概要
霹靂布袋戲とは、台湾で人気のあるテレビ人形劇シリーズである。
台湾伝統の人形劇、布袋戲から映像向けに発展したもので、前シリーズの「雲州大儒侠」からパワーアップしたストーリーとどこまでも進化していくCGやエフェクトをほこる奇想天外な中華ファンタジー活劇である。霹靂国際マルチメディア株式有限会社に制作され、理事長の黄強華と社長の黄文択から指導を受け制作される。超長編の大河ドラマの構造を持ち、計2000回以上放映されている。
現在の台湾では、コンビニエンスストアで毎週2章ずつ新作のDVDが販売されている。専用のテレビチャンネルでも放送されている。
登場人物の声とナレーションは、口白師(文楽で言うところの「太夫」)が一人で担当していて、第一人者の黄文択はその多彩な声色から「八音才子」と呼ばれている。
中華武侠劇の体裁を取っているが、出てくるキャラクターたちの能力は神か仙人かというレベルで、飛行や瞬間移動、ビーム攻撃が普通に出てくる。
世界設定
霹靂布袋戲は、400年以上前の中国が舞台とも紹介されるが、だいたい16世紀頃の中国大陸をモデルにした「苦境」という世界が舞台である。ただし、細かな時代考証より娯楽性を優先しており、初期から改造人間やクローン、電子機器等のSF設定や、呪詛、邪霊、異種族等のホラー、ファンタジー設定が多用されている。ランバダ、タピオカティー等現代の事物も登場する。
また、劇中では登場人物が空を飛ぶ、瞬間移動する等の描写が見られるが、その説明としては物理や魔法ではなく「気功」が根拠として使われる。
他にも気功では、風のように走る、手を触れることで他人の体を直す、等が行える。
なお、手を使わないで刀剣を抜く、等の描写は「御剣(ぎょけん)」と呼ばれ、「刀剣を自身の肉体同然に操る」という達人の技を表現している。剣に乗って空を飛ぶのは、御剣術に含まれる。
登場人物
主要人物の「素還真」「一頁書」「葉小釵」を始めとして、霹靂公式サイトにはのべ400人以上のキャラクター名が記載されている。
多くは武林に生きる武侠とその関係者で、物語が武林の内紛から異世界との戦争に移っていくにつれ、敵国の王族のような身分の高い人物が増えている。
詳しくは、「霹靂布袋戲の登場人物」から各キャラクターの項を参照のこと。
素還真-主人公、シンボルは白蓮。策士で武功の達人。巧妙な計略で敵を翻弄する。
一頁書-仏の外見を持つが悪人を問答無用でぶっ飛ばす破天荒なお坊さん。死んでもなんとかして生き返る。素還真の先輩的な存在。
葉小釵-孤高だが情け深い剣聖。自ら舌を切り取ったので喋れない。
シリーズ構成
霹靂布袋戲の劇集名は全て霹靂(Pili)の二文字で始まる。個別の内容については、「霹靂布袋戲の劇名」から各劇集名の項を参照のこと。
番組は1話完結ではなく、必ず次回へ続く終わり方になっており、1本観ると1劇集、1劇集を観ると複数劇集を観ることになる。
全体の構成
霹靂布袋戲は、1本1時間から1時間半程度の番組を1話(1集または1章)とし、複数話を1つの劇集としてタイトルをつけている。劇集ごとの話数はまちまちで、最短6話から最長60話まである。
各劇集は前後で関連があり、全体として大きな物語を形成している。
劇集ごとの構成
各劇集は前後で関連しているが、単独の劇集内でも起承転結があり、個別のテーマ(事件、人物等)がある。
劇集内の流れとしてよくある展開は以下のとおり。
- 序盤 今期内で取り上げるテーマの背景説明等に使われる。初回冒頭は、前期の最終回から直結する場面から始まることが多い。
- 中盤 前期から継続している事件に決着がつく。今期のテーマが表面化する。次期への伏線が張られ始める。
- 終盤 今期のテーマに一応の区切りがつく。次期で活躍する人物が登場する。最終回末尾は戦闘シーン等、緊迫した場面で終わることが多い。
コラボ
東離劍遊紀
Thunderbolt Fantasy
虚淵玄が原案・脚本・総監修を担当、キャラクターデザインにニトロプラス、使用する人形の造形アドバイザーとしてグッドスマイルカンパニーが参加する。詳しくは東離劍遊紀を参照。
関連タグ
表記ゆれ
霹靂布袋戲の用語は本来、繁体字表記だが、Pixiv上のタグでは簡体字や日本語による表記も見られる。詳しくは「霹靂布袋戲の表記一覧」を参照のこと。
また、「霹靂」はアルファベットのタグも存在する。
関連動画
予告
霹靂開天記之《創神篇》第1章予告(公式チャンネル『PILI 霹靂布袋戲』より)
関連リンク
- 公式サイト「霹靂網」※中国語