概要
日本三大悪妖怪とは日本の伝承に登場する妖怪の中でも、特に人々に被害をもたらしたとされる三妖怪である。
悪妖怪の悪は善悪の悪を指すものではなく、強く猛々しいという意味での悪を指すものとも考えられる。
ただし酒呑童子、玉藻前、崇徳天皇を指して日本三大悪妖怪とする用法は江戸時代より前から言い伝えられたものではなく、近年になって創作されたものである。
具体的にはWikipediaにおいて「玉藻前」の記事に2005年5月、「酒呑童子」の記事に2005年6月にそれぞれ日本三大悪妖怪であるとの趣旨が加筆されている。
しかし、どちらの記事でも玉藻前や酒呑童子が日本三大悪妖怪であるという出典が明記されておらず、その信憑性が疑問であるとされた。
上記についてはWikipediaの「日本三大悪妖怪」のノートでも議論されている。
その中では2005年以降にWikipediaの記事を参考に日本三大悪妖怪の用法を引用した可能性が高いと思われる書籍が出版されているものの、2005年以前に日本三大悪妖怪について言及した書籍は見当たらないとのこと。
そのため2016年10月22日現在、Wikipediaの「玉藻前」「酒呑童子」の記事において日本三大悪妖怪であるとの記述は削除されている。
また、中世の日本三大妖怪として酒呑童子や玉藻前と大嶽丸が挙げられるが、*日本三大怨霊ともされる崇徳天皇が妖怪として日本三大悪妖怪とされているなど疑問点もある。
このように日本三大悪妖怪というくくりが創作された過程にはいまだに不明な点も多い。
ちなみに「八岐大蛇は？」という読者も多いだろうが、酒呑童子は八岐大蛇の隠し子とする説もある。
