概要
- 酵母や細菌などの微生物がエネルギーを得る為に有機化合物を分解して、アルコール類・有機酸類・二酸化炭素などを生成していく過程。狭義には、微生物が酸素の存在しない状態で、糖類を分解してエネルギーを得る過程。
計画的に管理、調整され、人間にとって有益な分解の過程を発酵といい、無計画かつ人間にとって有害な分解の過程を腐敗と言う。
特に(1)は酒・味噌・醤油・チーズなどの製造などに古来利用され、日本を始め世界各国で、その国の食文化と切っても切れない関係にある。
発酵食品は
各文化圏で独特の物で、それ故に他の文化圏では受け入れられにくい。
例えばナチュラルチーズの中にはすごい匂いの物があり「食べる気が起きない」という日本人もいるが、あちらではそれを「いい匂い」といって美味しくいただく。
日本国内でも昔の近畿地方や中国・四国・沖縄ではあまり納豆を食べなかったし、納豆が日本全国に普及した現在も外国人にとっては「理解しがたい」食べ物である。
これは幼少時からの習慣が関係している。「これは腐っている匂いだから食べてはだめ」「これは食べてもいい」と教えられ、学習した結果として「食べられる物(発酵食品)」と「腐っている物」を判断する。
だから馴染みのないよその発酵食品は、なかなか受け入れにくい。日本でチーズが普通に食べられるようになったのは、戦後、学校給食で出るようになってからであり、それまでは忌み嫌われていた。