概要
白亜紀後期初頭(約9000万年前)のウズベキスタンに棲息しており、全長は3メートルほど。属名はティムール朝の王の名に由来する。
本種は数少ない白亜紀後期初頭のティラノサウルス類であり、その進化の空白期間を埋める大きな発見となった。脳幹の化石を調べたところ、脳の構造はアロサウルスなど原始的な獣脚類よりも子孫にあたるティラノサウルスに似ており、明瞭な中脳のピークや、曲がらずに下に伸びた長い蝸牛菅といった特徴を備えていた。この長い蝸牛菅により、他の獣脚類より低い音を聞き取ることが出来たと考えられている(そのため種小名エウオティカは「良い耳」を意味する)。
本種の発見により、ティラノサウルス類は白亜紀中ごろには進化した脳や聴覚を備えていたことが分かり、その進化の成功の鍵となったのではないかと考えられている。