よくモデルガンと混合されることがあるが、銃のおもちゃの中で弾が出る方と解釈すればわかりやすい。
短縮してエアガンと呼ばれることもあるが、これは殺傷能力を持った空気銃を差すこともあるので注意していただきたい。
エアソフトガンの遊び方
エアソフトガンの遊び方で最もポピュラーなのはサバイバルゲームであるが、APSカップやスチールチャレンジ、IDPAマッチなどの射撃競技もある。
近年では、アメリカ軍などの軍隊や銃火器会社の教育機関がエアソフトガンを訓練機材として使用している、陸上自衛隊が東京マルイの89式5.56㎜小銃を市街地戦訓練用の教材(89式小銃の製品化の際には自衛隊からの協力があったらしい)として使用しているなど、公的訓練での訓練にも使われている。
これは『生身の人間との撃ちあい』という実銃ではできない訓練が、ペイント弾よりも低コストでできること、シムニッション弾に比べて安全であること、銃の管理が楽なこと、ペイントボールランチャーと違い実銃同様の外見であることに目を付けたためである。
メーカーでは禁止している使用方法だが、害獣を追い払うのに農地や観光地で使用されている。
傷つけない程度の威力であり、スリングショットなどと違い狩猟扱いにならない為にちょうど良いとおもわれるが、真似をしてはいけない。
エアソフトガンの種類
エアソフトガンは基本的に気体の圧力でBB弾を発射する機構であるが、大別すると3種類に分けられる。
一つはボンベから、ガスなどの気体をマガジンに注入して、そのガスの圧力で弾を発射するガスガン。
もう二つ目はバッテリーとモーターの力でピストンを前後させ、シリンダー内の空気を圧縮して弾を発射する電動ガン。
三つ目は手動でピストンを動かしてシリンダー内に気体を注入するコッキングガンである。
ガスガンと電動ガン、コッキングガンにはそれぞれ、以下の長所と短所が挙げられる。
ガスガンは機構をコンパクトにできるため拳銃などの小物に向いている、より実銃に近づけることができるため実銃さながらの分解を楽しめることと、実銃に近いブローバックを味わえることが長所となる。
動作する機構を省略し、単発で撃てる機能に絞った製品もある。
自動装填機構が無いために連射は劣るが、発射の際に余分な機構が無い為に弾道が安定する、機構の動作が無い為に射撃音が静かといった利点がある。
ただし、使用するガスとして主流となっているHFC134aが温室効果ガスに該当するため地球にやさしいとは言い難い。また気温の変化に影響を受けやすいという弱点がある。
そのため冬などの寒い時期のサバゲーでは動きが鈍って電動ガンに不利になってしまうし、そうでなくても使っていくうちにマガジンが冷えて動きが鈍ってしまうので、手や脇で温める必要がある。
外部タンクを接続することで液化ガスを使用しない、大きなガス室を持たせることで気温の変化による影響を抑える、空気入れによる最充填でのランニングコストの低下などを行う事が出来るが、一昔前のハイパワーブームによりエアタンクを使用=ハイパワー銃という悪いイメージがあるために使用できないフィールドがある、ホースを接続する為に外見が実銃から離れてしまうといった事から使用はあまりされていない。
ごく一部ではあるがCo2を使用したものもある。
コッキングガンは手動で動かすため、ガスガンと電動ガンほど機構が複雑ではなく、両者に比べて安く作ることができることが最大の長所である。
また、BB弾を発射するたびに作動音がしないためスナイパーの隠密行動で大変重宝する。
気温の変化による影響や余分な機構が無い為に安定した射撃が可能であり、APSカップといった精密射撃競技では主力となっている。
逆に、BB弾を一発発射するたびにピストンを動かす必要があるため、連射性に欠けることが欠点となる。
実銃でも、ポンプアクション式ショットガンやボルトアクション式ライフルなど、手動で弾を装填する銃があるため、これらはコッキングガンで再現される。
電動ガンはコッキングガンのピストンを人力ではなくモーターの力で作動させるという構造となっている。
ガスガンのように気温の影響を受けないので冬でも確実に動くこと、バッテリーは再充電できるのでランニングコストが安いことが挙げられる。
その一方で、モーターとバッテリーは小型化が難しいので拳銃には向いていない。
(東京マルイの電動ハンドガンなどの例外はあるが中型以上のサイズのもののみとなっている)
また、実銃のデザインによってバッテリーの大きさと配置に影響が出るため、サバイバルゲームで1日遊ぶだけの容量がない、稼動部分の省略がある、機構を収める為に外見のデフォルメがあるといった欠点がある。
近年では一部でリチウムポリマー電池の使用がされているが、扱いが難しいバッテリーであり、安全上の注意や危険性を理解したうえで使用しなければならない。
これらの機構は手動でのコッキング可能な電動ガンのように併用したものもあり、モデルガンと併用してキャップ火薬をレナくとも射撃できるといった製品も登場している。
エアソフトガンの弾
現在使われているエアソフトガンの弾は、BB(Ball Bullet)弾と呼ばれる直径6㎜のプラスチック製の球体が主流である。
(エアソフトガンメーカーのマルシン工業では8㎜のBB弾が発売されている)
通常のプラスチックを使ったBB弾は自然界では分解されたいため、サバイバルゲームでは2~3年で分解される、生分解性プラスチックを使ったバイオBB弾の使用が奨励されている。
最近では白といった明るい色ではない茶や黒といった色のバイオBB弾が発売されており、目立たない色のBB弾の使用を推奨しているフィールドもある。
エアソフトガンと法律
業界団体では自主規制でASGKでは10歳以上用が0.135ジュール、18歳以上は0.4ジュール、競技専用0.8ジュール、JASGでは0.8ジュールが上限となっていたが、有名無実のものなっており、メーカーによっては1ジュールを超えるものも販売されていた。
2007年に執行された改正銃刀法では、6㎜BB弾を使用したエアソフトガンの威力は摂氏35度環境で0.98ジュール未満(弾の質量と発射初速をかけた値)でなければならないと定められた。
また、ASGK,JASG,STGAの3つの自主規制団体では18歳以上用のエアソフトガンの威力を0.98~0.8ジュール未満とする自主規制値を設けており、10歳以上用のエアソフトガンに関しても青少年保護育成条例で0.135ジュール未満とすることが定められている。
これを超えるものは準空気銃として銃刀法の取り締まり対象となる。
Yahoo!知恵袋などの質問サイトで『一番威力のあるエアソフトガンは何ですか?』という質問がたまにあるが、これはバカ丸出しな質問なのでやめましょう。