待て、そして希望せよ
Attendre et espérer
概要
『モンテ・クリスト伯』(Le Comte de Monte-Cristo)は、三銃士で有名なアレクサンドル・デュマ(大デュマ)による小説。
1844年から46年、フランスのパリで新聞小説として連載された。
読者に新聞を購読させるために、毎回小さな山場を持ってきて、さらに次回に続く謎を残し各回が終わるという手法で人気が出て、単行本としても出版されると、当時としては驚異的な推定部数4万部と空前の人気を博した。
日本では『巌窟王』(がんくつおう)の名でも親しまれている。
ストーリー
長い航海を終えてマルセイユに帰港した、誠実で健康な若い船乗りエドモン・ダンテスには、船長への昇進、相思相愛の仲のメルセデスとの結婚の二つが控え、洋々たる人生が開けようとしていた。
だが、結婚式の当日、ダンテスは、身に覚えのない罪を着せられ、重大政治犯として逮捕されてしまう。彼の出世を妬む船の経理係ダングラールとメルセデスに懸想するフェルナンが共謀し、当時エルバ島に流刑中のナポレオンの帰還計画に彼が加担していると密告したからである。
更にダンテスを取り調べた検事代理ビルフォールがボナパルト派の実父の名が表に出ることを恐れ、一切を闇に葬るために彼を孤島の城塞監獄に送り込んでしまう。
牢中で同じ境遇であるファリア神父という老囚人からさまざまな学問を学び、14年後、ファリア神父の死を利用して脱獄に成功する。
その後、エドモンは神父が地中海の孤島モンテ・クリスト島に隠しておいた財宝を受け継ぎ、”モンテ・クリスト伯”と名乗り、パリの社交界に登場。
かつてはギリシアの姫だったが、フェルナンの策略で父を無惨に殺された挙句、奴隷として売られた娘、エデを引き連れ、自分を陥れた3人に対する復讐を開始する。
一人は過去を暴かれ家族から見放され拳銃自殺。
一人は社会的地位を失った上、自分が追い詰めてしまった妻が服毒自殺し、発狂する。
だが、ここでエドモンの想定外の事態が発生した。服毒自殺した妻は、まだ幼い息子を道連れにしていたのである。
ショックを受けたエドモンは、最後の一人の命だけは助かることにした。
ただし、かつて自分がそうされたのと同じように監獄に閉じ込め、極限の飢えを味合わせ、エドモン・ダンテスに対する消えることのない恐怖を刻んだ上で。
こうして復讐を終えたエドモンは、エデから愛の告白を受ける。
エデのことを娘のように育て上げ、一時はかつての恩人の息子との縁談を真剣に進めていたこともあるエドモンは面食らうが、彼女の本気の想いを受け止め、二人で船に乗り旅立つのであった。
関連タグ
- アニメ作品→巌窟王。また主人公はモンテ・クリスト伯爵。
- Fate/GrandOrderに登場するキャラクター。この作品の主人公がモデル。→エドモン・ダンテス(Fate)