概要
沖縄県宜野湾市北東部に位置する地区。地区の南にはアメリカ海兵隊の普天間基地がある。
基地移設問題
宜野湾市の真ん中に位置する普天間基地は、周囲に住宅地が広がっていて世界一危険な飛行場と言われている。航空機の離着陸の際は住宅街の上空を低空飛行するため、住民たちは騒音と墜落の恐怖に毎日悩まされていて、2004年には基地所属の輸送ヘリが基地のすぐそばにある沖縄国際大学の構内に墜落する事故が起きている。
1995年に発生した米兵少女暴行事件で反基地感情が一気に高まり、基地移設を求める声が強まった。もっとも、沖縄では1972年の本土復帰以前から米兵による凶悪事件があり、本土復帰以前はこれらの事件の裁判で容疑者の米兵が無罪あるいはきわめて軽い罪とされる場合がほとんどだったため、もともと米軍基地に対する感情は非常に悪かったという背景がある。
1996年日本政府はアメリカ政府との間で、普天間の基地機能を同じ沖縄県内にある名護市辺野古(へのこ)に移転することで合意。
移設が決まった当時は沖縄県も名護市も反対の立場だったが、「軍民共用」、「使用期限15年」を条件に受け入れを表明した。ところが、いつの間にかこれらの条件はなかったことにされ、移設の合意のみがあったことになっている。
基地移設問題の注意点
1 当初は辺野古の基地内に滑走路を造る予定だったが、「土木で儲けたい」との沖縄県側の要望で埋め立てに変更された。「政府は綺麗な海を埋めるな」等の政府批判は的外れ。批判は沖縄の土木企業へが妥当。
2 「新基地建設」とマスコミは捏造するが、辺野古には元々基地があり、基地の中に滑走路を造るだけなのでただの「移設」である。「基地を増やすな」等の批判も的外れ。
3 「オール沖縄」なるフレーズで勘違いされがちだが、当の宜野湾市、辺野古。共々移設推進派である。翁長知事も6対4で当選したに過ぎず、これを「オール沖縄」と呼ぶことは自民党を「オール日本」と呼ぶことに他ならない。
2009年の政権交代で当時の鳩山由紀夫首相は、これまでの辺野古移転を見直し、「最低でも県外」と県外移設を目指すも結局断念し、辺野古移設に再び戻った。
さらに新型輸送機オスプレイが配備されたことで県民の間では、普天間基地の固定化につながりかねないと反発と危惧する声が高まっている。