概要
NPO法人「特定非営利活動法人江戸しぐさ」が主張している、「江戸の商人達の行動哲学」とされるものである。
日本の心遣い溢れるマナーのありようとして広められ、一部では道徳の教科書に載るようにもなっている。
代表的なものは
- 傘かしげ
狭い道などですれ違う際に、傘を少し倒して相手のためのスペースを作る動き
- こぶし腰浮かせ
船に乗り合うときの席の譲り合い
―「傘かしげ」
狭い道などですれ違う際に、傘を少し倒して相手のためのスペースを作る動き
などであるとされ、これらは商売繁盛の秘伝として口述で伝えられて来たという。
明治維新の際にこれらは滅びたが、それは江戸開城の時、「江戸講」のネットワークを恐れた新政府軍が江戸しぐさの伝承を失わせ、江戸しぐさの伝承者である江戸っ子たちを大虐殺したためであるという。
「江戸しぐさ」に対する批判
しかし、上記については「実際の江戸時代の習慣などを考えるとあり得ないネタが多い」という批判が数多く入っている。
例えば上記の「傘かしげ」にしても、当時使われていた和傘や路地の構造上かえって気遣いにならない、そもそも江戸時代(特に前半期)は傘は高級品でおいそれと手に入らないものだった、などである。
その他明らかに現代の感覚で設定されているのではないか?というツッコミ所が多数あり、また「江戸っ子大虐殺」などという大事件が誰の記録にも残らないということも不自然と指摘されている。
「江戸しぐさ」の実在を示す文献は今のところなく、NPOの主催者の捏造ではないかという見方が多くなっている。