ネタバレ注意
究極のリアルフィクションとは、才囚学園の「外の世界」において大人気のリアリティショー『ダンガンロンパ』のキャッチコピーである。
この世界では、コンピュータゲームから始まった『ダンガンロンパ』がメディアミックスを積み重ねて絶大な人気を得て、ついには生身の人間達に本当にコロシアイをさせてそれを楽しむという悪趣味極まりない退廃的なコンテンツに成り果ててしまった。
究極のリアルフィクションと化した『ダンガンロンパ』は今回ですでに53作目まで続いており、運営団体は「チームダンガンロンパ」と呼ばれている。これこそがコロシアイの真の黒幕である(スパイクチュンソフトからはすでに独立した団体となっている模様)
我々がプレイしている『ニューダンガンロンパV3』というゲームもこのリアリティショーの中での出来事である。ゲーム中で語られる様々な設定は、本当に「チームダンガンロンパが作った設定」に過ぎない。
なお、コロシアイ参加者は一般応募である。
この世界は恐ろしいくらいに平和で退屈であるため、命をかけたスリリングなコロシアイに参加したいという人たちは意外に多い。
『ニューダンガンロンパV3』のコロシアイ参加者である赤松楓たち16人の生徒たちも元々は単なるダンガンロンパのファンで、自分からコロシアイに応募している。
あくまで自主的な参加ということなので、この世界での法的・倫理的な問題はクリアされている模様。
そして参加者たちはシナリオライターの用意した「キャラクター設定」に応じた「フィクションの記憶」を植え付けられ、ドラマチックなコロシアイに巻き込まれることになる。もちろん、これがリアリティショーであることも、自分が望んで参加したことも、完全に忘れてしまっている。
また、ダンガンロンパでおなじみの「超高校級の才能」も植え付けられた記憶にすぎない。ただし、この世界では科学技術が凄まじく発展しており、植え付けられた才能通りのことができるようになる(もっとも、本人の肉体的・知能的な資質からあまりにかけ離れた才能は植え付けられない様子)。
この究極のリアルフィクションは、チームダンガンロンパの主要スタッフである白銀つむぎの才能「超高校級のコスプレイヤー」の力によって成り立っているものである。世界をコスプレさせることができる彼女の才能で、参加者たちの誰もがこの世界を本物と思い込んでしまう。
希望の思いで絶望に立ち向かう果敢な参加者達の姿は、24時間体制で世界中の視聴者に対して放映されており、この世界の人々はそれを見て希望というもののの素晴らしさを感じている。
つまりは希望を求める人々の需要によりコロシアイが成り立っているのである。我々が希望が最後に勝利するハッピーエンドを期待してコロシアイゲームをプレイしているように。