画期的なものだった。
その後のグラフィック編集ソフトの原型となったのみならず、グラフィックソフト以外でも、MacintoshやWindowsの多くのアプリケーションのお手本となった。
ラスター画像編集ソフトウェアは今の日本で「ペイントツール」と呼ばれるが、これはMacPaintを由来とする和製英語である。
MacPaintはMacintoshへの標準添付が中止された後、販売権がアップルの子会社であるクラリス社に移管された。最終バージョンは、マルチウィンドウに対応した2.0(1988年)である。