概要
自発的な呼吸が困難な患者に対する処置であり、肺に気体を送り込むことで呼吸を補助する。
機械を利用する方法も含まれるが、一般に「人工呼吸」という場合は口を合わせて息を肺に送り込むことで換気を促す、マウストゥマウスと呼ばれる方法がよく知られている。
マウストゥマウスによる人工呼吸では必然的に唇同士が接するため、フィクションではキスに通ずるものとして利用されることがある。ラブコメ等において異性間で行われる様子が描かれるほか、ギャグ描写として同性間で実施するさまを描くことも多い。
現実における人工呼吸
口同士を接するという行為や感染症にかかるリスクから、マウストゥマウスによる人工呼吸には抵抗感を示す人も多い。直接口を接触させなくてすむ専用のシートも存在するが、一般に普及しているとはいえず、また吐瀉物等への防護には不十分とされる。
近年では救急救命において人工呼吸は「行わなくてもよい」ということになっている。「訓練を受けている」市民救助者が「自信がある」場合は実施すべきだが、基本的には心臓マッサージが優先される。ただし水難事故などでは人工呼吸が優先となるため、救急救命における重要な技術であることには変わりない。