概要
声:櫻井孝宏
火の部族長兼将軍であるカン・スジンの次男。基本的に能天気かつ自由で、喜怒哀楽の激しい性格がチャームポイントである。
本編より3年前、玉座を狙いヨナ姫にしつこく言い寄っていたところを、後に風の部族長兼将軍──そしてヨナ姫の専属護衛となるソン・ハクに撃退されている。しかし、それ以降もヨナ姫に執着し続けており、城を追われたヨナとハクを自身の部下と共に追跡。ハクのみを殺し、ヨナを連れ帰ろうとするも、2人は揃って谷底に転落してしまう。その際にヨナが見せた燃えるような鋭い眼差しに心打たれ、恋情にも似た強い憧れを抱き、焦がれるようになる。
自身がヨナ姫を殺してしまったという罪悪感から茫然自失し、彩火城にて怠惰な日々を送っていたが、兄であるカン・キョウガの命を受け、『暗黒龍とゆかいな腹へり達』という賊の討伐に乗り出すことに。そこで奇跡的に生き延びていたヨナやハクと再会し、「ヨナ姫の力になりたい」という想いから、彼らが火の部族の貧しい土地で行っていた慈善活動に加わるようになる。
痩せて作物も満足に育たない土地、劣悪な環境で蔓延する病、父スジンの命で若い男が徴兵されたせいで不足している働き手──テジュンが見た火の部族の現状は問題だらけであった。今まで彩火の外の世界に興味はなく、父や兄の行う軍事最優先の政治が正しいと信じていたテジュンであったが、今の火の部族に発展や未来はないと悟る。当初は『ヨナ姫』の為に下心ありきで行っていた奉仕活動も、やがて本当に『火の部族の民』のものへと変化していった。村の住民に横暴な態度をとっていた部下たちも、自ら率先して働くテジュンの姿を見て意識を改める。世間知らずで傲慢なお坊ちゃんから、未来を背負う頼もしい存在になったテジュンに、ヨナはこれからの火の部族を託して次なる地へ旅立った。
父スジンが戒帝国千州の豪族であるリ・ハザラと結託して謀反を起こした際には、兄キョウガと同じく何も知らされていなかった。部下や村人たちと共に耕した畑を千州軍に踏み荒らされそうになった際には、鍬ひとつで千州軍に突撃するなど、怖いもの知らずで勇敢な面も見せた。
スジンの反乱が鎮圧された後、新しい火の部族長兼将軍に任命されたキョウガが空都に暫く滞在することになった為、テジュンは部族長代理として彩火城に戻るようスウォンに命じられた。テジュンが火の部族の貧しい村で行っていた活動をスウォンは高く評価し、テジュンが彩火に戻った後も空の部族から出来るだけ支援するとしている。
高華王国と真国が開戦をめぐって一触即発の状況に陥った際には、開戦を食い止めたいヨナがテジュンに協力を求め訪ねてきた。テジュンはヨナの頼みを快く引き受け、虚偽の狼煙(戒帝国が火の部族領に侵攻してきたことを知らせるもの)を上げ、空の部族軍を足止めした。
真国との一件が無事に片付いた後、今度は本当に戒帝国が火の部族領に侵攻してくる。キョウガと共に出陣したテジュンは、戦の中でヨナ一行と再会。火の部族の兵士たちは赤い髪をもつ緋龍王ことヨナと四龍の存在に歓喜する。スウォンに忠誠を誓った兄からは、自身に無断でヨナ姫と繋がっていたことを厳しく咎められた。
その後はヨナ一行を自身の住まいでもある彩火城に招く。戒帝国の件で突如訪問してきたケイシュク参謀からの嫌味・侮辱も笑って流すなど、精神的に成長していることがうかがえる描写もあった。
ヨナ、ユン、ジェハ、ゼノが戒帝国に誘拐された際には、彼らを奪還するため出陣。ハクと共に部隊を率いた。また、ハクが練った作戦を実行するべく歩兵に下知を下すといった活躍も見せた。
余談
火の部族の貧しい村で再会して以降、ヨナはテジュンのことを良き友人として信頼している。
ハクからは当初全く信用されていなかったが、ヨナとの再会を通して大きく成長し、火の部族の為に邁進する今のテジュンをハクは「もう嫌いじゃない」と評している。
武官であるフクチという男を側近にしている。常にポーカーフェイスを崩さず、テジュンにいつも鋭いツッコミを入れている。本人は非常に有能で、テジュンの危機にはすぐさま駆け付け守り、彼の命令にも黙って従い淡々と仕事を熟す。