ハクヨナ
はくよな
作中における関係
暁のヨナの作中において、この二人は従者関係であり物語を動かすタブル主人公的立ち位置。運命に抗い必死で生きようとするヨナをハクは護衛として命懸けで護ろうとしている。
ハクは18歳、ヨナは16歳でハクがヨナより二歳年上
作中ではヨナに意地悪な冗談を言ってからかったり、わざと怒らせるようなこともするハクだが、
ふざけながらもヨナの心情を見抜いていたり、影ながら修行している姿を見守っていたり、隠していた体調不良を指摘し心配するなど常に彼女のことを気にかけている。
序盤での関わり
二人の関係は幼少期から始まる。
高華国に仕える風の部族の戦士であるハクは、風の部族長ソン・ムンドクの連れ子としてヨナの住まう宮中を度々訪れていた。その度ヨナの父イル国王からその卓越した武の実力を買われ「ヨナの専属護衛」として宮中で住まうよう何度も勧められていたが、ハクは王家や貴族に深く関わることを嫌い、またヨナ姫の側にいると「調子が狂って仕方ない」という理由からそれを断り続けていた。(おそらく照れ隠しだったと思われる)
ヨナとハクは立場は違っていたものの、気心の知れた幼馴染として宮中では兄妹のように親しい間柄で、過去の回想からもヨナはハクにとても懐いていたことが伺える。
ハクは密かにヨナに淡い恋心を抱いていたのだが、一方でヨナは(同じく幼馴染である)イル国王の兄の息子、スウォンに恋焦がれ夢中になっていた。ハクは仕える身としてそのことを心良く思っており、信頼しているスウォンにならヨナを任せられると二人の将来を一歩引いた立場から見守り続けていた。しかしその反面、ヨナへの想いを抱えたまま少し複雑な心境下にあった。
そんな中、いつもヨナに言い寄ってくる火の部族長の息子カン・テジュンから彼女を庇った際に(テジュンをあきらめさせる為にヨナが咄嗟についた嘘ではあったが)ヨナに自分への好意を告げられたハクは動揺し顔を赤くした。そしてどうしても引き下がらないテジュンに自分は国王直々のヨナの専属護衛であると言い放ったことを機に、ハクは「ヨナの専属護衛」という立場を意識するようになり、
イル国王から改めてヨナを護ってやってほしいと頼まれ、ハクはヨナに最も近しい従者として正式に任命され揺るぎない決意を固めるのだった。
そして物語は動きだす
平和を愛するイル国王の統治の元争いの気配の無い高華王国だったが、長きに渡り国王暗殺を目論んでいたスウォンによってヨナの目の前でイル国王が殺害されたことで事態は一変する。
ハクは口封じの為殺されそうになっていたヨナを間一髪救出し、味方であるミンスの協力により共に宮中から脱出。愛する父を目の前で殺され、精神が壊れたままの彼女を連れ高華王国から逃亡した。
その後、しばらくの逃避行ののち彼の故郷である風牙の都(風の部族)に落ち延びた二人はつかの間の間休息をとることとなった。ハクはヨナの今後の身の安全を考え、育ての親ムンドクにヨナを託し何も告げず一人で旅に出ようとするが、駆けつけたヨナの必死の説得と「でも、お前が欲しいもの」「私にハクをちょうだい」という驚きの言葉に折れ、迷った末仕方なく一緒に旅に出ることを了承した。
道中ヨナ達を追って来たテジュン率いる追手達に襲撃された際は、毒矢を受け敵に斬りつけられながらもなお自分を護ろうとするハクの危機を目にしヨナは覚醒。崖から落とされそうになっていた彼を必死で支え、涙を溢しながらハクを失いたくない想いを爆発させた。
・余談〈ちなみにアニメでは〉
ハクとヨナの絆の強さを強調するこのヨナ覚醒回〈アニメ第6話前半〉は見所、物語の一つの山場として二人の感情表現が激しく戦闘シーンにやたらと力が入っており、作画、演出共にファンから高評価だった。
・(他)単行本11巻のおまけ漫画
購入者特典ペーパーの再録漫画にて
「暁のヨナはラブが少ない」という読者からのコメントを読み上げるヨナの隣で、何か言いたそうにヨナを見つめているハクとその視線にまったく気づいていないヨナ、という序盤の二人の関係を象徴しているようななんともハク涙目な4コマ漫画が描かれており、オチもハクヨナ的にとてもおいしい内容になっている
(ちなみにこの時のヨナは誰と誰の恋愛を指しているのかわかっていない)
セリフ集
単行本のネタバレを含みます。未読の方は注意 |
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ー俺を道具だと思えばいい
俺の主はあんただ
あんたが生きる為に俺を使え
俺はその為にここにいる
ーハクは私の幼馴染みで
城を出てからも独りになってからも
見捨てずそばにいてくれたの
ハクは一緒じゃなきゃ嫌!!
ーちゃんと戻ってくださいよ
でないとこの先、
うぜェくらい側を離れませんからね
ーハクは私のこと、姫って呼んで
お前だけは……姫って呼んで
お前だけは父上とその娘のこと
忘れないでいて
ー命じればいい
あんたが本気で命じるのならば
俺はそれを拒めない
ー不条理なまま死ぬのは嫌
お前を失うのはもっと嫌
その為なら神の力だろうと
私は手に入れたい
ー知ってますよ、あんたがスウォンに見せようと練習していたことも
あんたがあの簪を捨てられないでいることも
あんたはまだあいつを…
ーこれは私の歩んでいく道だから
選んだ道だから
だからハクは、哀しまないで
私を…導いて
ーあんたのことばっかりで
苦しいな
お言葉に甘えて、好きなことさせて頂きました
お気遣いありがとーございます
ー無茶を言う…あんたが…大事すぎる
二人の恋の行方
ー変化していく関係ー
巻を増すごとにハクとヨナの絆の強さや恋愛的描写に変化がみられる。
今まで自分の身分を弁えてヨナへの想いを隠してきたハクだったが、スウォンの反逆事件が起き共に旅を続ける中でヨナとさらに心を深く通わせるようになったことで、その隠し通そうとしていた想いは従者としての身分を超えてしまいそうになるほどの隠しきれない衝動へと変わっていく。
ハクはヨナに対して今まで通りの対応であるものの、ふとした時に真剣になりヨナに想いを伝えようとするそぶりをよく見せるようになった。
そしてヨナのハクに対する気持ちにも変化が…
当初はハクからの好意を示す様々な言動や行動にもヨナはまったく気づいておらず、自分をからかっているだけだと思っていた為「そういう冗談はやめてほしい」と告げ完全にハクが空回りしている状態だったが、ある出来事<単行本11巻参照>をきっかけにヨナはハクを異性として意識するようになる。
恥ずかしさからテントで二人きりになることを避けるようになったり、(客寄せの為のサービスだったとはいえ)ハクが他の女性を抱きしめているのを見て胸を痛めたり、自覚無く嫉妬してしまう、ハクに見つめられると顔が真っ赤になりうまく喋れなくなる、
ハクの笑顔を見て自分も幸せな気持ちになり、微笑んだままずっと見つめてしまっていたことを指摘され激しく動揺するなど、
現在はヨナもハクへの特別な想いに気づき始めている。