概要
畳とは、日本で古来から利用されている敷物のことである。イグサを編み込んだ畳表で板状の芯材を覆ったもの。平安時代には家屋の床は板敷きであり、畳は寝具として使うときにのみ敷かれ、使わないときは文字通り「畳んで」あった。
後世になって座敷には全面に畳を敷くようになった。作法としては畳の縁を踏むことは無作法である。また縁を刀に見立てて、上座に対して縁を立てて敷くことはない。
畳の敷き方には大まかな暗黙のルールがある。例えば四畳半では四辺に一畳ずつ並べ、真ん中の隙間に半畳を置く。ただしこの並べ方は切腹する際に真ん中の半畳で腹を切ったという俗信から嫌う人もおり、その場合は半畳が部屋の角に来るように敷く。なお、家屋の設計寸法は基本的に芯芯寸法(柱や壁の中心線を基準とする)で表されるため、部屋の壁に接する畳はそれぞれ寸法が違う。なのでそういった畳は畳屋に寸法を測ってもらってのオーダーメイドとなる。
畳表は当初は緑色だが、数年経つと白茶けた色に退色していく。そうなったら裏返して退色していない面を表にし、裏面も退色すれば畳表を張り替える(表替え)。もっとも、退色したところで気にしなければ特段問題はないので、畳表が擦り切れるまでそのままにしておくことも多い。
現在は発泡スチロールの芯に表面だけ藁を巻き付け、茣蓙を貼りつけた軽量・安価なスチレン畳が用いられることも多い。ただしこれは基本的には片面にしか畳表がないため裏返しができない。