ヨゴレ(鮫)
よごれ
概要
学名はCarcharhinus longimanus、英名はOceanic whitetip shark。
別名ヨゴレザメとも。
和名のヨゴレという、なんとも失礼な名前は鰭の先が白く、汚れて見えることが由来と言われている。
全長は最大約3.5m。
分布
世界中の熱帯から亜熱帯にかけての外洋に生息する。18~28℃の海域を好む。
日本では南日本の外洋に生息。外洋ではヨシキリザメ、クロトガリザメと共に一般的な種類。
普通は表層から水深150mまでに生息するが、水深1000mまで潜ることもあるという。
生態
大きく、丸みを帯びた胸鰭や背鰭、鰭先に目立つ白い模様、濃いオリーブ色の体色と、似たような姿形の多いメジロザメ属の仲間では珍しく、一目ではっきりと識別できる。
比較的ゆったりと泳ぎ回るのに適した体の造りをしているが、動きは素早い。
食性はシイラといった大型硬骨魚類、軟骨魚類、無脊椎動物、ウミガメ類、海鳥、海洋哺乳類など。
イタチザメのような機会選択的捕食者であり、サメの中でも極めて獰猛な部類に入る。
胎盤を形成するタイプの胎生で、最大14匹の仔を産む。
インディアナポリスの悲劇
極めて獰猛なサメで、最も危険なサメの一つ。
本種の被害で最も有名な話はインディアナポリス号の悲劇と言われている。
旧日本軍が放った魚雷によって沈められたインディアナポリス号の乗組員のうち、漂流し救助を待っていた約900人が、救助されるまでの約4日で約300人にまで減っていた。
この原因として、本種やヨシキリザメといったサメに多くの人が襲われ亡くなったといわれている。
ただし、物的証拠が残っているわけでもなく、サメ以外の理由で死亡した乗組員も大多数いたという証言やサメは気にならなかったなどの証言もあり、インディアナポリスのサメ襲撃の全てが正しいとは言い切れない。
人との関わり
外洋性のサメなので、海水浴で遊ぶくらいでは、まず出会うことはないサメだが、死亡事故を最低でも3件起こしているので注意すべき危険なサメであることに違いはない。
遠洋などで行われるマグロ延縄漁の外道としてよくかかるため、その数を少しずつ減らしていると言われている。
飼育は難しく、2017年9月現在、飼育展示している水族館は国内には存在しない。