中央本線で運用されていたED61形電気機関車は出力が低く、より出力の大きいEF64の投入により、持て余す存在となった。そこで飯田線の貨物列車に使われていた旧型電気機関車の置換えにED61を使おうとしたが、軸重が飯田線に入線可能な重さを超えていたため、ED61に新たに軸重軽減のため従輪の増設改造を行ったのがこのED62である。
概略
ED61から回生ブレーキと関連機器を取り外し、床下にあった機器を車内の空いたスペースへ移設。床下のスペースへ新たに1軸台車(TR109)を設置した。この改造で車両重量は2トン増えたが軸重は13トンまで低減された。中間台車の空気バネを調整することで軸重を14トンにすることも出来る。
その他重連総括制御用ジャンパ栓の撤去などが施工されている。
運用
飯田線全線で貨物列車に使われ、国鉄時代に廃車になった車両を除いた3~7、15~17号機の計8両がJR貨物へ引き継がれ、飯田線貨物列車の廃止と運命を共にした。
国鉄時代に廃車になった14号機は浜松工場の入換用機関車として使われた後佐久間レールパークで保存され2010年7月に解体された。1号機はJR東日本長野車両センター、17号機はJR貨物大宮車両所に今も保存されている。