概要
東京都世田谷区の砧緑地近くに1966年~1985年に存在したコンクリート造の家。正式名称は「試みられた起爆空間」という。
設計は丹下健三門下の建築家冨田玲子とその夫で都市計画家の林泰義。個人宅で家主は芸術家だったとも会社社長だったともいわれている。
古代ローマのパン屋の墓をモチーフにしている。
5*5の25の丸窓を1面に持つ立方体の家で4面で百窓となる。
内部は3階建て(上の窓1列が3階、その下2列が2階、その下2列が1階)1階の下は4本の柱で支えられ、建物の中を越えて屋上まで続く螺旋階段で外と出入りする。
屋上には天窓も数箇所もうけられていた。
屋内には吹き抜け空間があり、庭には丸窓1つの小屋や灯籠がある。
奇抜なデザインや坂を登り切ったとこにそびえ立つ立地、東宝・円谷プロ近くである、などの要因から映画やテレビドラマで何度も登場した。
現在は解体されて別の家が建っている。20年程度で解体されたのは奇抜すぎて痛みやすかったのだろうか。
福岡市にも博多偕成ビルという似たデザインのビルが博多駅前にある。
主な登場作品
- 『マグマ大使』(1966年)
- 『泣いてたまるか』(1966年)
- 「お家が欲しいの」で登場。窓の数を数える場面がある。
- 『快獣ブースカ』(1967年)
- 第30話でブースカが暴走トラックを止める場面の背景に登場。
- 『コメットさん』(1967年)
- 買い物に向かうコメットさんの背景としてたびたび登場。
- 『ウルトラセブン』(1967年)
- 欠番となった第12話でスペル星人の拠点として登場。ある意味では最も有名。
- 『光速エスパー』(1967年)
- 『社長繁盛記』(1968年)
- 冒頭で牛乳配達の少年が牛乳を配る家として登場。
- 『チビラくん』(1970年)
- チビラくん一家の家として登場。
- 『人造人間キカイダー』(1972年)
- 『電人ザボーガー』(1975年)
- 『俺たちの旅』(1975年)