究極のリアルフィクション
きゅうきょくのりあるふぃくしょん
この記事には、ゲーム「ニューダンガンロンパV3」の最も重大なネタバレが記載されています。未プレイ若しくはプレイ中の場合、当ゲームの楽しさを著しく害する場合が有りますので、自己責任でお読みください。
才囚学園の「外の世界」において大人気のリアリティショー『ダンガンロンパ』のキャッチコピー。
この世界では、コンピュータゲームから始まった『ダンガンロンパ』がメディアミックスを積み重ねて絶大な人気を獲得。プレイヤーである我々の世界に存在する希望ヶ峰学園シリーズから、我々の知らない『ダンガンロンパ』関係のコンテンツまで、延々と関連作品が作られるようになっている。
開示されたものは
- 「ネクストダンガンロンパ4 希望を超える絶望」
- 「FINALダンガンロンパ5 モノクマリターンズ」
- 「DREAMダンガンロンパ6 希望の名は。」
- 「シン・ダンガンロンパ7 絶望と希望」
- 「帰って来たダンガンロンパ8 新たなる希望と絶望」
- 「ミラクルダンガンロンパ9 絶望の逆襲」
- 「アニバーサリーダンガンロンパ10 絶望の誕生」。
しかし長い長い年月を経ながら続いていった『ダンガンロンパ』は、遂には生身の人間達に本当にコロシアイをさせてそれを楽しむという悪趣味極まりない退廃的なコンテンツになってしまった。
ゲームではなく、無自覚な役者によって演じられるショー、あるいはドラマというわけである。
ただしあくまでこの事実は黒幕の言葉によって語られただけに過ぎず、物語は真実を確認する前に幕を閉じている。
少なくとも「視聴者」がいたのは間違いないようだが、それを踏まえても矛盾点や不審点が多く(シリーズファンであるはずの「公募参加者」が、モノクマーズの姿に見覚えがある割には「前回」の優勝者の顔を知らないなど)、実際に最原も幾つかの疑問を抱いている。
・矛盾・疑問点
現代技術を超えたギミックの存在
エグイサルや思い出しライト、モノクマ達、「扉を開くたびに元に戻る」思い出しライトの制作室など、明らかに現実の技術では作れないものが多い。
特にモノチッチは「虫より小さな自律監視型ドローン」という完全なオーバーテクノロジーの産物である。
虫の不在
草や土などは存在するにもかかわらず虫が一匹もいない。
学園が現実に存在するならば明らかにおかしな事実である。
キーボについて
キーボがロボットであることは最初から明言され、最終的に彼はその能力を駆使して学園そのものを破壊した。
が、最初の最初、プロローグの最初で全員集合したシーンで一瞬映るキーボは「学ランに帽子を着た少年」という完全な人間である(少なくともロボットのキーボにある眼の下のラインは確認できない)。
思い出しライトによる記憶の改竄とファッション変更だけでは説明が不可能な事象である上、ロボットとしてのキーボ自体がエグイサルなどを超えたオーバーテクノロジーの塊である。
最初の記憶の矛盾
冒頭のシーンでは全員が「格好が普通」「最初の記憶がまだ」とされた上で、モノキッドから「お前らは誰だ、何か特別な才能があるのか」と問われている。
このシーンではモノタロウは「設定では超高校級狩りの仕業で全員記憶を失い、ただの高校生になってしまった」と語っているが、恐らくは「設定では」という部分まで含め、モノクマーズ=モノクマに対するプレイヤーの信用のなさを逆手に取った逆ミスリード=真実であると思われる。
つまりゴフェル計画の記憶は作中で言及されたように捏造されたもの(当然「狩り」を逃れるため自ら記憶を消したというのも嘘)だが、同様に「誰かにさらわれた記憶」もまた捏造だと取れる。
さらに、この時点で全員がどうやってか自動的に着替えさせられ、その状態で再スタートしている(思い出しライトを用いた記憶の植え付けはこの後であるため、意識を失っている間に、という理屈は通らない)。
再スタートについて
同じシーンでは「最初の記憶の植え付けはモノファニーの仕事だった」という言及があるが、これを読み替えると「16人がモノファニーと接触する機会が最初の最初より前に1回あったが、モノファニーが記憶を植え付けるのを忘れたままスタート地点に待機させてしまった」という言外の事実が読み取れる。
オーディションの存在
6章では赤松、最原、百田がオーディションに参加している映像が流されているが、ここで読み取れるそれぞれの性格は劇中とは正反対のものとなっている(黒幕が「全てフィクション、嘘だった」と印象付けるための偽造という可能性もあるが、この展開に至る前の5章の時点で「シナリオ」が破綻し、当座しのぎの思い出しライトでしのぐ有様であるため、考えづらい)。