概要
屋敷のあちこちに現れる。廊下を歩いていたり、椅子に座って紅茶を飲んでいたりするが、その姿はすぐ幻影のように消えるため話すことはできない。
最後は、主人公のヴィオラを追いかけて……。
容姿
見かけはヴィオラよりも年下の7歳。
髪型はお嬢様結び。リボンと同じく赤いワンピース服と、長袖の白いシャツを着用。リボンタイも付けている。
ゲーム内の描写からは伺えないが、瞳は金色。小説版によると髪や目の色は生まれつき。ちなみに紫髪も金眼も、ゲーム内で述べられた「この地方の女性」の髪と瞳の色には当てはまらない。
※この先ネタバレがあります!未プレイの方などは注意しください!!
終盤でヴィオラを追いかけてくるエレンは、体は「エレン」だが中身(精神)は主人公「ヴィオラ」である。
ゲーム内の日記によると病気がちであったエレンは死を予感するが外に出たいという思いと親に愛されたいという思いからよく遊びに来ていたヴィオラと体を入れ替えようと提案する。ヴィオラのやさしさに付け込んだのだ。
追跡を阻止するためと同時に「ヴィオラが絶望して死んでゆくため」に目を抉り出し下半身を切り落としたそして入れ替わった後喉を焼く薬を渡し声を出せなくした。見事成功し外に出ることに成功する。
さらなるネタバレ
エレンは皮膚と足に先天的な病気を持ち、7歳になっても満足に動けなかった。
父親はエレンを徹底的に無視し、エレンは母親に依存して生きてきたが、
母親は父親とは別に男を作りエレンを置いて家から逃げ出そうとする。
娘を連れていけないことを泣いて謝るが、エレンは自分を見捨てた母を殺害、
死体を発見した父親は妻の死を悲しむが、エレンには目もくれなかったことで
エレンは父親もまた自分への愛情を微塵も持っていないとして殺害する。
その後ひょんなことから火事を起こし命の危機に瀕するが、
その時父母を殺害しその魂を捧げてくれたとして悪魔がエレンに手を差し伸べ、
悪魔はエレンに魔法を授け、エレンは悪魔に魂を捧げる契約を交わすことで魔女となった。
魔女が死ぬ方法は「絶望する」こと。絶望しない限り魔女は死なない。
故に普通なら長く生きられないはずの病気の体でも魔女となったエレンは生き続け、
何百年もの永い年月、家に迷い込んできた人を殺害し魂を悪魔に捧げ続けてきた。
そして、悪魔はエレンに「体を交換する魔法」を授ける。
ただしこの魔法はかける相手の同意を得なければ行使することができない。
エレンは新たに招きよせた犠牲者…ヴィオラと友達になり、
あえて自らの体を醜く見せることでヴィオラの同情を引き
まんまと「1日だけ体を交換すること」に同意させる。
無論、エレンは健康で父親に愛されることのできる体を返すつもりなど全くなかった。
元・自分の肉体の眼をえぐり足をちぎったエレンは全身で風を感じるために庭へと出て行く。
そうして庭で昼寝をしていたエレンが目を覚ますと、帰り道が塞がれていたのだった。
(ここでゲームが始まる)
魔女の力は魔女の家の外では強く行使できない。
目を覚ましたヴィオラは魔女の力で帰り道を塞ぐことはできたが、それだけで精一杯。
ヴィオラの肉体を得たエレンが家に戻らないだけでも
眼をえぐられ足をちぎられたヴィオラはいずれ己の生に絶望して死ぬのだ。
(ゲームでも家に入らずに一時間放置すると道を塞ぐ薔薇が消え、そのままクリアできる)
だが、(大抵の場合)エレンは家に戻ろうとする。自らヴィオラを絶望させるために。
これを哀れで愚かな犠牲者を踏みにじることを楽しむ「趣味」と捉えるか?
せめて「友達」を自らの手で死なせてやろうという「慈悲」と捉えるか?
彼女は悪魔に魂を売り心底魔女と成り果てた吐き気をもよおす邪悪か、
はたまた愛を求め純粋すぎた故に狂った悲しい破綻者であるか?
それは人によって見方が変わってくるだろう。