概要
KADOKAWA・メディアファクトリーが発行する漫画雑誌『コミックアライブ』にて2009年10月号に初出、2011年2月号まで読切を連載し、次号の3月号から同雑誌で本連載が始まった。現在も連載中、単行本は第6集まで刊行(2016年2月現在)。
2015年3月13日には、ドラマCDが『ツクル(ノ)モリ』から発売された。
制作は『HOBiRECORDS』、脚本・監修は作者の菅野マナミである。
とらのあな各店と通販にて取扱っている。
物語
『人が人を想う気持ち』をテーマとして描かれた、人間ドラマである。
学校のまん前に建つ古くてちいさな本屋さん「ひまわり書房」。店主の「ひまわりさん」がいつでも迎えてくれるその書店に、今日も誰かが尋ねてくる…。本と本屋に集まる人たちをめぐるハートフルストーリー。
引用元:コミックアライブ内ページ
メインキャラクターたちが通うのはオンボロ木造校舎の「山吹高校」(連載開始から長らく高校名が不明であったが、第48話{第6集初版119ページ左上のコマ}の幟に「山吹高校学園祭」の文字が見て取れた)
その目の前に古くて小さな「ひまわり書房」があり、山吹高校と合わせて、物語の中心となっている。
作品形式および注意
オムニバス形式の漫画作品にしてはめずらしく、季節が進むごとに登場人物の学年なども進む(いわゆるサザエさん時空ではない)。
その為、本項における登場人物の学年等の表記は、最新号を基準とする(2016年3月号)
主な登場人物
メインキャラクター
- ひまわりさん
本作品の主人公である。詳しくは→ひまわりさん(人物)
- 風祭まつり(かざまつり まつり)
山吹高校3年生
ひまわりさんのことが大好きな女子高校生。
ひまわり書房にほぼ毎日通っている。
2つ年下の妹(風祭風子)がいる。とても妹想い。
- 風祭風子(かざまつり ふうこ)
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山吹高校1年生
非常に姉思いな、まつりの妹。シスコンであることを自身も認めている。バレー部所属のボーイッシュな女の子。
時々まつりの姉に間違えられるらしい。
ひまわりさんのことが好き。
- 黒井里薫(くろいざと かおる)
ひまわりさんの2つ上の兄。ライトノベル作家。黒井里薫はペンネームであり、本名不明。
妹と同じく美形。
高校時代から女の子に対して「小説のモデルになってくれ」などと言いよくナンパするが、言葉通りの意味でありそれ以上でも以下でもなく本人にその気は一切無い。
初登場時は妹であるひまわりさんにややキツい言葉を投げていたが、それは妹を心配する兄の気持ちから発せられたものである。
妹を常に気にかけている。
高校時代に、「名月夕(後述)」に小説の添削指導をされており、現在でも彼女のことを「師匠」と呼ぶ。
その時の影響から名月夕に対して苦手意識を持っている。
先代ひまわりさん(後述)のことが好きであったが、ヘタレだったため想いを伝えられなかった。それは今でも引きずっているようだ。
- 七瀬奈々子(ななせ ななこ)
山吹高校3年生。
ややつり目のおさげ頭の女の子。
まつりのクラスメイトで、クラスのまとめ役である。
まつりからは、ななちゃんと呼ばれている。
ポジティブとネガティブの浮き沈みが激しく、その変わり様は周囲を驚かす。
南亜美と一緒にいることが多い。
黒井里薫のファンである。
- 南亜美(みなみ あみ)
山吹高校3年生。
まつりのクラスメイト。
亜美を含めた、まつり、菜々子、立花の中で最も小柄。
本全般が好きであり特に漫画が好きだがオタクといわれることには抵抗がある。
「~っス」、「~にゃー」といった語尾を使う(後者はまれに使う程度)。
- 橘立花(たちばな りつか)
山吹高校3年生。
まつりのクラスメイト。
~べさ。~しょや。といった北海道の方言をまれに使う。
まつりからは、「りっちゃん」とよばれている。
高校1年生の時からひまわりさんに憧れている。
なお、菅野マナミ氏のHPでも指摘されたが名前の読みは「りつか」であり「りっか」ではない。
サブキャラクター
- 朝倉さくら(あさくらさくら)
近所に住む小学4年生。
初登場時は小学2年生で、脈絡のなさすぎる言動や嘘泣き、ませたようなセリフを使う子供であった。
- りん
小学4年生。さくらの友達。小学2年から4年にかけてかなり背が伸びた。
- 杜若あやめ(かきつばた あやめ)
ひまわりさんの友人で写真集専門の書店を経営している。
高校3年生の黒井里薫に弁当を届けに来た1年生のひまわりさんを半ば強引に昼食に誘ったことがきっかけで仲良くなる。
ひまわりさんとは親交が深く、相談相手となったりひまわりさんを家に泊めたりもする。
カメラが好きで、よく持ち歩いている。
本人曰く、カメラのレンズ(指でつくったファインダーでも可)越しに人を見るとその人の感情が読み取れるらしい。
- 大宮都(おおみやみやこ)
おでこが印象的な黒井里薫の編集さん。
小柄な体躯と声の高さから小学生に見える。実際ひまわりさんには小学生と一度見間違えられている。黒井里薫は初対面の時に喫茶店で待ち合わせした際、動揺のあまりメニューにお子様ランチの有無を確認した。
しかし年齢は黒井里薫よりも上らしい(年齢の話をすると怒る)。
- 名月夕(めいげつゆう)
人気小説家。黒井里薫の師匠。先代ひまわりさんの友人。
外面はおしとやかで奥ゆかしく大和撫子のようであるが、人をからかって楽しむことが好きであり、性格のよろしくない人物である。
例として、高校時代の黒井里薫をそそのかして先代ひまわりさんへのラブレターを書かせたことがある(そのラブレターは後に一悶着起こす)。
- 先代ひまわりさん
度々回想シーンで登場する女性。故人。本名不明。腰より少し下まで伸ばした白髪を腰のあたりでひとつに縛った髪型をしている。
白髪だが若く、眼鏡を掛けた美しい女性である。名月夕とは友人関係にあった。
現在のひまわりさん曰く、「よく笑う人で、向日葵みたいな人」
黒井里薫は高校1年生、現在のひまわりさんはその2年後の高校1年生の時に初めて出会う。
本が非常に好きである。しかし読書に没頭するあまり書店の掃除などはほとんどせず、書店経営者らしくなかった(ただしこれは病によってあまり動くことが出来ないからともされている)。
初対面であるにもかかわらず、自ら進んでホコリまみれのひまわり書房を掃除してくれた現在のひまわりさんをバイトに誘った(しかしこれは親切心ではなく、現在のひまわりさんがホコリまみれの店内に耐え切れなくなったためである)。
それでもその人柄からか、書店経営の同業者をはじめとして知り合いが多く、お客さんも毎日いろんな人が来ていた。
生まれ付き身体が弱く、病が完治する事もなく入退院を繰り返していた。
自分の命があまり長くないことを知ると、ひまわり書房に戻り、現在のひまわりさんを含めいろんな人達との毎日を楽しんでいた。
現在のひまわりさんから「本を読んでいるひまわりさんが好き」と言われ、いつものように笑い、それからしばらくして亡くなった。
「~だよ」「~だろう」といった中性的な口調であり、お客さんに対してもこの口調のようである。
話し相手のことをよく「おまえ」という。「おまえ」と「お客さんへの言葉遣い」を除けば、現在のひまわりさんの口調は、この人の強い影響を受けている。
天然タラシであることが、黒井里薫と名月夕の言動から察せられる。