概要
「止めといた方がいいよ 普通の人間があいつを受け入れるわけないよ」
「あいつが化物だって知ったらじーちゃんばーちゃんビックリして心臓止まっちゃうぜ」
94χにて楠雄の回想で顔半分下のみ登場。彼の事を思い出した楠雄は「嫌な奴を思い出した」と、彼の事を良く思っていない様子を見せた。その回想では楠雄を「化物」呼ばわりしており、読者の間で物議を醸した。
そしてその話の最後のページで、彼が楠雄の兄であることが発覚する。
それから彼の事には一切触れられないまま2ヶ月間が過ぎ、103χ(2周年)にてついに本人が登場。
彼の正体はマッドサイエンティストであり、弟の制御装置を「殆ど」作り上げた製作者だった。
衝撃的な登場
この話が掲載された後、あまりにも突然すぎる展開のためその話の最後の柱が
「空助って誰だよ!そんな話連載始まってから一回も聞いた事ないんですけど!」となったり、
その週のアンケート結果が良くなったり、つぎの週の話の「前回までのあらすじ」が
「空助(ルビに『誰?』)」となったり、作者の麻生先生がこういったツイートをしたり、「名前と楠雄の兄である事」「あの斉木ですら嫌な奴と称している」「顔半分下」などの少ない情報を基にあちこちで彼の人物像を想像する遊びが始まったりなど、
今まで楠雄を一人っ子だと思っていた多くの読者に大きな衝撃を与えた。
と、今まで回想にも話題にも上ることがなかったため、「後付け設定では?」と思う読者も多くいたが、上記のツイートの直後で麻生先生が「はるか昔から考えていた設定」と言っていたため、初期からの構想であったらしい。その後2か月間ほど、本誌では彼の事には全く触れずに話が展開されていき、ファンの間では空助が何者なのかという予想が繰り広げられていき、ファンの期待は高まっていった。
そしてついに、103χにてついに本人が登場した・・・
彼はマッドサイエンティストであり、楠雄が「自分で作った」と言っていた制御装置を「殆ど」作り上げたのは実は彼であることも発覚した。
その初登場時、頭に楠雄の制御装置と似たデザインのカチューシャを装着しており、(その話の柱が「ついに空助キター!頭に何つけてんだコレ!!」であった。)
その時は楠雄の事を「かわいい弟」と呼んでいた。が、その時のモノローグは描かれていないうえに目が楠雄以上に濁っているように見えており、(後のシーンでは楠雄と同じ目つきになったりハイライトが入ったりなどしているが)
装着していたカチューシャのシュールなデザインと「化物」呼ばわりとはまるで違う「かわいい弟」呼びに困惑した読者も多かった。
「うん、いつでも来てよ」
「かわいい弟の頼みだしね!」
容姿
肩まで髪が伸びており、左目が前髪で隠れている。(いわゆる片目隠れ)髪色は白緑のよう。あと、やたらとツヤツヤした髪質をしている。この髪型からたまに作中で片目が隠れる漆黒の翼を連想した人も多いようだが、顔立ちは紛れもなく楠雄と兄弟だとわかるほどに似通っている。
(ちなみに、このヘアースタイルは10歳ごろからだったらしい。)
そして、魔法使いを連想するような服装だが、10巻表紙を見て、たまにコラボしている某教室の先生を連想する人も多かったそうな。
あと、斉木國春と並んでいる姿を見るにかなりの長身であることがうかがえる。(ちなみに10巻にはプロフィールが公開されていなかった。)
性格と生い立ち
現在18歳で、一見するとそんなに「嫌な奴」には見えず、むしろ茶目っ気があるように見えるが、楠雄が空助の事を嫌っていたのは、空助が楠雄の事を嫌っていたからであった。
しかしその理由は楠雄も「兄が自分を嫌うのも無理はない」と思うものだった。
今から18年前、斉木國春と斉木久留美の間に空助が生まれる。
彼は生後一か月にして言葉を発し、それから日常会話を流暢に話すようになる。
そのため赤子ながらうんちをしても泣かずに「恥ずかしながら」と丁寧に報告したり、絵本を読んでもらっているところでオチを予測したり、そのあと小学校低学年までに習う文字の読み書きをしたり、簡単な計算などは二歳でマスターし、知能テストの結果はIQ218などと、早い話が天才だった。
が、そんな向かうところ敵なしの生活に、超能力者の弟という大きな壁が立ちはだかる。
超能力を駆使して自分より格上の事を平然とやってのける弟に対して、嫉妬や劣等感嫌悪などの感情を持ち、そんな感情を向けられた楠雄の方も彼の事を嫌いになっていった。
何度も何度も、弟が自分を煩わしく思おうとかまわず勝負を仕掛けたが、じゃんけんすらも勝つことができなかった。中学一年の頃、さすがに正攻法では勝てないと気づき、楠雄の脳や体を調べて制御装置を作り上げた。が、それでも勝てなかった。
そして、14歳になった時、「兄より優れた弟など存在しないのだ・・・」と、どこかで聞き覚えのある言葉を残して逃げるように高校を飛び級し、イギリスのケンブリッジ大学に留学した。それから4年間、楠雄とは一度も会わなかった。
それからは毎日を自堕落に過ごし、修士号を取得し、次は博士号取得のため研究に明け暮れていたが、研究の過程で、「楠雄を読めなくするんではなく、僕が読まれなくなればいい」という逆転の発想に至り、テレパシーを封じる方法を閃き、研究を重ねた。
ここまで通算0勝4254敗であることを覚えており、それについて楠雄は「マジキモイんですけど」と評していた。