概要
YF-30クロノスの制式採用仕様。
新星インダストリーを中心にL.A.I、飛鳳航天工業公司、バーラトの四社によって設立された合弁企業スーリヤ・エアロスペースによって設計・開発が行われた。
西暦2060年代後半における最新鋭機であり、主に星間企業複合体「ケイオス」の軍事部門に配備されている。
基本設計は変形レイアウトが一部変更されている以外はYF-30と同様であり、マルチパーパス・コンテナユニットを換装する事で機体特性を変化させるマルチロール機としての特性もそのまま継承されているが、宙間戦闘に於いては従来機種と同じくスーパーパックが外装される。
また、ベースとなったYF-30がYF-24から派生した機体である為、慣性蓄積コンバーターやEX-ギア・システムも標準装備されているが、量産化に際してフォールド・ディメンショナル・レゾナンス・システムなどのフォールド・クォーツを使用する装備は本体からオミットされ、オプション化された。
固定武装として頭部ビーム機銃の他、コンパクトナイフ及び腕部ミニガンポッドを標準装備。
また、主兵装であるガンポッドは従来機では実弾式を採用していたが、VF-31ではエンジンの高出力化に伴いハワードLU-18A ビームガンポッドを採用。このハワードLU-18Aは通常はマルチパーパスコンテナにマウントされ、マニピュレータで保持しての使用の他、コンテナに装備した状態で旋回砲塔としての運用も可能となっている。
バリエーション
VF-31カイロス
VF-31の標準仕様。一般的にVF-31とはこちらを指す場合が多い。ペットネームの「カイロス」は、ギリシャ神話の時間神クロノスの弟にして時刻を司る神に由来する。
主翼はドッグトゥース付きのクロースカップルドデルタを採用しており、カナードもVF-31ジークフリードより一回り大きい。
フォールドクォーツよりも純度の劣るフォールドカーボンが採用されている為、フォールドウェーブシステムは搭載されておらず、ISCの慣性蓄積容量も小さい。
VF-31A
機体カラーはグレー。
頭部ビーム機銃は一門装備。
ケイオスではα小隊など、主にΔ小隊以外の部隊に於いて運用される。
VF-31B
A型と共に量産されているタイプだが、詳細は不明。
VF-31ジークフリード
ケイオス・ワルキューレ・ワークスが、戦術音楽ユニットワルキューレの護衛用にVF-31カイロスをベースに改修を行ったΔ小隊専用のVF-31。
基本構造はVF-31カイロスと共通だが、機体本体にフォールドクォーツを使用したフォールドウェーブシステムを搭載する他、エンジンの換装とそれに伴う構造強化などの改修が施されている。また、各機体毎にワルキューレの行動パターンに合わせたフォールドウェーブシステムのパラメータ調整やAIの適合化などが行われており、ソフトウェアの仕様は機体によって異なっている。
主翼は大気圏内、特に市街地での運用が多い事から大気圏内での運動性に優れる前進翼を採用。この前進翼は下方に折り畳む事で大仰角時の機動補助や機体の重心位置を変化させての機動性向上に活用される。
カラーリングは一般的な軍用機と比較して派手な物となっているが、これはワルキューレとΔ小隊の存在をアピールし、市民のパニックを抑える目的がある。
脚部にマルチドローンプレート「MDP-001W シグナス」が搭載されており、マルチパーパスコンテナはマルチドローン用のエネルギー供給ユニットの他、フォールド波を利用したサウンドプロジェクションユニットを装備可能。VF-31ジークフリードは、これら装備によって多角的にワルキューレの行動をサポートする。
しかし、その一方で民間人や建造物への被害を考慮してミサイル等は装備されておらず、手数では他の機体に劣る欠点も持ち合わせている。
VF-31C
戦術支援を目的としたバリエーション機。ミラージュ・ファリーナ・ジーナスの搭乗機。
機体カラーはえんじ色。頭部機銃は左右二門装備されている。
VF-31E
Δ小隊チャック・マスタング機。機体カラーは黄色。
電子戦・早期警戒仕様の機体であり、マルチパーパス・コンテナユニットには折りたたみ式レドームを装備。このレドームはワルキューレのパフォーマンス時には簡易ステージとしても使用される。
VF-31F
制宙支配戦闘機としての性格を強めたメッサー・イーレフェルトの機体。カラーリングは白と黒のツートン。機体背面にはメッサーのトレードマークである死神のマーキングが施されている。
頭部の機銃は左右二門。
メッサーの死後、機体はハヤテに受け継がれる事になる。
VF-31J
Δ小隊に入隊したハヤテ・インメルマンが搭乗する制宙支援仕様の機体。機体カラーは青で頭部機銃は一門。
ヘルメット着用やAIサポートを嫌うハヤテに合わせて調整が行われており、EX-ギアシステム装着時にヘルメットが装着される機構が搭載されている。
VF-31S
Δ小隊隊長アラド・メルダースの搭乗機。
頭部機銃を左右計四門装備する指揮官仕様。編隊指揮システムを搭載し、更にデータリンク機能と通信機能が強化されている。
機体背面にはアラドのパーソナルマークである「剣を咥えた竜の頭骨」が描かれている。