「我が力、その身に刻め。」
概要
ゲーム「魔法使いと黒猫のウィズ」に登場するキャラクター。英語版によると名前の綴りは Izarc Seraphimである。
堕天使であり、魔界の王。種族は天使。
当時最高レアリティであった最終SS進化精霊として2014年3月3日、通常版がクリスタルガチャに登場。2016年4月7日のクリスタルガチャ精霊の入れ替えによりリストラされ、現在は手に入らない。
3000万DL記念としてミカエラ・セラフィムとの限定タッグカードも登場した。
またミカエラのグランプリ記念イベント「天界の双子 訣別のクロニクル」にも登場、そこから続く時系列のルシエラ・フオル・アルドベリク・ゴドーのイベント「双翼のロストエデン」にも登場し、限定精霊も登場。
一貫して黒い翼を持つ。最終進化ではウェーブのかかった白髪の長髪だが、ストーリー内では初期状態の、ミカエラと同じ赤髪が採用されている。
第3回黒ウィズ精霊グランプリでは【男性精霊部門】第10位(508422票)。
CV.興津和幸(「双翼のロストエデン」より)
バックストーリー
クリスタルガチャver.
魂分かつ双子の片割れが天の玉座を継ぎしとき、黒き衝動が 男の翼を闇の色へと染め上げる――
神界の一つ「天界」において、他を寄せ付けぬ卓越した能力 を有しながらも王の継承を許されなかった男・イザーク。 天上天下唯我独尊、己が力に絶対の自信を持ち、次期聖王の座を信じて疑わなかった彼にとって、それはどんな言葉でも 言い表せぬ屈辱となった。
無念舌禍不信暴虐侮蔑汚辱自棄憎悪――絶望。
例え、継承者が愛する姉であろうとも。 イザークは、その事実を受け入れることができなかった。
やがて彼は天界を去ると、別の神界へと舞い降りる。 そこは有象無象が血を流しあい、幾年にも渡り戦乱の絶えぬ 群雄割拠の地、魔界。 力こそが正義、武に優れ、他者を従えることこそが全ての世界にはまだ、彼の望む「王」の座が残されていた。
「それが宿命というのなら……闇の洗礼、甘んじて受け入れよう」。闇に落ちた双翼を身に纏い、イザークは暗黒の空へと飛翔する――
天界の双子 訣別のクロニクルver.(お知らせ内掲載)
「──聖王様はもう長くないでしょう」
宮仕えの医師からイアデルの容体を聞かされたイザークは一人、王宮の外れにある森を歩きながら父親の事を考えていた。
そしてとめどなく浮かぶ父の記憶に身をゆだねた。
イザーク・セラフィムとその父イアデルは、これまで幾度となく衝突してきた。
父はその度に、圧倒的な力で息子をねじ伏せてきた。
多くの男児がそうである様に、イザークもまた、父親という存在を超えるべき壁として捉えてきた。
少年の頃はそれこそ、父の全てを否定し、許すことが出来なかった。
どれだけ叱られようが、手を上げられようが、全身全霊で父親に挑み続けた。しかし、それは結局、どれだけ力を出したところで父親は倒れない、という確信に裏打ちされた親子喧嘩だった。
歳を重ね、青年へと成長したイザークは、ある日を境に父に挑む事をやめた。
もし本気を出して父を倒してしまったら、その後自分はどんな顔をして、何と声をかければいいのか──イザークは挑み続けた壁を越えてしまう事を恐れたのだ。
実際彼はそれだけ強くなっていたし、本気でぶつかり合えば、イアデルに勝ち目はなかっただろう。
そしてその日から、彼は父親と距離を置くようになった。
──最後に親父の目を見て言葉を交わしたのはいつだっただろう。
イザークは森を歩きながら、その時の事を思い出そうとした。
しかし頭に浮かぶのは、最後に打ちのめされた時に見上げた、大きな父の背中だった。
──俺は弱く小さい父の姿なんて見たくなかったのだ。
──あれだけ憎んでおきながら、結局俺は、親父の事を愛していたのだ。
イザークがそう悟った時の事だった。
「イザーク様! こちらにおられたのですか? ずいぶん探しましたよ」
侍従長のアクサナが、彼の背中に呼びかけた。
「……何事だ?」
目元に感じた熱い潤みを瞬きで紛らし、イザークは振り返った。
「聖王がお呼びです。お二人だけでお話をされたいとの事。さぁ、私と王宮へお戻りください」
「……わかった」
イザークが王の間の扉を開けると、ベッドに横たわっていたイアデルは半身を起こした。
「俺に何の用だ?」
父はイザークの目に想像していた以上に小さく映った。
「これを覚えておるか?」
そう言って、イアデルはイザークに黒く光る石を見せた。
「……」
それはイザークがかつて、幼い頃に見た闇の要石だった。
「神界の結界をつなぐ二つの要石は、それぞれ聖魔の力の象徴じゃ。魔の力が弱まれば、闇の要石も脆くなる。そしてその逆も然り──」
イザークは父の言葉にじっと耳を傾ける。
「我が死するとき、聖魔の均衡は崩れる。そして魔王ブラフモは光の要石を砕くだろう。そして神界は崩壊へむかう」
「その時はその時だ。俺が聖王になって、魔界を滅ぼしてやるよ」
イアデルはイザークの言葉に静かに微笑むと、首を横に振った。
「お前の力なら、あるいはそれも可能かも知れぬ。しかし我の跡を継ぐのはミカエラじゃ」
聖王を継ぐのは自分であると当然の様に考えていたイザークは父の言葉に耳を疑った。
「姉さんには無理だ。優しすぎる。魔族と戦うなんて出来るはずない」
「忘れたか? 万事においてもっとも重要な事は──」
かつて毎日の様に父の講義で聞かされていた言葉を、イザークは反射的に口にした。
「均衡……」
イアデルは満足げに微笑み、口を開いた。
「神界が崩壊後に必要となるのは、新たな聖魔の均衡じゃ……」
「つまり俺が、魔界を……」
イアデルはじっとイザークを見つめ、静かにうなずいた。
イザークはその瞳に、大義の為に我が子同士を戦いの渦中に置かんとする、厳しく強き父の、偉大なる聖王イアデル・セラフィムの、揺るがぬ決意を感じた。
「姉さんには黙っておいてくれよ」
こうして天界の王子イザーク・セラフィムは魔界の王となる決意をしたのだった。
3000万DL記念タッグver.
天界の聖王であるミカエラ・セラフィムと、魔界の覇者であるイザーク・セラフィムが双子の姉弟であるという事は余り に有名過ぎる事実であろう。しかしながら、彼らが天界・魔界を治めるに至った、それ以前の二人については、あまり語られる機会が無い。
ある一説によれば、ミカエラの父王は階級、とりわけ主従の関係については絶対に覆るべきでないという考えを持っていた。そして、相手と対等の立場に立ちさえすれば、交渉できないことなどない、という教えを説いていた。
この当時、天界は神界に存在する様々な異界のうちのひとつであり、そんな中、争うこと無く均衡を保つためには、「維持」そして「秩序」が肝要であると先王は解悟していたのである。説によれば、先王は後に続くミカエラ、そしてイザークにもそれを守るよう誓いを立てさせたとか。
ミカエラとイザークは、先王から寵愛を持って育てられた。技量や力の優劣はあれど、先王が固執したとされる先述した主従や階級に於いて、二人は完全に対等の立場にいたのである。 これについては聖典に記録もあり、信頼できる情報であろう。
しかしながら、均衡を守る天秤とて、やがてはゆらぐ。秩序の対義語に混乱があるように、平和に守られた天界は混乱の最中へと落ちていくこととなる。無論、この姉弟も。
事件は唐突に起こる。天界にて先王が崩御した際、次期聖王の座を継承したのはミ カエラであった。イザークとミカエラの間に隔たりが生まれた瞬間であり、もう一人の継承者であったイザークは絶望のあまり堕天し、結果的に力が支配する世界「魔界」にて王となったとされている。
これまで一切疑われることのなかった、叙事詩に書かれた歴史である。だが、誰もが長きにわたって信じているこの文献に、私は一石を投じたい。 叙事詩の中や文献中では粗暴な面が目立つイザークであるが、こういう仮説を立てることもできる。
仮に、先王の教えをイザークが深くまで理解していたとするならば。 先王が存命の時代、天界は神界に存在する様々な異界のうちのひとつであった。その中で争うこと無く均衡を保つためには、対等の立場に立つことが肝要である。先王はそう二人に説いていた。 イザークが聖王となった姉と、「争うことなく均衡を保つ」ために、そして「対等の立場に立つために」魔界を治めたとするならば。
堕天という大罪を犯してまで、真に争いを諌めようとしたのは、イザークなのではないか?
ステータス
クリスタルガチャver.
真紅の降魔剣 イザーク・セラフィム
最高レアリティ:L
属性:雷
種族:天使
コスト:39
最大HP:2339
最大攻撃力:3632
アンサースキル:神雷封烈の雷光
3チェインでダメージアップ(350%→450%(レジェンドモード発動時))
スペシャルスキル:魔王審判・黒雷獄
敵全体のHPを20%減少させる→30%減少させる(レジェンドモード発動時)
3000万DL記念タッグver.
天地分かつ姉弟 ミカエラ&イザーク
最高レアリティ:L
属性:火・雷
種族:天使
コスト:43
最大HP:2713
最大攻撃力:3442
アンサースキル:撞着する二人の誓い
3チェインかつパネルが二色でダメージアップ、三色で更にアップ
(400%/550%)
MAXHP15%を使い、3チェインかつパネルが二色でダメージアップ、
三色で更にアップ(500%/900%)(レジェンドモード発動時)
スペシャルスキル:清濁闇明の波動
敵全体へ火・雷属性のダメージ(180%→260%(レジェンドモード発動時))
双翼のロストエデンver.
闇に響く哄笑 イザーク・セラフィム
最高レアリティ:L
属性:火
種族:天使
コスト:47
最大HP:2856
最大攻撃力:5054
アンサースキル:五暗星叫獄刃
3チェインで雷属性の敵へ特効ダメージ
(525%→625%(レジェンドモード発動時))
スペシャルスキル:ダークマジック・プリンシプル
敵全体へ火属性のダメージ、さらに雷属性の敵には特効ダメージ
(200%/500%→200%/900%(レジェンドモード発動時))
ミカエラとの関係
ミカエラ・セラフィムはイザークの双子の姉である。
「天界の双子」では、彼らのバックストーリーに沿い、彼らの「歴史」の真実を探る形で物語が進行する。
先述のバックストーリーのように、彼らは天界と魔界で「聖王」と「魔王」となり、均衡を保とうとしている。なお姉弟であることを忌避しているわけではなく、未だにミカエラのことは「姉さん」と呼んでおり、「双翼のロストエデン」ハードモードストーリーでは彼女を気遣う言動を窺うことができる。
ちなみに「双翼のロストエデン」限定精霊のボイスでは開口一番(拡大画面)に「姉さん…」と口走る。
シスコンと言ってはいけない。
真実とは
「この愚かな堕天使の名をしっかりと歴史に刻んでおけ!」
「訣別のクロニクル」にて、イザークが本心を語る場面はない。また、彼自身の行いを擁護する発言もない。
「天界の双子」では、「君」(プレイヤー)視点のため、イザークは粗暴で身勝手な弟として見られている。様々な出来事を経て少しずつ印象を変えていく「君」だったが、結局ミカエラとイザークは天界と魔界に分かれることになる。「君」はあくまで、ミカエラとイザークが決別したという「歴史」の真実を考えていく立ち位置である。
イザークは、自ら望んで堕天している。しかしその選択に至るまでの彼の心境の描写もイベント中ではほぼ存在しない。要するに、「天界の双子」において、「歴史」を覆す発言はないのである。
プロフィールについて
種族について
堕天使であり魔界の王である彼は、本来ならば「魔族」とされるべきなのかもしれないが、ゲームシステム上ではあくまで種族は「天使」である。同じく堕天使であるテスタメント・ヘイルの種族が魔族であることや、「新生の双翼」(アルドベリク、ルシエラのウィズセレストーリー)では「堕天した魔族」と称されていることが確認されるなど、疑問点はいくつかある。
ただし、「新生の双翼」を除き、彼が「堕天使」「魔王」「天界(生まれ)の者」と称された、また自称したことはあれど、「天使」とも「魔族」とも明記されていないことも留意すべき事実である。
性格・性質について
訣別のクロニクルのプロローグやイアデル・セラフィムのバックストーリーでは厳しく強い心を持つ、と評される。が、同イベント内にてミカエラが「本当はとても優しくて、素直な心を持っている」と評する場面もある。
ルシエラとアルドベリクを合わせるように手引きするなど、ミカエラが「残酷」と感じたことを行っているあたり、確かに「厳しく強い心を持つ」と言えるかもしれない。なお双翼のロストエデン以降は、訣別のクロニクルで強調されていた「強さを求める」という点の描写は無くなり、彼は堕天に際して強さを求めていたようにも解釈できる。
なお、双翼のロストエデン登場精霊は全員二字の熟語がいずれかの進化段階で「」付で示されており、これはその精霊の性質を明確に表している。イザークは「背反」。またChristmas stories2015において「背反を冠する降魔王」とも称されている。
容姿等、既出情報について
イザークの容姿についての明確な評価はなく、黒い翼の描写やルシエラの「目つきが悪い」という評価があるのみである。クィントゥスですら一応「長身」という記述がある(謹賀新年2016)ことを考えると、天界・魔界のガチャ産精霊の中ではかなり情報が少ない部類のキャラクター。
年齢は不明だが、ミカエラグランプリ記念のバックストーリーや、テスタメントのザ・ゴールデン2016ストーリー、黒ウィズグランプリ2016のストーリー内の情報から考えると、少なくとも双翼のロストエデン時点で「数百歳」であることと、「500年は魔王の座にある」ということが判明している。魔族と寿命がどう違うのかなどについてはほとんど不明。
一人称は「俺」、然るべき場においては「我」。二人称も基本(黒猫の魔法使いなどに対して)は「お前」だが、然るべき場、然るべき対象においては「貴公」、ミカエラに対しては常に「姉さん」。
ちなみにロストエデン版のカード名は「闇に響く哄笑」だが、イザークが大声で笑ったのは、Christmas stories2015ではアルドベリクの前で爆笑する姿を見せたのみである。
ちなみに、黒ウィズグランプリ2016のストーリーにおいても随分楽しげな姿を見せてくれる。