概要
四季を愛で、自然と共生する、日本人古来の生活様式が垣間見れる。
日本家屋は柱が露出している(真壁)ことが多く、基本的に縦横比が2:1の畳のサイズを構成単位にしているので、絵を描く際には立体感や広さの感覚がつかみやすく、描きやすい。
日本の民家は一定の時期に大陸から伝わったものではなく、縄文時代から平安時代頃まで作られた竪穴式建物から古代中世の掘立柱建物、中世期以降の礎石型建物と段階を追って発達してきたものである。時代を下るにつれ貴族の屋敷の建築様式が庶民にも取り入れられるようになる。古い民家は、囲炉裏の存在や木の組み方をはじめ随所に有史以前(縄文・弥生)からの日本の伝統を窺える。
日本最古の民家である箱木千年家は、軒が極端に低く竪穴式住居を思わせる外見である。江戸時代には二階建て・三階建ての家、瓦葺きの家なども増えていったが、木組みそのもので家を建てる、日本独特の柔構造(伝統工法と言われる)は近代に至るまで変わらなかった。しかし、建築基準法の改正に伴い、昭和40年代以降の日本の家は、一見伝統的な外見でも実質的な構造は古来の日本家屋とはかなり異なっていることが多い。